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アンモク共和国
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====宇宙狭小化現象とゲブクス会議==== ある段階で、宇宙は日に日に狭くなっていた(='''宇宙狭小化現象''')。したがって兄弟は頭を悩ませていた。「さて宇宙をどうしようか」、口を開くと出てくる言葉はそればかりであった。すでに42もの解決案が出ていた。しかし案の多いことは必ずしも良いことではない。最終的に実行する案を、一つに決めなければならないからである。互いに鋭い歯を軋らせながら話し合い、考えに考え、兄弟は計画を以下の三つまで絞った。 #使用人を雇い、宇宙のいちばん外側の方に配置し、手で外向きに力を加えさせることで収縮を食い止めるという案 #宇宙の真ん中で「アノ呪文」を唱え続けることで収縮の力の向きを反転させ、逆に膨張させてしまうという案 #もはや諦めてしまうという案 しかし、あろうことか兄弟は、ここへ来て怠け始めたのだ。「もう三つに決まったのだ」と言い、休息を欲したのである。 そうしておよそ12年が過ぎた頃、ティナディヨはふいに叫んだ。 <blockquote> 「やっべ」 </blockquote> この叫びを端緒として兄弟は、この重大な話し合いにふたたび取り掛かる決意をした。とはいえ、今まで通りやるのではまたすぐに怠けてしまうだろう。よって兄弟は新しい手段を探さなければならなかった。難しい話である。兄弟は困った。そのうえ、どれほど困っていようが、兄弟は神頼みをすることさえ許されなかった。皮肉なことに、自身らが神だったからである。 新しい手段はなかなか見つからなかった。兄弟にとって探し物とは、原始そういうものであった。兄弟は二人とも部屋が汚く、少なくとも探し物をする環境ではなかった為である。 それから28日が経ち、ついに兄弟は一つの手段を見つけ出した<ref group="†">絶対に無いと思っていたはずの引き出しから見つかったという。</ref>。ルビルラスはこの手段をひょいと持ち上げ、目前でよく観察してからこう言い放った。 <blockquote> 「なるほど我々の仲が良すぎるのがいけないようだ。話し合いの場において、相手に対して他人行儀であることはたしかに大切だ。かつよそよそしく、かつ礼儀正しく」 </blockquote> 彼らは見つかった新しい手段に従って静粛に話し合いを始めた。これが'''ゲブクス会議'''<ref group="†">「ゲブクス」とは古[[アンモク語]]で「1にまつわるもの」。従って「ゲブクス会議」は「最初に開かれた会議」の意味。</ref>である。 兄弟はこの思いつきを得て仕事に取り掛かったのだが、三つのうちのどの案も、非常に魅力的に思えるものだった。そのため兄弟は実に42ヶ月の月日を費やして頭を悩ませ、そしてようやく二つの自明な真理に気づいた。 #(その当時は)宇宙の収縮を抑えこむことのできる者はいないため、そのような仕事をする使用人を雇うことは不可能である。 #「アノ呪文」の話は幼少の頃、祖父・ボレクシュナット(Bodghchjuenagjtt-Hafgjuyki)から聞かされたものだが、よく考えてみればその内容も文言も知らないので、そのような呪文を唱えることは不可能である。 この気づき<ref group="†">これは世のあらゆる気づきのなかで最初のものであるため、現在では"o-ugrhvett' Fjdsughrk"「偉大なる気づき」と呼ばれ讃えられている。</ref>によって兄弟は決意を固めた。すなわち消去法で、 <ol start="3"> <li>もはや諦めてしまう。</li> </ol> を選んだのであった。
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