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ニラ零細素片人工降雨禁止令事件
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==事件の流れ== ===ニラ降雨のさきがけ=== {{引用|引用文=瀬戸内地方の某村にて、ある青年が「ニラが空から降ってきた」と、ニラを握りしめながら自治会にて主張しました。<br>しかし、これは冗談だとして扱われ、嘲笑を受けた青年はひとりさみしくニラで首を吊ろうとしたものの、そのニラはちぎれてしまったのです!}} 1990年ごろ、このような内容のトピックが山陰地方のローカル紙に掲載された。 「空からニラが降った」という内容から、ニ・零零事件への関係が強く疑われているが、実際には真相はいまだ不明である。 ===ニラ降雨または悪夢の始まり=== 1991年6月中旬、梅雨真っただ中の日本各地に奇妙な報告が相次いだ。 {{引用|引用文={{名言|名言=<big>'''空からニラが降っている!!!'''</big>|対象=ニラ降雨|人物=日本国民}}}} '''そう、空からニラが降ったのだ。'''2.8億人<ref>リピーターが続出したため、当時の日本国民の総数よりも大きな数字となっている。</ref>ともされるこの期間の精神科医への全受診者数の記録は、今なお超えられていない。きっとこれからも超えられることはないだろう。 しかし人間とは適応力が高いもので、それからすぐに空から降ったニラを束ねて異常な安さで叩き売る業者が全国各地に大量に現れた。形は不揃いなものの、味も変わらず、何より値段が異様に安いこれらのニラは飛ぶように売れ、これによって普通にニラを作っていた農家は壊滅状態に陥った。 このころはまだこの現象の原因も全く分かっていなかっただけに、ニラ以外を専門とする農家も、自分が一生懸命育てている野菜が突如空から大量に降り出しては敵わないということで生産を大幅に縮小した。これによって野菜の値段は大暴騰し、そのうえ流通業も内臓が裏返るほどの大打撃を受けたことによって、日本の一般家庭から非耐久消費財、特に野菜と穀物は急激に消えていくこととなった。<ref>1993年ごろには、日本人の主食であるコメさえ消えてしまい、<span class="plainlinks">[https://ja.wikipedia.org/wiki/1993%E5%B9%B4%E7%B1%B3%E9%A8%92%E5%8B%95 平成の米騒動]</span>とも呼ばれる一大パニックを引き起こした。</ref> ===戦後最悪の不況=== ニラ降雨による経済的な被害は、生産業と流通業を共倒れにした。<ref>流通業も規模を縮小したため、農家以外の生産業者も大きな損害を被ったのである。</ref>これによって消費者の購買意欲は集団性の病理的な心理異常を疑われるほどに低下し、後に「'''失われた20年'''」と呼ばれるほどまでに長期的かつ甚大な不景気が始まってしまうこととなる。<ref>消費支出を限界まで減らすために、食費をニラだけでまかなおうとする家庭もざらにあった。</ref><ref><span class="plainlinks">[https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A8%E3%83%B3%E3%82%B2%E3%83%AB%E4%BF%82%E6%95%B0 エンゲル係数]</span>は異常な低下を見せ、1993年度には6.4%にまで減少した。このころの日本国民は、データ上では極めて裕福でありながら、実際には餓死も珍しくないといったねじれを起こしていた。</ref><ref>[[スラム|貯蓄が多いと経済は回らない]]のである。</ref> また、ニラは市場に出回る呪われた商品としてだけではなく、災害としても猛威を振るった。ニラ降雨によってニラ冠水やニラ洪水が発生したのである。これらは雨水と違ってかさばる固体であり、さらに自然に蒸発しないばかりか腐敗すらしていくため、処理は非常に困難であった。<ref>普通の雨水とニラが混じることによって、さらに衛生的に最悪な状態もしばしば生まれていた。</ref>[[ファイル:Allium tuberosum 2.jpg|なし|サムネイル|ニラ洪水による惨状。ニラ平線までニラが続いている。]] 特に関東平野地方はニラ害を強く受け、数か月にわたって首都圏の交通網が麻痺してしまうなどの極めて大きな被害が後を絶たなかった。