「非自己叙述的」の版間の差分

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'''非自己叙述的'''とは、「ある言葉の意味がその言葉自身に反していること」を指す言葉である。本記事では、この言葉をかみ砕いて説明するとともに、伴って発生するパラドックス(矛盾)についても解説する<ref>この記述は記事自体について述べたものであるから、広い意味では「自己叙述的である(autological)」といえる……のだろうか……いや違うか……違うな。</ref>。
{{秀逸な記事|秀逸性=過去}}'''非自己叙述的'''とは、「ある言葉の意味がその言葉自身に反していること」を指す言葉である。本記事では、この言葉をかみ砕いて説明するとともに、伴って発生するパラドックスについても解説する。


==物語(一人の老人による語り)==
==物語(一人の老人による語り)==
 君「<big>'''非自己叙述的'''</big>(heterological)」という言葉を知っているか? 知らないとな? 仕方のないやつめ、教えてやろう。非自己叙述的とは、「''ある言葉の意味がその言葉自体と矛盾しているさま''」をあらわす形容詞<ref>厳密には形容動詞だが、論を進めるうえではそれらを区別するのは明らかに無駄な概念である。</ref>だ。たとえば"[[利用者:Long谷|long]]"という言葉は「長い」を意味するが、この言葉の綴りはわずか4文字と、決して'''長くない'''。したがって"[[利用者:Long谷|long]]"という言葉は'''非自己叙述的だ'''といえる。また"misspelled(綴りの誤った)"という言葉は正しく綴られている。つまりこの言葉も'''非自己叙述的'''だ<br>
 君「<big>'''非自己叙述的'''</big>(heterological)」という言葉を知っているか? 知らないとな? 仕方のないやつめ、教えてやろう。非自己叙述的とは、「''ある言葉の意味がその言葉自体と矛盾していること''」だ。たとえば"long"という言葉は「長い」を意味するが、この言葉の綴りはわずか4文字と、'''長くない'''。したがって"long"という言葉は'''非自己叙述的だ'''といえる。
 君この話は飽きたか。面白くないか。けどもしばし待て。ここからだ、面白くなるのは。さあ君、この問題について考えようじゃないか。<br><br>
 
<big>''   ・「非自己叙述的」という言葉は非自己叙述的であるか?''</big><br><br>
 君この話は飽きたか。面白くないか。けども{{underline|文字列=しばし待て}}。ここからだ、面白くなるのは。さあ君、この問題について考えようじゃないか。
 これを解くにあたって、重要なことがある。「'''すべての言葉は非自己叙述的であるか非自己叙述的でないかのどちらかである。'''」ということだ。おっと、当たり前だといって笑っちゃいけないぞ君。これはほんとうに大切なことだ。何せ……{{粛清されました}}<br>
 
 本題に戻ろう。ではまず、「『非自己叙述的』は非自己叙述的である」と仮定して話を進めようか。「非自己叙述的」は非自己叙述的である。すなわち「非自己叙述的」はその言葉自体と矛盾した意味を持っている。よって「非自己叙述的」は'''非自己叙述的でない'''。<br>
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 むむ? いま、「非自己叙述的」は非自己叙述的だ、として話を進めたはずだ。しかしそこから、それを否定する結論が得られた。なぜだろうか? うーん。<br>
<span style="font-size:larger">「非自己叙述的」という言葉は非自己叙述的であるか?''</span>
 あるいは、最初の仮定が間違っていた、と考える方が自然であろう。今度は{{underline|文字列=他の可能性}}にかけるのだ――ところで先ほど、「'''すべての言葉は非自己叙述的であるか非自己叙述的でないかのどちらかである。'''」と述べた。となると{{underline|文字列=他の可能性}}とは、「『非自己叙述的』は非自己叙述的でない」ということじゃあないか!<br>
</blockquote>
 では、そう仮定するとどうなるのだろうか? 「非自己叙述的」は非自己叙述的でない。つまり「非自己叙述的」はその言葉自体と矛盾した意味を持っていない。ゆえに、「非自己叙述的」は'''非自己叙述的である'''。<br>
 
 またもや仮定と矛盾する結論を導いてしまった。やあ君、どうしてこうなったのだ? 僕たちはすべての可能性を検討しきったのに、そのどれにおいても矛盾が生まれるだなんて……。<br>
 これを解くにあたって、重要なことがある。「'''すべての言葉は非自己叙述的であるか非自己叙述的でないかのどちらかである。'''」ということだ。おっと、当たり前だといって笑っちゃいけないぞ君。これはほんとうに大切なことだ。何せ……{{粛清されました}}
 
 本題に戻ろう。ではまず、「『非自己叙述的』は非自己叙述的である」と仮定して話を進めようか。「非自己叙述的」は非自己叙述的である。すなわち「非自己叙述的」はその言葉自体と矛盾した意味を持っている。よって「非自己叙述的」は'''非自己叙述的でない'''。
 
 むむ? いま、「非自己叙述的」は非自己叙述的だ、として話を進めたはずだ。しかしそこから、それを否定する結論が得られた。なぜだろうか? うーん。
 
 あるいは、最初の仮定が間違っていた、と考える方が自然であろう。今度は{{underline|文字列=他の可能性}}にかけるのだ――ところで先ほど、「'''すべての言葉は非自己叙述的であるか非自己叙述的でないかのどちらかである。'''」と述べた。となると{{underline|文字列=他の可能性}}とは、「『非自己叙述的』は非自己叙述的でない」ということじゃあないか!
 
 では、そう仮定するとどうなるのだろうか? 「非自己叙述的」は非自己叙述的でない。つまり「非自己叙述的」はその言葉自体と矛盾した意味を持っていない。ゆえに、「非自己叙述的」は'''非自己叙述的である'''。
 
 またもや仮定と矛盾する結論を導いてしまった。やあ君、どうしてこうなったのだ? 僕たちはすべての可能性を検討しきったのに、そのどれにおいても矛盾が生まれるだなんて……。
 
 はっ! 君君、これ、'''パラドックスじゃないか!'''
 はっ! 君君、これ、'''パラドックスじゃないか!'''


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うーん、いや、そのおかげで、猿でも[[分かんな~い|分かる]]ようなことを1時間か2時間喋るだけで金がもらえるようになったのか。それは大いに感謝しないと。最近の収入に限っては、もはやほとんど講演だもんね、笑っちゃうよ、ははっ。
うーん、いや、そのおかげで、猿でも[[分かんな~い|分かる]]ようなことを1時間か2時間喋るだけで金がもらえるようになったのか。それは大いに感謝しないと。最近の収入に限っては、もはやほとんど講演だもんね、笑っちゃうよ、ははっ。


[[ソーイエバ(宗教)|そういえば]]……明日も講演じゃないか。内容のおさらいでもしておこう。ノート、ノート。ああ、あった。
[[ソーイエバ_(感動詞)|そういえば]]……明日も講演じゃないか。内容のおさらいでもしておこう。ノート、ノート。ああ、あった。


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==脚注==
==脚注==
<references />
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[[カテゴリ:自己言及]]
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