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多目的C教室
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===健康な細菌「冶金」=== <div style="border:1px solid #c0c0c0; padding:0 1em; width: fit-content"> いくばくかの空間を不定形に占めて存在する彼は、今日も宇宙のどこかの惑星に根を張る知的生命体のもとで厚遇の限りを受けていた。彼の表面には光沢が見え、質感としては我々の知る真鍮に近いものがある。彼は、少なくともいまは逆三角錐のような形状をとっていて、これは丁度その知的生命体をデフォルメしたように感じられるのだった。 彼はもちろん知的生命体のうちの一人だとか、また別種の知的生命体だとかいうわけではなかったのだが、どういうわけか我々が感情だとか言うところの概念を保有していた。彼は、自分をきらびやかに飾りたてられた台座に設置して取り囲んだり、またある時には自分を熱と光が激しく反応する小さい洞穴に放り置いて形状をつくり変えたりするその知的生命体の奇妙な行動を、怪訝に思うばかりであった。 ある時、今度は円盤を象っていた彼のとなりに、白く輝く円柱様のオブジェが設置された。彼女は彼同様に、その知的生命体たちに不可解な崇拝と融解を与えられる立場にあったが、彼から彼女に自身同様のいわゆる感情があることを確認する術はなく、 じっさい彼女にそういうものがあると確認する手段は世界のどこにもなかった。しかし彼は、これが他ならぬ彼自身にも当然適応される事実であることに気づいてからは、角度によっては虹色にも輝いて見える彼女のその美貌にたじろぐばかりであった。 知的生命体の一個体が、彼と彼女を同時にその小さい洞穴に入れることを思いついた。炎が焚かれ、そのゆらぎの度に彼は彼女との境界を失くしていった。彼女の居たはずの空間を新たに占領してしまったせいで、彼女は存在として消滅してしまったのではないかと彼は不安になったが、すぐにそれは杞憂だったと分かった。彼はこのとき、彼女と意志を疎通させることに成功したのであった。彼らは二重らせんの形状をとって、知的生命体の、我々の言うところの歓声に相当する祝福を受け、すこし照れてしまったのであった。 </div>
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