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比尾山大噴火
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===噴火=== 午前9時11分、比尾山は噴火した。山の上層を吹き飛ばして莫大な量の火山噴出物が飛び出した。[https://ja.m.wikipedia.org/wiki/火山爆発指数 火山爆発指数]は最大のVEI8。噴火の轟音は九州地方まで聞こえたという。噴煙柱は直径500m、高さ60kmに達した。小噴火の火山灰のせいで薄暗い中、山を突き破り立ち昇る、雷を纏った赤黒い巨柱は、とてつもなく暴力的で、かつ神々しかった。神の怒りを具現化したような、そんな姿じゃった。儂は噴火を''覚えておる''からのう。まあ、もともとは他人の記憶じゃがの。噴火を呆然と見ていた彼は、神々しさに心打たれて、家ほどもある噴石がまっすぐ飛んでくるのに気づくまで、恐怖なんて微塵も感じとらんかったのう。<br>火山礫や火山弾は半径10km範囲を襲った。小噴火で周りの集落に人は少なくなっておったが、小噴火の被害が比較的少なかった南側で、多く被害が出た。これによる死者は'''218人'''。<br>噴火と同時に小規模の火砕流が発生した。これは半径2kmを灼き尽くしたが、小噴火で人がほとんどいなかったため、死者は'''2人'''と少なかった。<br>噴煙柱はしばらく高く昇り続けたが、やがて自重に耐えきれなくなり、崩壊が始まった。その体積は1000立方キロメートル。噴火の4分12秒後のことじゃ。
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