「
クソなぞかけ
」を編集中 (節単位)
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==「この節」と掛けまして、「技法」と解きます。その心は、「技法」でしょう。<ref>証明終。</ref>== クソなぞかけには、クソなぞかけをクソなぞかけたらしめるためのいくつかのクソ技法が存在する。これらは単純な「トトキマス」の個々の文内容からの逐語的連想ではその心を導けないようにするために用いられ、より高度な文意解釈を要求する。(逆に言えば、単純な連想で、あるいは連想をせずとも、それがその心の一部分となっているものもある。多くの場合、文内容をそのまま使うことができるのはトトキマスの一部分にすぎないが、中には反例もある――この節である。) たとえば、もっともよく使われる「置換法」は、その心には直接反映されない「トトキマス」中の文内容 (以下「虚心」) を通じて、実際に導出される心 (以下「本心」) となる文字列の数文字の部分を別の数文字に置き換えるものである。これには、字母「が」を中心に「a が a'」(注: 文内容 A に対する本心 A' とは異なる) を成り立たせる形が多く、「笑顔」「じゃがバター」「どれが銅鑼?」等がある。その形式をとらない物でも、例えば濁点付与の「アメリカザリガニ」や、濁点/半濁点除去の「和歌」、より高度なものでは「狭い」等の語に表象される音声学的操作 (「虚心の虚心」といった複雑な振る舞いの項になることも多い) がある。置換法は、以下に示す例のような複雑な構造を取ることも可能である。 {|class="wikitable" |+置換法の例 !トトキマス!!その心 (本心)!!説明!!実例 |- |A-B-C||[A'-B'-C']'||文内容 A, B, C がそれぞれ逐語的連想によって本心化した。<br>A のように、ほとんどあるいは全く連想を経ずに本心化することもある。||A(腕を)B(どかす)C(お医者さん)→[A'(腕)B'(どけ)C'(医)]' = うでどけい |- |A-B-C-D||[DA'.-B'-C']'||文内容 A, B, C は連想によって本心化し、A' は 虚心 D. を受けた。||A(牛の)B(車を)C(飲んで)D(うがいする)→[DA'.(<ruby>Cow<rt>かう</rt></ruby>+うがい=かい)B'(<ruby>車<rt>しゃ</rt></ruby>)C'(<ruby>飲<rt>いん</rt></ruby>)]' = 会社員 |- |A-B-C-D||[DA.'-B'-C']'||文内容 B, C は連想によって本心化し、A は虚心 D. を受けたのち本心化した。||A(牛の)B(欠片の)C(寺で)D(うがいする)→[DA.'(<ruby>牛<rt>うし</rt></ruby>+うがい=いし→ストーン)B'(<ruby>片<rt>へん</rt></ruby>)C'(<ruby>寺<rt>じ</rt></ruby>)]' = ストーンヘンジ |- |A-B-C-D||[DCA'..-B']'||文内容 A, B は連想によって本心化し、A' は 虚心 C., D. を受けた。||A(牛の)B(間で)C(うがいしたら)D(胃が消えた)→[DCA'..(<ruby>Cow<rt>かう</rt></ruby>+うがい=かい, かい+いが無い=か)B'(<ruby>間<rt>ま</rt></ruby>)]' = 鎌 |- |A-B-C-D||[DCA..'-B']'||文内容 B は連想によって本心化し、A は 虚心 C., D. を受けたのち本心化した。||A(牛の)B(間で)C(うがいしたら)D(胃が消えた)→[DCA..'(<ruby>牛<rt>うし</rt></ruby>+うがい=いし, いし+いが無い=し→四)B'(<ruby>間<rt>かん</rt></ruby>)]' = 四冠 |- |A-B-C-D||[DCA.'.-B']'||文内容 B は連想によって本心化し、A は 虚心 C. を受けたのち本心化し虚心 D. を受けた。||A(牛の)B(間で)C(うがいしたら)D(胃が消えた)→[DCA.'.(<ruby>牛<rt>うし</rt></ruby>+うがい=いし→Will, <ruby>Will<rt>うぃる</rt></ruby>+いが無い=うる)B'(<ruby>間<rt>ま</rt></ruby>)]' = うるま |- |A-B-C-D||[DC.A'.-B']'||文内容 A, B は連想によって本心化し、A' は 虚心 D. を受けた虚心 C. を受けた。||A(牛の)B(間で)C(うがいしたら)D(胃が消えた)→[DC.A'.(うがい+いが無い=うが∅, <ruby>Cow<rt>かう</rt></ruby>+うが∅=か)B'(間)]' = 鎌 |- |A-B-C-D||[DC.A.'-B']'||文内容 B は連想によって本心化し、A は 虚心 D. を受けた虚心 C. を受けたのち本心化した。||A(牛の)B(間で)C(うがいしたら)D(胃が消えた)→[DC.A.'(うがい+いが無い=うが∅, <ruby>牛<rt>ぎゅう</rt></ruby>+うが∅=ぎゅ→ハグ)B'(<ruby>間<rt>ま</rt></ruby>)]' = 羽熊 |} なお、これら置換法は、単純な逐語的連想との境界近くにおいては弁別が曖昧であり、「幽霊本心のパラドックス」という問題が発生する。