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{{秀逸な記事|秀逸性=過去}}{{秀逸な記事|秀逸性=過去}}{{foot|ds=せつくす|cat=公序良俗に反する記事}} 生唾を飲み込むけど、喉はカラカラのままだ。心臓が早鐘を打っている。僕は、恥ずかしい話だが、ひどく緊張しているのだ。備え付けのバスローブを羽織り、深呼吸してシャワー室のドアを開ける。ベッドに腰掛けている千夏がはっと顔を上げ、またぱっと俯いた。ラブホテルの暗い照明の下でも、その頬が赤く染まっているのがよく見える。きっと僕の顔もそうなのだろう。今夜、僕らは一線を越える。 <br>「お待たせ」 <br>「ううん」 <br> 同じバスローブを着ている千夏の左に、僕は腰を下ろした。こういうことはまるっきり初めてというわけじゃないのに、今までで一番緊張している。 <br> その所為か、意味もなく思ったことを話しかけてしまう。 <br>「お風呂、意外と綺麗だったね」 <br>「あっ、うん。それに広かった。まるでホテルみたいだなって思っちゃった」 <br>「ここもホテルっちゃホテルでしょ?」 <br>「あ、そうだった」 <br> 二人で肩をゆすって笑い合う。ベッドのスプリングが微かに軋んで音を立てた。右をちらりと見ると、千夏が口元を綻ばせて笑っている。 <br> 長い睫毛、細められた栗色の瞳、短めに切り揃えられた艶やかな髪。僕の胸に、愛しさが膨れ上がっていった。 <br> 気づくと、千夏を抱きしめていた。 <br>「……大介?」 <br> 千夏の戸惑ったような照れたような声が、僕の胸の中から聞こえる。肩を掴んで一度身を離し、千夏の瞳をまっすぐ覗き込んだ。込み上げる衝動のまま、口に出す。 <br>「好きだ、千夏」 <br> 目を見張った千夏は、もじもじと身じろぎをしていたが、やがて斜め下を見ながら、 <br>「……わたしも」 <br> と小さな声で言った。 <br> 僕はそっと千夏の髪を撫でると、ゆっくりと顔を近づけていった。千夏もあごを少し上向かせて、目を閉じた。心臓がドキドキとうるさい。解れたと思った緊張がまたぶり返してきている。ええい、ままよ、と唇を寄せたが、目測を誤って歯がガチリと当たってしまった。 <br>「ご、ごめん」 <br>「ふふっ、中学生のファーストキスみたい」 <br>「なんかものすごく緊張しちゃって」 <br>「もう、落ち着いてよ」 <br> 千夏はコロコロと笑うと、一転して艶やかな表情になり、僕の首に腕を絡ませた。僕の唇に千夏のそれが重なる。柔らかな感触が直に伝わってきて、下腹部が疼く。右手で千夏の髪を撫でていると、唇を割って舌が入ってきた。熱を持って這い回る舌、固い歯とハリのある歯茎、ねばつく唾液を互いに貪り合う。 <br> 千夏の背中に回していた左手を、バスローブの襟から滑り込ませる。微かに火照った体がぴくりと震えた。口づけを続けながら、滑らかな肌の上に指を走らせる。息が続かなくなったのか、千夏はのけぞって顔を離した。 <br>「ちょっと待っ──」 <br> その口の端からとろりと唾液が糸を引いているのを見て、僕は思わず唇を再び押しつけていた。 <br>「んむっ」 <br> そのまま上体を重ね、シーツの上に倒れ込む。キスを続けながら千夏のバスローブをはだけさせた。右手は千夏の頭を抱いたまま、左手を肌に這わせる。細い首を撫でると、形の良い鎖骨の横を通り、人差し指で正中線をへそまでなぞる。華奢な体がびくりと跳ねた。塞いだ口から洩れる吐息が荒くなっていく。 <br> 口内を貪りながら、左手をさらに這わせていく。微かな胸の起伏を円を描くように指でなぞり、段々と円の半径を小さくしていく。ぽつりと立った小さな突起に指が触れたとき、千夏は小さく声を洩らした。乳首を親指で捏ねると、声は一際高くなった。 <br> 僕はようやく唇を離した。千夏の体はぐったりとベッドに横たわり、目は焦点があっていない。自分のものが怒張しているのを感じながら、手を千夏の太股の間に伸ばしていった。動悸が耳元で聞こえるほど、僕の心臓は暴れている。 <br> 薄く毛の生えた丘の下に、指を滑り込ませる。中指で秘所をなぞりあげると、千夏は唇の隙間から吐息を洩らした。そのまま数往復させると、とろりとした液が垂れてきた。天井の仄かな明かりを反射して、てらてらと光っている。それを指先に塗りつけ、ぷくりと膨らんだ赤い突起をつまんだ瞬間、千夏の腰がびくりと跳ねた。荒い呼吸をしながら、濡れた目で僕の指を見つめている。 <br> 僕は右手の親指と人差し指で挟んだ突起を、しごきはじめた。千夏が叫んで体を弓なりにしならせる。 <br>「あっ、待って、待っ──」 <br> 慌てて手首を掴まれたが、構わず続けていると、やがて千夏は声を漏らしながら浮かせた腰を激しく痙攣させた。僕がぐっちょりと濡れた右手を離すと、千夏の身体はベッドにくずれ落ち、もう一度震えた。足を開いて果てているあられもない姿に、理性の糸が切れるのを感じる。 <br> 手の平をシーツで拭うと、僕はバスローブを脱ぎ捨てた。千夏のも剥いで放り投げると、千夏をうつ伏せに転がす。サイドボードの引き出しに入っていたコンドームを素早くつけると、固くなった僕のものを千夏の腰に押し当てた。 <br> 四つん這いになった千夏は、振り向いて僕と目を合わせた。そして、微かに頷いた。 <br> 受け入れてくれたのだ。僕は天にも昇る心地になって、先端を千夏に侵入させた。 <br> 少し苦しそうな呻きを千夏が洩らす。僕はゆっくりと動いた。決して焦らず、千夏を痛がらせないように。 <br> しかし、快感は否応なく高まっていく。きつく包まれた僕の敏感な部分を、幾度も幾度も擦りつける。怒張した部分が四方から締め付けられ、甘い針を刺されているような感覚が押し寄せる。 <br> 気づかぬうちに、夢中で腰を振っていた。しまった、我を失っていた。焦って千夏の顔色を窺うと、しかし悪い想像とは異なり、恍惚とした表情で吐息を洩らしている。 <br> ゾクリと興奮が背を駆け下り、僕はピストン運動を再開した。より速く、より強く。千夏が叫んで太腿を揺らす。 <br> 悦びのままに、叩きつけるように腰を動かす。一突きごとに、千夏が声を洩らし、僕の中から何かが上がってくる。接合部分が淫靡な音を立て、快感は加速した。 <br> 全神経が下半身に集まったかのような状態。千夏も身体を震わせ、シーツをくしゃりと掴んだ。強く、甘く包み込まれて、それ以外何も考えられなくなる。 <br> 千夏が一際甘い叫びを上げ、僕は昇ってくる快楽を、もう押しとどめられない。深々と体を貫き、千夏の股から汁が迸り出た瞬間、僕は長々と精を放った。 {{vh|vh=100}}
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