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自身の積読を解消するため、あるいは[[利用者:Notorious/読書管理|Notorious]]のようなことをして自己満足を覚えるために、 ==ここに我が読むべき本を刻む。== {|class="wikitable" !書籍!!備考 |- |歌野晶午『葉桜の季節に君を想うということ』||なんかすごいらしいので、買った(' |- |増田忠則『悪意』||メインプレイスの本屋で購入 |- |下村敦史『同姓同名』||読まねば |- |長江俊和『出版禁止』||読まねば |- |アガサクリスティー『オリエント急行の殺人』||よみゃ |- |アガサクリスティー『ABC殺人事件』||よみゃ |} {{幽霊節}} ==読んだ本の感想を書きたいときに書く場所だ!!!!== [[#1|刻まれたリンク(少なくとも直接的なネタバレは無い: そのはず)]] <div id="1"> {|class="wikitable" !書籍!!読後の感想 |- |長谷川修司『トポロジカル物質とは何か』||図書館より帯出。物性物理学の基礎をかいつまんで説明するとこが面白かった。 |- |松下泰雄『曲線の秘密』||図書館より帯出。<ruby>大数学<rt>おおすうがく</rt></ruby>。訳わかんなかった。 |- |雨穴『変な家』||TSUTAYAで購入。トリックは第三章の『記憶の中の間取り』が面白かった。あと、良いタイトル。 |- |相沢沙呼『medium』||図書館より帯出。よく考えたら、私が初めてちゃんと読んだ推理小説かもしれない。すごかった。 |- |宿野かほる『ルビンの壺が割れた』||メインで購入。帯の無い状態のこの本に出合いたかった。 |- |羽田圭介『黒い水』||図書館より帯出。怖……ってなった。人間の最悪な部分の描写力がすごい。 |- |長野まゆみ『45°』||図書館より帯出。なんか狐につままれたような感じになった(' |- |綾辻行人『十角館の殺人』||図書館より帯出。どうやら新本格ムーブメントとやらの嚆矢になったやつらしいが、そりゃあそうだわ。すげえもの。 |- |ヘルマンヘッセ『デミアン』||母がBTSのMVの考察に使うとか何とか言って買ってきたのをパクった。仰々しさという点で『[[Sisters:WikiWikiオンラインノベル#ルサンチマン|ルサンチマン]]』に影響を及ぼした。 |- |小野田博一『論理パズル101』||図書館より帯出。入門編までしかやってないけど面白かった。14「4人のコーヒー」17「悪女」22「Tシャツの飾り」23「ゴダイヴァ」が良かった。 |- |雫井脩介『検察側の罪人』||図書館より帯出。やるせなさが高かった。 |- |いとうせいこう『小説禁止令に賛同する』||図書館より帯出。いろいろと凝ったディストピアだなあと思った。読後感には、『[[Sisters:WikiWikiオンラインノベル#やあ今日は。|やあ今日は。]]』に近しいものがあった(' |- |井上真偽『その可能性はすでに考えた』||パレットの本屋で購入。正直終盤はロジックが高度過ぎてあんまし理解できてないかもしれない(' 再読せねば…… |- |我孫子武丸『殺戮にいたる病』||ジュンク堂で購入。ただの猟奇殺人ヤバヤバ系図書かと思って読んでたら、最後のページを解読するのに10分くらいかかった。 |- |雨穴『変な絵』||人にもらった。小説としては、私は『変な家』よりこっちのが好きかもしれない。動機が恐ろしい。 |- |早坂吝『○○○○○○○○殺人事件』||ジュンク堂で購入。解決篇のロジックの応酬に困惑するという、世にも珍しい体験をした。(もちろんいい意味' |- |綾辻行人『水車館の殺人』||ジュンク堂で購入。「本格ミステリ」の暴力を味わった。「十角館」に勝るとも劣らないという評は的を射ていらっしゃると思った。 |- |浅倉秋成『教室が、ひとりになるまで』||ジュンク堂で購入。初めてちゃんと読んだ特殊設定ミステリである。自分が読んできた小説の中でも大きく好きなのがこれである。 |- |ハリイケメルマン『九マイルは遠すぎる』||ジュンク堂で購入。これが[[九マイルもの]]か……!! ってなった。