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ラプラプの悪魔
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==未来の予測== ===方法=== ラプラプの悪魔は、前述した方法で確認した情報から、その時点で存在するすべての粒子の位置やその運動、それらの相互作用やそれらにより引き起こされる現象、さらにそれらに関わるあらゆる法則、 つまり、前述した通り、「'''その時点でのあらゆる力学的・物理的な状態'''」を確認している。そして、これらのすべての条件を用いて演算を行うことで、<u>未来を確定的に知りうる</u>のである。 唐突だが、この問題を解いてみてほしい。 「'''とある車が走っています。5秒後の未来には何が起こっていると予測できますか。'''」 よほどの<s>馬鹿</s><u>ひねくれもの</u>でない限り、「'''前へ進んでいる'''」と答えるはずだ。これは人間の経験則としてこうなることが分かっているから「'''予測できる'''」問題である。これをもう少し詳しく描写すると、 「'''とある車が20m/sの速度で走っています。5秒後の未来には何が起こっていると予測できますか。ただし、空気抵抗や摩擦などは考えないこととします。'''」 よほどの<s>馬鹿</s><u>ひねくれもの</u>でない限り、「'''100m前へ進んでいる'''」と答えるはずだ。これは人間の経験則だけでなく、条件から物理法則を考慮して演算を行った結果である。 また、この問題に、空気抵抗や摩擦などの条件を付け加えたりしていけば、<u>さらに「5秒後」は精密に予測されていく</u>。そして、もし仮にすべての条件を提示されていたら、 理論上は「5秒後」を<u>確定的に知る</u>ことが可能になる。例えば、「'''車がハンドル操作を誤って崖から落ちる'''」といった<s>馬鹿な</s><u>ひねくれた</u>答えでさえ、 その車の内部構造から走っている場所の性質、果てには運転手の脳内の神経細胞の電気信号の状況など、まったく完璧に条件が指定されているのであれば、<u>論理的には導き出すことができる</u>のだ。 そしてこれを現実世界に当てはめてみると、この世界の「'''条件'''」を完全に把握していれば、「'''未来に何が起こっていると予測できますか'''」という漠然としていて、 答えが一見無限にあるような問題ですら解くことができるのである。この仕組みによって、前述した通りラプラプの悪魔は<u>未来を確定的に知ることが可能になる</u>のである。 ===自由意志=== もし未来が予測可能であるならば、人間の[https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%87%AA%E7%94%B1%E6%84%8F%E5%BF%97 自由意志]たるものは存在しないことが証明される。 そもそも現在は過去の積み重ねで構築されており、[[±E剰]]から[[±C剰]]は'''因果関係'''を持つ。つまり、<u>人間がそれ自身の究極的な原因であることはありえない</u>のである。 例えば、'''あなたがふと水を飲みたくなった'''としよう。この原因は、<u>過去に水を飲まなかったことの結果</u>だと考えられる。 簡潔に述べるならば、「'''ふと'''」などという原因は存在せず、それは即ち人間の偶然性に基づく<u>自由意志も存在しない</u>ということである。 確かに人間にはイメージしづらいが、<u>人間が「'''ふと'''」という原因に因るものだと考えている結果</u>も、単なる<u>神経細胞が因果性を以て放った電気信号</u>にすぎず、 例えばもしも時間軸が[[±E臨化]]し、過去に戻ったとしても、あなたはそのとき'''「ふと」を原因として水を飲みたいと感じる'''だろう。 即ち、この「'''ふと'''」も過去における小さな原因の積み重ねの結果として、必然的に起こりうるものであり、我々が「'''自由意志'''」と感じる概念も、その正体は<u>因果的必然性に基づく脳内の電気信号</u>である。 ===議論=== ====量子力学的不確定性==== [https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%8D%E7%A2%BA%E5%AE%9A%E6%80%A7%E5%8E%9F%E7%90%86 不確定性原理]によって、<u>原子の位置と運動を同時に知ることは不可能</u>とされている<ref>[https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%87%8F%E5%AD%90%E5%8A%9B%E5%AD%A6 量子力学]における[https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B3%E3%83%9A%E3%83%B3%E3%83%8F%E3%83%BC%E3%82%B2%E3%83%B3%E8%A7%A3%E9%87%88 コペンハーゲン解釈]なども参照。</ref>が、それはあくまで[[オスォナダツウェロク存在学]]等の'''現代存在学'''という視点が存在していなかったころの理論であり、 確かに通常は'''既確存在'''しか確認できない<ref>正確には、[[±E剰]]しか確認できない。