利用者:キュアラプラプ/サンドボックス/丁

ハルス動体液(ハルス運動体液とも)は、ププニュレキアラーラが実的存在モデリングによってヒトの脳を再構築して作り上げる意識性存在である。物質存在であり、スジンハスガークには含まれない。

概要

ヒトを始めとする認識性存在(Cognitive entity)[1]が何らかの存在を認識する方法には、感覚器官を介して間接的に認識する方法と、感覚器官を介さず直接認識する方法の二つがあるが、ハルス動体液は元となったヒトの脳の意識上に前景化していた存在を内部に保存し、専らラプラパー状態のヒトにこれを捕食させることで、その意識上に後者の方式によるププニュレキアラーラの直接認識を引き起こすものである。

間接認識は、実的存在であるような特定の認識性存在が、物質存在(Substance entity)すなわち虚的オスォナダツ意識下存在を自身の意識上存在として移し替えようとする操作である。ほとんどの場合において虚的意識下存在(物質存在)は虚的意識上既確存在に対応するものであり、認識性存在は、自身の感覚器官を通じてその特定の物質存在がそれ自身の周りに放射する認識線を十分な量検知することで、まず意識上未確存在(Supraliminal uncertain entity)を意識上に急激に得る。このとき意識上未確存在は前景化しておらず、認識性存在はその存在を覚知しないが、自身の認識能力と対象から受ける認識線の強さ[2]に応じて、意識上でこの意識上未確存在の「確認」に要する時間とその結果が定まる。定まった時間が有限であれば、認識性存在はその時間の経過に伴ってその意識上未確存在から確認結果としての意識上既確存在(Supraliminal certain entity)を構成し、その時間の終了とともに完成させる[3]。意識上既確存在は、意識上で完成してからは半永久的に前景化する。一方、虚的意識下存在が虚的意識上混濁存在に対応している場合もある。この時、認識性存在は十分な認識線を検知すると意識上未確存在の代わりに意識上混濁存在(Supraliminal obscure entity)を急激に得る。後述する意識上混濁存在のコヒーレンスにより、この(実的)意識上混濁存在は虚的意識上混濁存在と同一の存在になる。意識上混濁存在は、意識上に現れた時点で、半永久的に、しかも意識上既確存在を飛び越えて前景化する[4]

それに対して直接認識は、感覚器官の関与しない全ての認識の方法であり[5]、大きく分けて四つの種類がある。

出生は、最もよく見られる形態の直接認識であり、ある認識性存在の意識上において、既存の意識上存在から新たな意識上存在が生み出される、すなわち意識上に現れ出ることで、直ちに認識性存在がこの新しい存在を認識するものである。子である意識上存在に対して、これを生み出した既存の意識上存在は母系存在(Matrilineage entity)と呼ばれるが[6]、多くの場合それは意識上既確存在である。意識上既確存在は分析性を有し、全体として意識上既確存在であることを保ちながら、その部分がそれぞれ別個の意識上存在として成立しうる。このため、意識上既確存在の出生による子は、母系存在に包含されるか、あるいは子もまた意識上既確存在である場合に限り、時に母系存在を包含して存在する[7]。意識上未確存在や意識上混濁存在のように分析性の無い存在が母系存在になる場合、子との両立が不可能であるためにこれらは子のみを残して出生と同時に意識上から消滅する。第二に、意識上混濁存在だけが対象になりうる直接認識の形態の一つとして、上方へのミーム跳躍がある。意識上混濁存在の特殊な性質は後に詳説するが、大まかに言えば、これは意識上混濁存在が意識空間を一時的に平行移動することで、上方(オスォナ軸の正方向)の末梢虚的意識下に、コヒーレンスを外れた跡意識上混濁存在を出現させることで直接認識を引き起こすものである[8]

以上の二つは認識性存在の意識に焦点のあるソフトウェア的な直接認識だったが、認識性存在の物理的な性質に関連するハードウェア的な直接認識も存在する。生得認識(デザイン認識とも)は、認識性存在の認識能力の中枢に物理的なパターンによって記録されている情報を、認識性存在自身が参照することによる第三の直接認識である。認識能力の中枢は、認識性存在に認識性を与える本質的な構造であり、具体的には、例えば動物においては脳の生物学的構造、電子機器上の認識性存在においては内部の電子的な記録にあたる。認識性存在は、これらに内在する情報にアクセスすることで、広い意味での「コーディングされた命題」を生得認識し、意識上存在として得ることができる。一般に、ある認識性存在について、その生得認識の対象となる意識上存在を追加することは、その認識性存在の認識能力が高ければ高いほど難しくなることが知られている[9][10]。四つ目の直接認識である合一認識は、複数の認識性存在がそれぞれの認識能力の中枢を物理的に合一させることにより、ある認識性存在の個別意識上にあった意識上存在を、他の認識性存在が新たな合一の意識上において認識することによるものである。

脚注

  1. 類人猿などの高い知能を持つ動物はもとより、走化性を持つ原核生物や人工的なセンサーまでもが認識性存在というカテゴリに含まれるが、その中でも認識能力の度合いは大きく異なる。
  2. これは基本的に対象の存在量に比例し、感覚器官の中枢(動物の場合は脳である)と対象との間の物理的な距離に反比例する。
  3. 確認に要する時間が無限であってもその意識上既確存在の構成自体は微かに進展するが、自然に完成はしない。
  4. あらゆる生物は直接認識によって得た意識上既確存在として理性や本能を保持しつつ、間接認識によって得た意識上既確存在を集積して環境を把握し、これらに基づいて自身の行動を決定しているが、意識上混濁存在はこれらを飛び越えて前景化することができるために、生物に対する絶対的な命令能力を有する。意識上混濁存在であるキュアラプラプがヒトをラプラパー状態にすることはその典型的な例である。これに対して、意識上既確存在の生物に対する性質は事実能力と呼ばれる。
  5. 幻覚や単に病理的な妄想を通じての認識は間接認識である。これらの症状は認識能力のプロパティに過ぎない。
  6. ある子に対して母系存在がただ一つ存在することが知られているとき、母系存在は特に母存在と呼ばれる。
  7. 例えば、物質存在であるリンゴの間接認識によって得た意識上既確存在を母系存在として、これに包含される「赤色」や「丸み」といった要素に相当する子の意識上既確存在が出生しうる。また、複数のリンゴから得た複数の意識上既確存在を母系存在として、これを包含する抽象的なリンゴの概念に相当する子の意識上既確存在が出生しうる。
  8. 意識上混濁存在であるキュアラプラプは、スジンハスガークの存在量の増加を察知して上方へのミーム跳躍を行うことで、生物に自身の直接認識を引き起こしている。
  9. 例えば何か電卓の機能を持つアプリケーションのプログラムを改変して新機能を追加するのは容易だが、それに比べてヒトの脳を外科的に操作して新しい「本能」を追加することは本質的に難しい。生得認識という名前は、このような高い認識能力を持つ認識性存在におけるこの種の直接認識の性質に由来するものである。
  10. 生得認識の対象を減耗させることは、その認識性存在の認識能力によらず容易である。ヒトにおける例では、ロボトミー手術による実現がよく知られている。