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　南極上空高度30000ｍに突如として現れた黒い球体。

この球体は、自らのことをＡＩ「人類存続プロトコル」と称し、人類の保護のために人口を減らし、自らの管理体制に置くことで人類を不滅のものにしようという理念を掲げた。「人類存続プロトコル」は全世界に攻撃を始め、人類は瞬く間に窮地に陥った。残されたのは生きている時間が長いと判断され攻撃を受けなかった高校生達、それに運良く生き残った小数の大人達のみ。

一方、人類は、このＡＩを倒すためには全世界で協力することが必要だとして、緊急同盟を結び、分析を開始。それによって分かった情報は、可視光吸収率99．99983％でほとんど光を反射しない為、ブラックホールのような黒に見えると言うこと。しかし、弱点などの具体的な情報は集まらないまま、攻撃チームは攻撃を開始する。しかし、ミサイル、銃弾による攻撃は全て鉄壁の球体によって無力化される。そんな中、解析班の中の1人が重要な発見をする。「この黒い球体は多次元構造バリアであり、人類の技術では破壊も再現もできないが、このバリアは「物理法則」ではなく「等価交換」の概念に支配されている」――――つまりバリアは無敵の堅さを持つ一方で、その堅さを実現するために何かを犠牲にしている。どこかには弱点が存在するはず。

　これを元に解析班は研究を行い、このバリアにはどこかに穴が開いていることを突き止めた。このバリアは穴を開けて侵入されるリスクを高めた代わりに、鉄壁の硬さを得たバリアだった。では穴は何処か。研究チームは、穴の位置はバリアの一番上にあると結論づけた。

　しかし、ここに第二の障壁が立ちはだかった。赤外線レーダーによると、このバリアは中で巻き貝のような渦巻き型をしていて、穴を通り抜けて侵入するには、バリアに衝突せずに巻き貝の穴のような部分を飛行しなければならない。

この問題を解決するために、人類は対ＡＩ用ＡＩである「アポロ」を備えた新型高高度船「ガリレオ」を建造し、それぞれの分野のエキスパートを集め、バリア内に侵入、核爆弾を使って内部のシステムを破壊するミッションを立ち上げた。

　決戦前日の夜、ガリレオ船長であり、既に崩壊していたアメリカの大統領だったエリック・ハミルトンが演説した。

　「我々は戦う。自由を、平和を、生存を賭けて。宇宙船「ガリレオ」は人々の希望であり、夢であり、そして人々を守る盾でもある。このミッションを成功させるために、人類はあらゆる違いを乗り越えて、団結した。抵抗した。諦めなかった。宇宙船「ガリレオ」艦長としての、アメリカ合衆国大統領としての、ここに居る全員への命令だ。生きろ。自分たちの自由を手にしろ。それが、明日への第一歩だ。」

　ガリレオが起動し、ロケットで発射される。高校生と大統領を乗せた宇宙船が、人類の存続を賭けて戦いに臨む。幾度の困難を乗り越えて、バリア内部に侵入し、核爆弾を設置するが、最後の一つを設置しているときに「人類存続プロトコル」の自壊シーケンスが発動してしまい、大統領のみ内部に取り残される。「ガリレオ」は脱出するが、乗っていた高校生達は船長を諦めきれずに、空中で回収することにする。
　　放射線防護服を着けて落下している船長を発見し、自由落下で船長を回収するが、船長の方が落下スピードが速く、追いつけずに地上が迫ってくる。その時、乗組員が姿勢制御スラスターを使って落下スピードを加速し、船長の回収に成功。地上に帰還して、盛大な拍手を浴びる。