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　嗚呼、今人生で最も素晴らしいひとときを過ごしている。鳥の鳴く声は素晴らしい。空は清々しいほどに晴れている。吸った空気は全身を駆け巡り、体中に新鮮な酸素を届けている。

　嗚呼。今人生を終わらせることが正解だろう。何故ならばこうして幸福なままこの忌々しい人生に幕を閉じることが出来るからだ。

　思えば私の人生は苦しいことばかりだったかもしれない。もしくは楽しさに満ちあふれていたかもしれない。今、そんなことはもうどうでも良い。他人の所為でこの至福のときを邪魔されることさえしな

ければ、何が起ころうが許せる。今の私ならきっと核爆弾のスイッチさえ押せるだろう。

　幸い私は金に困っているわけでも、何か苦しい生活をしていたわけでもない。結構な大企業のトップを務めたし、何かが出来なかったわけでもない。ただ、私の人生においてただ一つだけ言えることは、「退屈だった」。

　いや、待て。ここで私の話をすれば