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武姥・鬼気効果
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{{幽霊節}} キィーッキィッキィッ。なんじゃ、旅の者か? そんなら今夜は、ここへ泊っていくといい……。 なあに、悪いようにはしねえさ。……あんたを見てるとな、息子を思い出すんだ。わしの息子を……。 ==夕食の席== どうじゃ、わしの飯もなかなか美味いモンだろう? まだまだ腕は衰えねえさ。 時に……お主、「'''ブーバ・キキ効果'''」を知っておるか? キッキッキッ、まあまずは下の画像を見とくれ。 [[ファイル:ブーバキキ.png|link=]] ここに示された二つの図形のうち、あんたはどっちが「'''ブーバ'''」でどっちが「'''キキ'''」だと思うかね? #<big>[[#1|右がブーバで左がキキ]]</big> #<big>[[#1|左がブーバで右がキキ]]</big> <div id="1">{{vh|vh=25}} キキキッ、そうかいそうかい。なあに、わしはあんたがどっちを選ぼうが構わんよ。本当さ。 ……つまり「ブーバ・キキ効果」ってんのは、この問題で「'''左がブーバで右がキキ'''」と答えるやつらが何故だかすこぶる多くなっちまうって現象だ。不思議なことに、言語も文化も何もかもが違うところであろうとも、結果は同じになるんだと。 その理由は曰く「'''音象徴'''」……まあなんだ、つまり音がもともと持っとる特徴が、何かしら言葉に意味を与えてるってとこだ。 キッキッキッキッキ……「つまらねえ」って顔をしとるな。まあいい。寝床は用意しとるから、もうさっさと寝入っちまって、明日早くに出ていくことだ。 ---- <span style="color:#cccccc">ジョギ……ジョギ……</span> <p style="text-align:right ; color:#999999">ジャギッ ジャギッ</p> <p style="text-align:center ; color:#666666">ガチャン<br>ジャッキン</p> <span style="color:#333333">シャキン ヒュバッ</span> <p style="text-align:right ; color:#000000">ビタァン!<br>ジャラッ ジャラッ</p> <p style="text-align:center ; color:#000000">'''ブウウウウウン……'''</p> <span style="font-size:150%">寝室</span> ---- キキキッ……キッキッキッキッ……! 包丁……よし。ダガーナイフ……よし。アサルトライフル……よし。西洋剣……よし。鎖鎌……よし。そして、ライトセーバー……よし! ……おい 見たな……このわしの「'''鬼'''」の姿を……! キッキッキッ……キィーッキィッキィッ! そうじゃ! わしは最初からお前を取って食らうつもりだったんじゃ! とくと見ておけ! 特にこのアサルトライフルの威力を! '''覚悟おッ!!!''' ……ああ、またわしは……人を殺そうとしているのか……。 分からぬ。わしにはわしが分からぬ。昔はこんなことしておらんかったはずじゃ。一体いつからわしは「鬼」になったんじゃ……? もしや、わしはもとから「鬼」だったのか……? なあ、お主。教えてはくれまいか。わしは……本当のわしは、ただの山に住む「'''姥'''」なのか……それとも残虐な「'''鬼'''」なのか……! [[ファイル:武姥鬼気.png|link=]] #<big>[[#2|左が本当のあなただ]]</big> #<big>[[#3|右が本当のあなただ]]</big> </div> <div id="2">{{vh|vh=25}} ああ、そうか。そうじゃ……わしは鬼などではなかった……。 ありがとう、ありがとうな。お前さんまで殺してしまうところじゃった。 お主は本当に……息子に似ておるの。幼い頃には何をするにもひっついてきて、可愛いもんじゃった。 ……ああ、だが、皮肉じゃのう。わしをこんなにしてしまったのは、その息子であるというのに……。 もう、帰っておくれ。ここには二度と近寄るんじゃないぞ。 <big>ああ、今日もだめだったか。「'''武姥・鬼気効果'''」……道のりは遠そうだな。 だが、それでも、確実に進んでいる! 「鬼のオーラ」は達成してるんだ! ……そろそろだ! そろそろ鬼になってくれるはずなんだ……! 待ってろよ……俺を気狂いだと罵った学会の連中! 俺は必ず見返してやるからな! ハハハハハ! ……それにしても……「認知症になったら息子の顔すら忘れてしまう」って本当のことだったんだな。 まあ、研究に協力してもらってる手前、とやかく言える立場でもないけどな! 大丈夫だ、大丈夫。必ず実験は成功する……! さて、明日は金棒でも持ってこようかな。</big> '''END1: 鬼にも涙、鬼は嗤う。''' </div> <div id="3">{{vh|vh=25}} ああ、そうじゃ。そうじゃ! わしは鬼だった! ずっと鬼だった! '''さあ、殺すぞ殺すぞ殺すぞお! 死にさらせい!!!''' ……ぐうっ……馬鹿な……こ、これは……毒……ガス……うっ <big>'''やったあ……やったあ、やったあ! やったああ!''' ついにやったぞ! 証明したんだ! 今、写ってるよな!? ほら見ろ、鬼だ! 鬼の死体! 鬼になってるんだ! ハハハハハ……! 学会の奴ら……俺を否定した学会の奴ら……見ろ! 鬼になったぞ! 鬼になった! 重武装をした老婆は……鬼のオーラを纏い……ついには鬼そのものになる……! 「'''武姥・鬼気効果'''」は実在したんだ!!! 俺の言ったとおりの形で! ありがとう、みんな! ありがとう、母さん! 今まで俺を支えてくれた人たち……本当にありがとう! 俺はついに、やったんだ! あいつらを、見返してやったんだあ!!! アハハハハハハ!!!</big> '''END2: 老婆の屍、狂った男。''' </div> {{foot|ds=ふうは・ききこうか|cat=言葉遊び}}
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