<ref>このとき東京湾へ流れ出たニラの残滓が、<span class="plainlinks">[https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A8%E3%83%AB%E3%83%8B%E3%83%BC%E3%83%8B%E3%83%A7%E3%83%BB%E5%8D%97%E6%96%B9%E6%8C%AF%E5%8B%95 エルニーニョ・ラニーニャ現象]</span>を引き起こしているともいわれている。</ref> ===ニラ零細素片人工降雨禁止令=== このような状況下において、ついに政府は重い腰を動かした。1994年7月、ニラ零細素片人工降雨禁止令を発令したのである。この政令の詳細は、以下のものとなっている。<ref>[[Sisters:WikiWikiリファレンス/ニラ零細素片人工降雨禁止令|ニラ零細素片人工降雨禁止令]]より全文を引用。</ref>{{引用|引用文={{名言|名言='''ニラの零細な素片を用いて、人工的に降雨のような現象をもたらすことは、過失か故意かに関わらずこれを禁ずる。'''|対象=バイオテロ|人物=政府}}}} このあまりの適当さ<ref>一条しかないし、一文しかない。どう考えてもふざけている。</ref>と、根拠も一切なしにこの現象が故意のバイオテロによるものであると主張するよくわからなさから、政府は厳しい批判を浴びた。なお、前述したように、このころこれら一連の事件が「ニ・零零事件」と呼ばれ始める。 世界各国からも「自国民を救う気はないのか」などと大々的に非難され、立つ瀬の無くなった政府はようやくニラ降雨による被害を抑えるために本腰を入れて活動し始めることとなる。国はニラ降雨に係る有識者会議を設置し、「ニラ降雨の原因解明」・「ニラ降雨による経済被害の緩和法の模索」という二つのトピックを軸として、主な取り組みを行っていった。 これによって、一時的に日本経済は延命され、大国としての地位は何とか守られた。しかしニラ降雨の原因は未だ解明されず、日本国には暗雲が立ち込めていた。<ref>暗雲からはもちろんニラが降る。</ref> ===ベント=ウバコのオブジェクト配置を間違えただけなのに=== {{基礎情報 生物|生物界=植物|通称=ニラ|画像=ニラ.svg|分類= {{{!}} {{!}} 界:植物界 ''Plantae'' {{!}}- {{!}} 門:ニラ門 ''Alliumphyta'' {{!}}- {{!}} 綱:ニラ綱 ''Alliumopsida'' {{!}}- {{!}} 目:ニラ目 ''Alliumales'' {{!}}- {{!}} 科:ニラ科 ''Alliumaceae'' {{!}}- {{!}} 属:ニラ属 ''Alliumeae'' {{!}}- {{!}} 種:ニラ ''A.Allium'' {{!}}} |ICUNレドカテ='''Least Concern''' |分布状況=世界中|生息年代=不明|学名=''Alliumeae Allium''|和名=''ニラ''|英名=''Oriental garlic<br>Chinese chives''}} ニラ零細素片人工降雨禁止令が出て半年後、生物学者である遠藤真紗子<ref>マイクロベジタブル研究の第一人者にして、[[エンドルフィン|遠藤ルフィ]]の実孫。</ref>が「'''ニ・零零事件主犯'''」として自首した。彼女の主張は次のようなものだった。{{引用|引用文={{名言|名言=すいません…すいません…<br> ただ…私は…私は…<br> '''ベント=ウバコのオブジェクト配置を間違えてしまっただけなんです…'''|対象=自らの罪|人物=遠藤真紗子}}}} そう、彼女はいつものように[[Sisters:WikiWiki麻薬ショナリー#「ベント=ウバコ」|ベント=ウバコ]]によって[[コマツナ]]を培養しようとしていた。しかし彼女は大きな過ちを犯したのだ。 コマツナのための適切なオブジェクト配置の一つである、 *施設内全空間の6~7割ほどを占め、かつ丸い"白米" ……これを彼女は以下の通りに―――全くの偶然にも「ニラのための適切なオブジェクト配置」に―――間違えてしまったのである!<ref>マイクロ・ベジタブルの適切なオブジェクト配置を新たに発見するというのは、本来は大きな偉業であるだけに、この惨状を目の当たりにした彼女は[[鬱|精神を病み]]、約3年もの間入院していたのであった。</ref> *施設内全空間の6~7割ほどを占め、かつ'''細長い'''"白米" 加えて、彼女がこれに使用したベント=ウバコは強風によって飛ばされ、行方不明となっていた。