ロジックの機動力がすさまじすぎた。私は「わらの男」がハチャメチャに好きです。 |- |アガサクリスティー『そして誰もいなくなった』||ジュンク堂で購入。サスペンスみを感じた。 |- |麻耶雄嵩『螢』||パレットの本屋で購入。なんかおかしいなあと思ったところが、終盤で大回転した(' すごかった。 |- |品田遊『名称未設定ファイル』||ジュンク堂で購入。現代社会をユーモラスに描いている(こう言うと陳腐な感じになってしまうが'。私は「過程の医学」が好き。ビビる。追記:自動生成された広告ブログのやつもすごく好きだったんだけど、全く同じ脳の部位がDeltaruneに出てくるスパムトンというキャラクターを好きって言い始めて、これを思い出すなどした。 |- |殊能将之『ハサミ男』||ジュンク堂で購入。終盤はずっと「なるほど」でしか無かった。「ハサミ男」の内面描写もおもしろい。 |- |円城塔『文字渦』||ジュンク堂で購入。<ruby>大奇書<rt>おおきしょ</rt></ruby>。訳わかんなかったが、面白かった。作者の頭の中は本当にどうなっているんだ。私は「緑字」が好きです。 |- |米澤穂信『インシテミル』||パレットの本屋で購入。閉鎖環境での殺人という異常事態の中、推理小説としてのロジックの面白さは無論のこと、物語の推奨たる登場人物ら一人一人の性質と行動も素晴らしいものだった。←追記:物語の推奨って何の誤字? 全然分からない(' |- |米澤穂信『氷菓』||メインプレイスの本屋で購入。最初のちょっとした描写が終盤につながるの、当然素晴らしい('。人々も愉快ですてき。 |- |劉慈欣『三体』||図書館より帯出。「三体文明」のSFウルトラディティールにしろ、中国文化大革命から始まる人間ドラマが作り上げてしまったあの思想、あの動機にしろ、あるいは単に伏線回収のカタルシス、キャラクターの魅力にしろ、完成度が高すぎる。 |- |劉慈欣『三体Ⅱ 黒暗森林』||せうゆより帯出。前作からスケールアップした宇宙規模の頭脳戦がひとまず、劉慈欣の深く緻密で説得力あるお膳立てによって最強の決着を演じた。相似する作中の構造に興奮する性質を持つ私は、大いに興奮した。 |- |渡辺優『自由なサメと人間たちの夢』||図書館より帯出。色とりどりの読後感を持った短編集。私は「夏の眠り」が一番好き。こういう現実逃避系世界の歪みが性癖なので。 |- |今村翔吾『塞王の楯』||図書館より帯出。歴史小説はあんまよく分からないけど、あらすじが面白そうだったので借りてみた。そしたらアホほど面白かった。決戦は筆力が強すぎてバトル漫画の様相を呈していた。ずっと言及されてきたやつが最後の盾側の戦法と繋がって素晴らしかった。 |- |相沢沙呼/市井豊/鵜林伸也/梓崎優/似鳥鶏『放課後探偵団』||Notoriousより帯出。かつての青春の跡にて儚く美しい結末が紡がれる「スプリング・ハズ・カム」や、秀逸な舞台設定の中で不可能状況を破る鮮やかなロジックとその温かな"動機"が映える「ボールがない」など、素晴らしい短編集でした。 |- |劉慈欣『三体Ⅲ 死神永生』||せうゆより帯出。壮大さを増してゆくストーリーが、ある意味では「宇宙」さえ通り越して、知性存在の営為の究極みたいなところに帰着した。三体シリーズは最後まで最高であった。おとぎ話隠喩推定プロジェクトとか、めっちゃ面白かった。あと、智子、好き(' |- |青崎有吾、青柳碧人、乾くるみ、井上真偽、上田早夕里、大山誠一郎、乙一、恩田陸、伽古屋圭市、門井慶喜、北村薫、呉勝浩、下村敦史、翔田寛、白井智之、曽根圭介、蘇部健一、日明恩、田丸雅智、辻真先、長岡弘樹、夏川草介、西澤保彦、似鳥鶏、法月綸太郎、葉真中顕、東川篤哉、深緑野分、柳広司、米澤穂信『超短編! 大どんでん返し』||今、読了してから数か月が経った状態で、たまってた感想欄をまとめて書いているのだが、この短編集の記憶を完全に失っているので、何も書けない(いつか再読するか' |- |フィリップKディック『電気羊はアンドロイドの夢を見るか?』||大SF。なんか、すごかった覚えがあるが、ほとんど忘却してしまった(' 再読せねば(' 追記:たまってた感想欄を再び書き始めた今では、ただなんかエロいシーンがエロかったのは覚えている。 |- |湊かなえ『高校入試』||入学試験中の教室という閉鎖空間でのハウダニット的なものを期待して手に取ったら、だいぶ社会派の方だったのを覚えている。 |- |川上弘美『大きな鳥にさらわれないよう』||途中からじわじわ、なるほど確かにこれはSFだわとなった。けれども焦点が当たっているのはそこにおける人間性的なもので、各短篇がゆるやかに繋がって無菌室の童話のような美しさがあった。これを書いてる時点で最早具体的な事は何も覚えてないけど、その雰囲気は美しかったろう。 |- |小林多喜二『蟹工船・党生活者』||「蟹工船」は記事「[[蟹光線]]」を書いておきながら読んでなかったが、堂々のプロレタリア文学性に圧倒された。過酷な労働環境で汚くてむさくるしい仲間たちとひどい上司に反旗を翻すその流れに、文字を読むだけで飲まれるわ。「党生活者」は当時の社会主義者の人生がしのばれた。言論の自由を守ろう。 |- |鯨統一郎『邪馬台国はどこですか?』||そういえばNotoriousから借りて読んだことあったわ(' もはや本の内容は全く覚えてないし他の本との時系列も分かんねえから適当に表のこの辺に書いとくけど、なんか女を生来的に感情的であって男の理性と対置されると愚かな姿を演じることのある動物として捉える眼差しが表出してるなあと思った気がする('('(' 記憶は歪むものなので頻繁にそんなことなかったかまたは俺が色眼鏡を掛けていただけかもしれないが('('(' |- |サイモンシン『フェルマーの最終定理』||数学わかんねすぎるラプラプでも楽しめた。さすがはサイエンスライター。 |- |米澤穂信『儚い羊たちの祝宴』||帯がダルすぎてなかなか買わずにいたら、<s>Notoriousが貸してくれた('</s>Notoriousはこれを否認したので、おそらく図書館で借りたのだと思われる。どの篇も良かったというぼんやりとした記憶があるが、特に火葬に関係する一篇がすごい良かったのを覚えている。こんな具体性を欠いた言葉じゃ信じてもらえないかもしれないけど、信じてくれ! 良かったと思ってるんだ! てかこれ米澤穂信じゃん(' 今気づいたわ(' |- |二宮敦人『!』||過去をときめくケータイ小説の雄らしく、タイトルに惹かれてなんかのモールのイベントみたいなので買った。俺は都会の若者が出てくるショッキングで露悪的なコンテンツで育ったので、非常に好みに馴染んだ。特に隣の部屋かなんかに住み着いている殺人鬼に恋してる女子の話と、起きたら知らない部屋にいて、その部屋がどんどん小さくなってくるという全編圧死の恐怖で走りきるやつが好き。 |- |背筋『近畿地方のある場所について』||ホラー雑誌の原稿やインターネットの恐ろしい投稿が、特定の「近畿地方のある場所」に関連している、という枠組みで、大量の怖い話を浴びせられ続けるし怖い話がどんどん繋がっていく。袋とじの最後のページは怖すぎて再読するまで帯をぐるぐる巻きにして封印していた。 |- |雨穴『変な家2』||『変な家』の正統進化。今回ももちろん複数の家に共通する不自然な間取りがあるが、その「意味」が前回とは全く違うアプローチでありながら話の規模感と合っていて、かついかにもありそうなもので恐ろしかった。「変なもの」「歪なもの」として表出したものの根底に何重にも絡まった人間の恐ろしさを描くスタイルが徹底されている。 |- |夕木春央『方舟』||人間の感情と最大の仕掛けが完璧に結びついた恐ろしい構成だった。水没する地下の閉鎖空間で殺人まで起こるという極限状態下の登場人物らのストレスは読んでるだけでヤバすぎる。ただその殺人のおかげで「みんなが脱出するために地下に残ってなんかを操作しないといけない生贄選び」が「犯人当て」になるというアイデアも凄い。ちょうど今、タイトルの{{粛清されました}} |- |夕木春央『十戒』||なんと、覚えてない!! いつか再読します。 |- |井上真偽『アリアドネの声』||手に握る汗が疑いに変わり、そして疑いは絶頂に変わる。情と論理のダブルカタルシスでめちゃくちゃ絶頂できる。舞台設定も秀逸でありながら描き方も素晴らしく(客観的であることが展開上必要だったとはいえ)、よくできたドキュメンタリー番組の再現VTRを見ているような感じで最初から最後まで楽しめた。 |- |米澤穂信『さよなら妖精』||Notoriousより帯出し、二年くらいの時を経てようやく読んで返した。世界史くんだったことによって、一つ自力で理解できたポイントがあった。終盤、無気力系キャラが必死こくのが俺は好きなので、好きだった。最後は{{粛清されました}}しかった。←ネタバレだからネ そうだ、未成年者が酒を飲むな!!! |- |北村薫『空飛ぶ馬』||Notoより帯出。未成年者が酒を飲むな!!! 日常と謎を貫く人間の感情が悲喜こもごもあって良かった。ラプラプは「赤頭巾」が一番好き(Wiktodonを遡ることで題を特定した。そこには「『赤頭巾』の話をした動機とその二人の馴れ初め。👹」と書いてあったが、もうそこまでは思い出せない……しかし俺に素晴らしかったことに変わりなあ!!'。後にスノータイムリミットにあったことに気付いた。 |- |青崎有吾『早朝始発の殺風景』||Notoより帯出。未成年者が酒を飲んでない👍 全篇人々もストーリーもリアリティがありかつ面白くて素晴らしかった。今までNotoから借りてきた日常の謎の非続き物短編集の中で一番好きかもしれない。メロンソーダのやつの理由を見破ったことは、一生自慢して生きていくだろう。一番好きなのは観覧車のやつ!!!! 卒業式の日のやつも素晴らしかった。エグい下着かなんかが出てくるところで笑った気がする。 |- |背筋『口に関するアンケート』||なかせう大学フェスタに行く時に京都駅で買った。構談社の見開き(A6判)と同じサイズという異質感にまず目を引かれる。一人一人の体験談を読み進めると肝試しの時の出来事の全体像が見えてきて、全てが最後にタイトル通りのアンケートに帰着し、怖すぎ。同作者『近畿地方(略)』の袋とじも然り、本文が終わった後俺の方に働きかけてこないでくれ怖いから。 |- |宮部みゆき『理由』||同上購入。まるで現実のドキュメンタリーのような圧倒的詳説でもって、嵐の夜、高層マンションで起きた不可解な事件を追う中で、それを表出させた全ての直接的・間接的理由の背景としてそれぞれの現代的な家庭問題を印象的に描き出す大社会派ミステリ。ちょうどよかったのでラプラプはこれで英語のリーディングのレポートを書いた。 |- |ステュアートタートン『イヴリン嬢は七回殺される』||登場人物の多さと時系列のループによってアホほど複雑な物語をなしていて、一度半分くらい読んだものの年月を経て全て忘れてしまったので全再読せざるを得なかった。その特殊設定であることの意味と結末が、物語を通してそれが主題だと気づかないで何度も刷り込まれていた要素と急激に結びついて素晴らしすぎた。 |- |周浩暉『死亡通知書 暗黒者』||真っ黄色だったので気になってジュンク堂で買った覚えがある。エンタメ警察小説として頻繁に面白かったが、シリーズものでありかつこれ以降の話は日本語で出版されていないんか~~~~い!!!! 中国語を学んで原典をあさるしか無いんですか!? ええ!? |- |米澤穂信『愚者のエンドロール』||Notoより帯出。作中作ミステリの内容のみならず作中日常の謎(あの怖い女の人の思惑も含め)が最終的に明らかになる構成が面白かった。そのクラスの人たちの推理の誤りを次々指摘していくところも軽快かつ濃くて良かった。ラプラプは福部里志が好きになり始めた。 |- |上條一輝『深淵のテレパス』||エンタメパワーが強すぎる。劇場版ドラえもんのような「ここでアレかい」「アレがソレかい」が終盤にかけて何回もやってきてガチで面白かった。ホラーの要素に関しても、家中の暗いところから何が来るという自分の身に置き換えて想像しやすい怖さがあり、かつ強迫的にスタンドライトを設置しまくった眩しい家の客観的怖さもあって素晴らしい。 |- |背筋『穢れた聖地巡礼について』||通称「ケガジュン」または「げんあな(帯の「げんきなあなたがうまれます」より)」(俺が勝手にそう呼んでいただけ'。幽霊に関する三人の登場人物の立場とか人間性にはそれぞれある種切実なものがあって素晴らしかった。ただ、一読して、意味が分からなくて再読したら、人間どうしのその物語はただの一面というかある意味で必然性の無い、何にもならないもので、最初から、うまれた時から{{粛清されました}} |- |レイブラッドベリ『華氏451度』||「縮小現実」を書く前に読んどこうと思って読んだ。