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館シリーズ
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'''館'''(やかた)'''シリーズ'''とは、[https://ja.m.wikipedia.org/wiki/綾辻行人 綾辻行人]による長編推理小説シリーズである。シリーズを通して高い評価を得ており、日本の本格ミステリ界を代表する作品群となっている。 ==概要== 1987年、館シリーズ1作目で綾辻のデビュー作でもある「十角館の殺人」が刊行された。これは高い評価を受け、「'''新本格'''」と呼ばれる本格ミステリ復権ムーブメントの嚆矢となった。 <br>その翌年、第2作「水車館の殺人」を発表し、その帯で初めて「新本格」という言葉が用いられた。 <br>1991年に発表された第5作「時計館の殺人」は、第45回日本推理作家協会賞を受賞している。文藝春秋編「[[東西ミステリーベスト100]]」では、「十角館の殺人」が国内編8位、「時計館の殺人」が同20位にランクインしている。 <br>6作目「黒猫館の殺人」までは半年〜2年おきに新作が刊行されていたが、第7作「暗黒館の殺人」の発表は前作から12年かかっている。また、現段階での最新作「奇面館の殺人」の発表から現在までは、{{#expr:{{CURRENTYEAR}}-2012}}年経っている。 <br>館シリーズは、既刊9作であり、次の第10作で完結するとされている。そして、その完結巻の題名は「天竺鼠館の殺人」に決定したと、綾辻は2021年4月1日に<del>中国の</del>SNSアプリ「Twitter」で発表している<ref>[https://mobile.twitter.com/ayatsujiyukito/status/1377342045866483716 当該ツイート]</ref>。 <br>シリーズ作品は全て講談社文庫に収録されており、「黒猫館の殺人」までの6作は、全面改稿された「新装改訂版」が出版されている。 <br>2012年9月時点で、売上はシリーズ累計409万部を突破している。 ==特徴== このシリーズの特徴として、各作品に独特の'''館'''が登場することが挙げられる。シリーズを通して'''中村青司'''という建築家の館が登場する。そしてその多くが物語の、ひいては事件の舞台となる。この中村青司という建築家は、遊び心から「自らが設計した館に、''秘密の通路''や''隠し部屋''といったギミックを盛り込む」という設定がある。すなわち、本格ミステリ界では普通ご法度とされる'''「隠しギミック」ありきでの本格ミステリ'''となっているのだ。 <br>また、'''伏線の多さ'''も大きな特徴である。ネタバレに繋がるため深くは述べられないが、作品により多少の差異はあれど、おしなべて伏線が多い作品群だと言える。 <br>さらに、[[クローズドサークル]]で起こることが多いということも挙げられる。「人形館の殺人」「びっくり館の殺人」の2作以外は、クローズドサークルで事件が起こっている<ref>ただし、「十角館の殺人」「黒猫館の殺人」のように、探偵役や語り手がクローズドサークルの中にいないものもある</ref>。 ==作品リスト== ()内は、その作品が発行された月。なお、第8作「びっくり館の殺人」の初出が、子供向けミステリーの叢書「講談社ミステリーランド」であるのを除けば、シリーズ作品は全て講談社ノベルスが初出である。 *'''十角館の殺人'''(1987年9月) *'''水車館の殺人'''(1988年2月) *'''迷路館の殺人'''(1988年9月) *'''人形館の殺人'''(1989年4月) *'''時計館の殺人'''(1991年9月) *'''黒猫館の殺人'''(1992年4月) *'''暗黒館の殺人'''(2004年9月) *'''びっくり館の殺人'''(2006年3月) *'''奇面館の殺人'''(2012年1月) 2015年には「十角館の殺人」の英訳版「The Decagon House Murders」が海外で出版されている。 <br>2019年より、「十角館の殺人」のコミックリメイクが「月刊アフタヌーン」にて連載中である。原作からの変更点としては、主要人物<ruby>江南孝明<rt>かわみなみたかあき</rt></ruby>の名前が<ruby>江南<rt>かわみなみ</rt></ruby>あきらとなり、性別も男性から女性になっていることなどが挙げられる。 <br>館シリーズとは別に、綾辻行人原作、[https://ja.m.wikipedia.org/wiki/佐々木倫子 佐々木倫子]作画の漫画「月館の殺人」が、2004年から2006年にかけて、「月刊IKKI」にて連載されている。しかし、これは館シリーズとは関連が無い。「月館」も、「つきだて」という地名であり、建造物の名前ではない。 <br>また、綾辻の作品「霧越邸殺人事件」<ref>「東西ミステリーベスト100」では、国内編第82位にランクインしている</ref>は、幻想的な館、クローズドサークルなど館シリーズとの共通点が多いこと、さらには冒頭に「もう一人の中村青司氏に捧ぐ」という献辞があることから、「館シリーズの番外編」と位置づけられることもある。 ==脚注== <references/>
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