つまり事の真相は、日本上空で漂っていたベント=ウバコからニラの[[Sisters:WikiWiki麻薬ショナリー#「マイクロ・ベジタブル」|マイクロ・ベジタブル]]が培養されては発育途中で風によって飛ばされ、また培養されては…というようにして増殖し続けていた、というものであったのである。 このベント=ウバコは無事探し出されて完全に焼却されたが、経済的混乱はまだ続いていた。いまさら原因をつぶしたところで、この影響は取り返しのつかないところまで伝播してしまっていたのである。 なお、奇しくもこれが「故意」のものであったことから、政府は実際にはこのことを初めから知っていたのではないか、という噂も流れたが、「とりあえずふさわしそうな法を適当に書いとけと言われた」というような内容の内部告発が複数回なされ、政府は謝罪をする羽目になったため、これは完全に否定された。<ref>この一連の流れにおいて、インターネットの住人たちの手のひらは[[お転婆|クルックル]]であった。</ref> ===収束・記憶処理・カバーストーリー=== 遠藤真紗子は、この事件は他でもない自分が落とし前をつけると言い放って半ば強引に有識者会議に参加し、祖父から引き継いだ[[エンドルフィン]]の研究成果を以てこの状況の解決策を提示した。 ====1.収束==== この不況を覆すには、人々の購買意識を高める必要があった。もはやニラ降雨は存在せず、流通業も回復しており、後はそれだけが改善されればすべてが好転するのだ。しかし、人々は未だに貯蓄しながら餓死することを続けていた。もはや彼らにとっては、現在に生きることよりも未来に生きることの方が断然重要なものと化していたのだ。死んだら元も子もないというのに。 そこで使われるのが、希釈された<font face="HGS創英角ポップ体">しあわせのおくすり</font>である。これを全国に散布することで日本経済には<s>幸せなバカ</s><u>活発に消費をする人</u>が増え、少なくともこの絶望的な状態からは抜け出すことに成功した。 ====2.記憶処理==== このニ・零零事件によって日本は国際的な信頼を大きく落とすこととなってしまった。これを元に戻すには何をすればよいのか。もちろん、[[公序良俗|わざわざ]][[ゲロ|善行]][[公序良俗|をはたらくのは割に合わなさすぎる]]――そう、この事件に関する記憶のすべてをこの世から[[ジョン|抹消]]すればいいのだ。 こうして全ての人間は、希釈された<font face="HGS創英角ポップ体">しあわせのおくすり</font>を多めに摂取させられ、<font face="HGS創英角ポップ体">しあわせ</font>すぎてニ・零零事件なんて忘れてしまったのであった。なお、過去からの学びを無駄にしないためにも、一部の日本の研究者(主に有識者会議に出席した者)、および政府高官だけは記憶処理を免除された。<ref>なお、当の遠藤真紗子は記憶処理を免除される手筈であったのだが、後に独断によって自ら記憶処理を行った。</ref> ====3.カバーストーリー==== しかしながら、1990年代前半の日本の歴史が世界中からすっぽりと抜け落ちているというのは実に怪しすぎる。このせいで、もし人々にニ・零零事件について詮索されて真実を知られてしまっては苦労が水の泡だ。 では、これにどうやって対処すればいいのか。そう、すべての人間に偽の記憶を植え付ければいいのだ。手順は簡単である。希釈された<font face="HGS創英角ポップ体">しあわせのおくすり</font>を至る所に散布し、もはや誰も知らないこの日本で起こった一連の出来事について、現在と整合性をとれるような嘘の話を吹き込む。後はこの話が拡散して、<font face="HGS創英角ポップ体">おくすり</font>の効果もあって正史として扱われるようになるまで待てばよいのだ。この「嘘」こそ、「'''バブル崩壊'''」という架空の出来事である。 === その後 === 前述した通り、今ではこのニ・零零事件はほとんど全ての人々の記憶から完全に消え失せてしまっている。しかしながら、この事件が日本経済に与えた損害はあまりにも大きく、今なお国民は不況から立ち直れていない。 いっぽう、これを経てマイクロベジタブル学は大きく成長し、後の物理学、その中でもある一つの分野において、大きな役割を果たしていくことになる。
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