「利用者:Notorious/サンドボックス/消滅の悪魔」の版間の差分

提供:WikiWiki
ナビゲーションに移動 検索に移動
(白紙化)
タグ: 白紙化 手動差し戻し
(リセット)
1行目: 1行目:
 
 トトントトン、トトントトン。規則的に床が揺れている。単調に平地を疾駆する各停列車の車窓から、日が暮れ始めた田園風景を見遣った。初夏の田舎町は涼しく、ひと気も少なかった。私の好きな雰囲気。
<br> 窓ガラスには、よく中性的と言われる私の顔が映っていた。幼い顔立ちに丸眼鏡、そして祖父と父譲りの碧い目。じっと見つめ返してくる自分の顔から逃げるように、電車の前方へと目を逸らした。
<br> 私はシャーロック・ゲームズ。職業、探偵。母方の祖父はかの有名な名探偵、シャーロック・ホームズだ。父親もイギリス人で、日本人のクォーターという方が速い。だが生まれも育ちも話してきた言葉も日本だ。そして、ある程度の推理力を持っているという自負はある。だからこそ探偵などという仕事をしている。しかし、祖父には遥かに及ばない。

2年7月2日 (来) 17:51時点における版

 トトントトン、トトントトン。規則的に床が揺れている。単調に平地を疾駆する各停列車の車窓から、日が暮れ始めた田園風景を見遣った。初夏の田舎町は涼しく、ひと気も少なかった。私の好きな雰囲気。
 窓ガラスには、よく中性的と言われる私の顔が映っていた。幼い顔立ちに丸眼鏡、そして祖父と父譲りの碧い目。じっと見つめ返してくる自分の顔から逃げるように、電車の前方へと目を逸らした。
 私はシャーロック・ゲームズ。職業、探偵。母方の祖父はかの有名な名探偵、シャーロック・ホームズだ。父親もイギリス人で、日本人のクォーターという方が速い。だが生まれも育ちも話してきた言葉も日本だ。そして、ある程度の推理力を持っているという自負はある。だからこそ探偵などという仕事をしている。しかし、祖父には遥かに及ばない。