主人公が壁に投影されるファンタジーランドに耽溺する妻とその友人たちに対して、所持が禁止された(叙述用法)詩集か本か忘れたけどそれの内容を対愚者感情に任せて激しく読み上げるシーンが印象的だった。(それは愚かで感情的な自殺行為であって、共感も嫌悪もできてしまうことよ) |- |米澤穂信『クドリャフカの順番』||Notoより帯出。「縮小現実」を書く前に読んどこうと思って読んだ2。主題となる怪盗事件に関しても、漫画研究会の論戦におけるその主張に関しても、人間の感情というものが動機となってそうさせているという事実に、キャラクターというものの素晴らしさを感じた。古典部の四人におかれましても料理バトルのところとか面白かった。 |- |背筋『近畿地方のある場所について 文庫版』||主要な役割を占める二人の登場人物が単行本版から替わったことで、提示される資料(もとい物語の前提条件)はそのままに、別の視点から物語は異なった形で展開されていく。袋とじの最後のページの被写体は、単行本版と全く同じなのに、全く違う見え方で写っていて、あの時抱いた恐怖はどこへやら、それなら視えて殺されてしまってもいいのかもしれない、と思う。(客観的に見たら完全に怪異に魅入られてしまった人になっている) |- |梨『お前の死因にとびきりの恐怖を』||物語を駆動する設定と結びついた形で、結局のところ人間の剥き出しの感情が主題になるという構造で大いに好き。読んできた本の中であえて最も好きなのを選ぶ時、今まで浅倉秋成『教室が、ひとりになるまで』を挙げてきたが、最近これに更新されたかも、と思ったところで、上で言ったような大いに好き構造がこの二冊のどちらにも当てはまることに初めて気付き、俺ってこういうのが確かに好きなんだ、となった。明言こそされてないし知らなくても読めると思うが、世界観はSCPでありその基礎知識があったおかげで読みやすかった。 |- |米澤穂信『遠まわりする雛』||Notoより帯出。どいつもこいつも色気づきやがって……(すばらしい)。[[九マイルもの]]で見た「心当たりのある者は」をついに読んだ感動も内容の素晴らしさもひとしおである。「手作りチョコレート事件」が特に好きだった。客観的に見ればかなりえげつないその行為もまたキャラクター性より出でてまた還元されるなあ! |- |坂口安吾『不連続殺人事件』||推理小説として、犯人特定の糸筋となるものの描かれ方が素晴らしかった。登場人物たちのぐっちゃぐちゃのカスみたいな関係性も面白い。連載当時、犯人を当てた人には賞金が出ることになっていたようで、本文と同時に筆者による読者への挑戦状的なテキストが掲載されているのだがそれがずっとめちゃくちゃ挑発的でそこも面白かった(' |- |雨穴『変な地図』||今回は『変な絵』同様に小説の形式で、全編を貫く軸として古地図を巡る謎はもちろん、今回主人公として活躍する雨穴作品お馴染み栗原(青年時代)の内面のあれこれがあり、両者が相互作用して小説として素晴らしかった。今作最大の殺人は、圧倒的なスケール感のかたわら方法にリアリティもあり伏線も超ありで凄かった。いつも通り大量の図表によって理解漏れも存在しえない。雨穴は家族の愛憎が好きすぎる。 |- |城戸『悪魔情報』||めちゃくちゃ面白い。各短篇、ずっとシュールではちゃめちゃな怪奇現象がいわゆる「祭り」的に匿名掲示板で実況されていて面白く、終盤には突然劇場版ドラえもん的な熱いエンタメ性能も発揮されるのでずっと面白い。ラプラプが蛇蝎の如くの【ネットの反応集】性も(そりゃあ筆者はYouTubeキッズじゃないんだから当たり前なんだけども)全く無いので非常に良い。 |- |長江俊和『出版禁止』||『!』とともに購入したものだわ。パズル的な仕掛け(作中では「児戯」みたいに言われていた)が随所に施されたモキュメンタリーで新鮮だった。根幹になる事実が明示されない点では『穢れた聖地巡礼について』に似てるかも。読んだその日に熊野公共文庫で室謙二『アジア人の自画像』と交換したのでラプラプの手元からは消滅した。 |} </div>
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