「
日本航空904便ハイジャック事件
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===17時46分~20時03分=== 日本トランスオーシャン航空45便の解放後、警察は強行作戦に打って出た。18時頃[https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%89%B9%E6%AE%8A%E6%80%A5%E8%A5%B2%E9%83%A8%E9%9A%8A 沖縄県警察特殊部隊]が作戦行動を開始したと見られている。SATは機体中部の窓から機内への侵入を試みていた。18時21分、コックピットからは死角となる機体後方から車両が接近、4分後には装備を持った隊員2名が機の主翼の上に登った。しかし、機のエンジンの回転数が突然上がり、滑走を始めた。主翼上の隊員2人はすぐに飛び降り、軽傷を負った。SATはそのまま撤退した。 機は50mほど滑走して停止し、犯人は空港側にトーイングカーで機体を元の位置に戻すよう要求した。空港側は要求に応じ、7分後に機は元の位置に停止、犯人は見せしめとして乗客1名を射殺、機外に遺体を放擲した。そのまま機はエンジンを回転させ続け、いつ滑走路上のジェットスタージャパン350便に突っ込むかわからない状態であった。 この膠着状態は1時間半近く続いたが、最終的には政府が折れ、犯人の要求を呑んだ。20時数分前に政府は要求額の残りの1兆5000億円を支払ったと思われる<ref>正式な発表があったのは事件が終結した後の23時の記者会見であった。</ref>。 19時58分、コックピットボイスレコーダーには、犯人が「支払われたか」とひとりごちたのが記録されている。その直後には銃声が記録されており、犯人が機長を射殺したのはこの時だとわかっている。そして犯人は副操縦士の遺体から制服を剥ぎ取り、身につけた。ただし、持参したサングラスもかけていた。 犯人はスロットルを押し込んでエンジンの出力を上げた。そしてコックピットのアナウンス装置を用いて、 <blockquote>機長です! 頭を下げてください、ぶつかります!</blockquote> と叫んだ。そしてスロットルを最大出力の位置に機長の遺体で固定すると同時に、扉を開けてコックピットの外へ出た。そのまま犯人は通路を機体後方に向けて走った。この時、ほとんどの乗客がアナウンスに従って顔を伏せていたため、犯人の顔を目撃した者は少なかった。また、目撃した者も、サングラスとマスクで顔が覆われていたゆえに、実のある証言はできなかった。 発進から9秒後、日本航空904便はジェットスタージャパン350便に衝突した。 日本航空904便は、ジェットスタージャパン350便の機体の右側面、右主翼の後ろに突っ込み、350便は衝突部分の前後に両断された。904便は衝突時の衝撃で両エンジンが脱落し、右後輪と右水平尾翼も損傷したが、機体は推力のまま180mほど、時計回りに約90度スピンしながら滑り、停止した。一方、350便の両断された前半分は、滑走路外まで弾かれて炎上した。 [[ファイル:三兆円事件平面図.png|中央|サムネイル|衝突現場の模式図。]] 空港内で待機していた救急車両がすぐさま駆けつけ、消火・救命活動が始まった。また、近辺の消防署からも応援部隊が派遣され、那覇市消防局西消防署小禄出張所の車両がその中では最も早く空港に到着した。その時、一般車両を改造して救急車に見せかけた偽救急車が、この応援部隊のすぐ後ろから那覇空港に侵入を果たした。 20時08分、偽救急車は衝突現場に到着。これは空港で待機していた本物の救急部隊に遅れることわずか4分のことであった。そして、偽救急車に乗った偽救急隊員は、犯人を探したと見られる。偽救急車が20時11分には現場を離脱していることから、すぐに犯人を見つけ回収、逃走したのではないかと考えられている。 20時22分には日本航空904便の機体が炎上した。機は燃料の多くを既に使っており、炎上までに時間があったことで、救助されて一命を取り留める人が多くなる結果となった。一方、衝突直後に爆発炎上したジェットスタージャパン350便では、死者が多く出た。 約2時間後に火は消し止められたが、衝突で日本航空904便では20人、ジェットスタージャパン350便では85人が死亡した。衝突前に殺害された日本航空904便の乗員乗客10人を合わせると、この事件での死者は115人に上る。
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