</ref>人間などの可識的存在の、'''包括的識上'''においてはこの理論は誤りではないが、 [[ププニュレキアラーラ]]は既確存在だけでなく、<u>時間軸上に幅の広がりを持つ'''混濁存在'''</u>の情報までも確認しうるため、[[±C剰]]、いわゆる「'''未来'''」についても<u>確定的に知りうる</u>のである。 つまり、ラプラプの悪魔は<u>'''未確存在'''の情報については確認できな</u>いが、<u>'''混濁存在'''の情報は確認でき</u>る。 これによって、[[±D聢]]に含まれる[[±D聢|+D聢]]以[[±C剰|C剰]]を確認できるため、そこも「'''条件'''」とできるということである。 また、<u>'''熱力学的不可逆性'''によるラプラプの悪魔への反証</u><ref>多くの<u>[https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%86%B1%E5%8A%9B%E5%AD%A6#%E9%9D%9E%E5%B9%B3%E8%A1%A1%E7%86%B1%E5%8A%9B%E5%AD%A6 熱力学的プロセスは不可逆的である]</u>ことからラプラプの悪魔を反証する立場。</ref>に関しても、「'''ラプラプの悪魔'''」理論はこの立場をとっている。 ====カオス理論==== [https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AB%E3%82%AA%E3%82%B9%E7%90%86%E8%AB%96 カオス理論]における'''初期値鋭敏性'''は、確かに[https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%90%E3%82%BF%E3%83%95%E3%83%A9%E3%82%A4%E5%8A%B9%E6%9E%9C バタフライ効果]なども鑑みれば現実的な'''予測不可能性'''を証明できる。 しかし、ラプラプの悪魔は<u>無数の'''ラプラパー状態の生物'''を通して精度の高い'''包括的共識'''を保持</u>し、[https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%95%B0%E5%80%A4%E8%A7%A3%E6%9E%90 数値解析]において[https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%95%B0%E5%80%A4%E8%A7%A3%E6%9E%90#%E8%AA%A4%E5%B7%AE%E3%81%AE%E7%99%BA%E7%94%9F%E3%81%A8%E4%BC%9D%E6%92%AD 誤差の発生の原因と考えられるもの]によって誤差が生じることはないとされる。<ref>たった100の可識的存在による'''共識フィルター'''ですら[[小倉百人一首]]の強い存在的数量が実現するため。</ref> その上、「'''ラプラプの悪魔'''」という理論の前提条件は、<u>「'''ある時点において作用している全ての力学的・物理的な状態を完全に把握・解析する能力を持つ'''」[[ププニュレキアラーラ]]の存在</u>であり、 <u>得られる値と真の値とのずれ</u>はラプラプの悪魔の演算上で増幅されていくどころか'''常にゼロになる'''とされている。 ====カントールの対角線論==== <u>[https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AB%E3%83%B3%E3%83%88%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%81%AE%E5%AF%BE%E8%A7%92%E7%B7%9A%E8%AB%96%E6%B3%95 カントールの対角線論]における[https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%81%9C%E6%AD%A2%E6%80%A7%E5%95%8F%E9%A1%8C 停止性問題]によってラプラプの悪魔を反証できる</u>という見方もあるが、そもそも<u>ラプラプの悪魔は[https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%81%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%83%AA%E3%83%B3%E3%82%B0%E3%83%9E%E3%82%B7%E3%83%B3 チューリングマシン]ではない</u>ため、これは誤りである。 また、これらにおいては'''自由意志の是非'''についても深くかかわってくるため、ラプラプの悪魔とは全く関係のない、<u>別の理論だと考えておくことが推奨されている。</u> '''停止性問題'''のような所謂「'''全知のパラドックス'''」についての詳細は後述する。
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