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|51=正しい根拠 | |||
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3年3月26日 (K) 12:54時点における最新版
ある日の涼しい午後のこと。比路子さんは言った。
「ねえ、『非自己叙述的』ってどういう意味?」
「『ある言葉の意味がその言葉自身に反していること』さ」十萩君が得意げに答えた。
「ちょっとよくわからないわ。たとえば?」十萩君の説明に納得しなかった比路子さんはさらに訊きかさねる。
十荻君は少し考えてから、丁寧に答えた。「うーんと、たとえば、『動詞』という言葉それ自体は動詞ではない。名詞だ。あとまあ、英語だと、"hyphenated(ハイフンでつながれた)"という言葉のどこにも、ハイフンなんて無いんだ[1]。つまりこれらの言葉はみんな、意味がその言葉自身に反しているから、非自己叙述的だというわけだ」
「なるほどね」
「わかったようだね。じゃ……」
「あ、帰らないで。また一つ疑問が湧いてきたの」
「ええ、なんだって?」
「『非自己叙述的』って言葉は、非自己叙述的なのかしら」
「えっとね……うーん? もし非自己叙述的だとすると……」
「つまり、『非自己叙述的』という言葉はその意味がその言葉自身に反する、ってことだから……」
「『非自己叙述的』は非自己叙述的でない、ということか」
「ええ? でも……」
「うん、仮定(注*四行上太字部を参照)と噛み合わないよね」
「そんなことがあるの?」
「いやいや、仮定がつねに正しいとは限らないじゃないか。もし仮定が間違っていたならば、矛盾が起こってもおかしくはないだろう?」
「確かに。じゃあ仮定を変えてみよう。もし『非自己叙述的』が非自己叙述的でないとすると……?」
「『非自己叙述的』という言葉はつまり、意味がその言葉自身に反しない、ということだね……」
比路子さんは結論を導いた。「そうね。つまり、『非自己叙述的』は非自己叙述的である……」
「何だって? こんなことはありえないのに」ここへきて十荻君はうろたえた。
そのことに気づいて彼女もつぶやき返す。「これって……嘘……」
そして彼らは言うのだった。「「私たち、入れ替わってる?」」[2]
警告
この記事は日本の未来を左右する、重要な機密が含まれている。その機密性を守るため、口外は厳重に禁止されている。
bdn̪̍年ɕ月ɸn̪̍日国家緊急対策会議が首相官邸3階で行われた。(このときの記録が今でも少し残っている。)この時、F18:日本民主主義人民共和国大統領デデ二オン(仮名)の証言によると、「超大型人型コンピュータウィルス集合型生命体の確認報告を受けた」と話している。レーダーで観測を行った所、全世界のコンピュータウィルス、またそれに感染したコンピューターが特殊な磁気により吸い寄せられている事が判明した。実体はF1:アメリカ王国管轄下、マリアナ海溝チャレンジャー海淵特殊環境下生物反応センター付近、座標値29,96に銅像のように自立している。大きさは高さ68,2メートル、最大幅54,5メートルである。