例えば「合同方程式」のクソなぞかけでは、トトキマス中の「正当性を主張する天皇」について、これは本心中の「後うどウホウ」であると言える一方、『本心に現れないままで「うどウホウ」を「後うどウホウ」へと置換するという虚心的役割を担っている文内容』だとする解釈も可能である。 「内部置換説」では、これらは「トトキマスにおいて同じ文内容 A に属する個々の語が、亜文内容 A1, A2, …… として本心 A' に対して独立した働きを担い、特に虚心的にふるまった場合、その亜文内容は見かけ上消えるが、亜文内容全体の文内容が本心 A' に集約され、実質的には残る」と説明される。つまり、「合同方程式」の場合では、文内容 A「でっかいだけで役に立たないゴリラとしての正当性を主張する天皇」において、亜文内容 A1「でっかいだけで役に立たない」A2「ゴリラとしての」A3「正当性を主張する天皇が」が発生し、本心 A' は A1'「うど」A2'「ウホウ」による「うどウホウ」に対して A3. の虚心的に働いた A3A'.「後うどウホウ」となるが、これは文内容 A の本心化であるので、それに含まれる亜文内容 A3 もここに残っており、したがってこれは虚心ではない。 自己参照的文内容の振る舞いも、これと同様に説明されることが多い。 また、文字列の置き換えでなく、移動というかたちで虚心を用いるものもある。「移動法」である。とりわけ文字列を文字列の内部に組み込む「内分移動」はよく用いられ、「アイスクリーム」「サマンサタバサ」「たけぼうき」のような例がある。より複雑なものになると、置換法と複合した「オリーブオイル」のような例もある。 {|class="wikitable" style="border:none" |style="border-top:none;border-left:none;background-color:white"| !style="width:40%"|A!!style="width:40%"|B |- !トトキマス文 |colspan="2" style="text-align:center"|'''でっかいだけで役に立たないゴリラとしての正当性を主張する天皇が、実は童話に出てくる親ヤギだった''' |- !文内容分解 |A(でっかいだけで役に立たないゴリラとしての正当性を主張する天皇が)||B(実は童話に出てくる親ヤギだった) |- !亜文内容分解 (逐語的分解様連想) |A{A1(でっかいだけで役に立たない)A2(ゴリラとしての)A3(正当性を主張する天皇が)}||B{B1(狼の)B2(腹を割いて)B3(石をブチ込んでいた)} |- !亜文内容の整理 (逐語的連想) |A'{A1'(うど)A2'(ウホウ)A3.(正当性を主張する天皇が)}||B'{B1'(てき)B2.(腹を裂いて)B3'(いし)} |- !虚心の本心操作 |A3A'.(うど-ウホウ+正当性=後うどウホウ)||B2B'.(てき-いし+内分移動=ていしき) |- !文内容の総合 |colspan="2" style="text-align:center"|[後うどウホウ-ていしき]' |- !その心文 (本心連想) |colspan="2" style="text-align:center"|'''合同方程式''' |} なお、ここでは「虚心説」「内部置換説」に基づいたクソなぞかけ理論を述べたが、これらの説は今日のクソなぞかけ学においては厳密性の観点から批判が寄せられることもある。以下の方法を用いれば、トカケマスが示されるあらゆるクソなぞかけを不当に、しかし矛盾なく解けてしまえるからである: #トトキマス文全体を文内容 A とみなし、各文内容を亜文内容とみなす。 #無作為に選んだ亜文内容 An を虚心的に扱い、A' をトカケマスに置換する操作を行う。 #トトキマスはトカケマス、すなわち本心と同一のものとなり、証明が終了する。 クソなぞかけの性質上、発想の飛躍を咎める術は無く、「トカケマスへの置換」という発想もまた一つの「連想」と言い張ることは不可能ではないのだ (実際のところ、「歴史」のクソなぞかけの最も支持される解法はこれに近しく、「A1.(日本にやって来た中国の) を用いて [A1A'.(き し+エセ訓読文風)]' = [レきし]' = 歴史 とする」というように、論理を記述するにあたって虚心 A1. に全てを強引に入れ込ませたものとなっている)。反証可能性を守るために、クソなぞかけの一連の理論から「虚心」を排除し、思考遊戯としての正当なクソなぞかけを規定できるようにするべきだという意見も多いが、結局のところ脳の「連想」というモジュールを展開・記述するのは現在のあらゆる科学の叡智を以てしても無理のある話であり、そもそも「虚心」を排除したところでまた新しく同様の複雑性を担ったユニットが現れるだけであるので、実現には至っていない。この辺りの問題は、複雑な記述を一意的に確定させることができないという点において、「[[鬱#鬱構造論|鬱構造論]]」における「構成素体系」の「形式体系」にも近しいものがあるとされる。
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