「利用者:Notorious/サンドボックス/ぬいぐるみ」の版間の差分

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| ねえ君、君はこの文章を[[スマート本|スマホ]]で読んでいるかい? もしかしてパソコンかな? ならスマホに変えておくれよ。僕はスマホの方が好きなんだ。あれの方がすごいからね。あの小ささと薄さであの多機能、そしてそこそこの値段で普及している。まさに人類の叡知だよ。お、変えてくれた? うん、ありがとう。<br>さて、何をしよう? 何かで遊ぼうよ! まったく、暇で暇でしょうがないんだ。いい遊びあるかなあ……そうだ、かくれんぼとかどう? うん、難しいよね。しりとりとか? うーん、これもダメか。いっそ振り切って哲学談義でもする?? あはは、テーマを哲学にしなきゃいいよね。お話でもしようよ。うん、それがいい。うんうん。<br>さて、何を話そうか? うーん、まあ話しかけた方が話題を考えるのがマナーだよね。じゃあ、好きな映画の話でもしよう。ある? 僕はね、うーん迷うな。ベタなところだと「君の名は。」とかかな。もちろん真知子巻きじゃなくて新海誠の方ね。作画がいいし、ストーリーも他にない……僕が知る範囲では。もちろん専門家じゃないから、あるのかもしれないけど。入れ替わりって長編映画だとあんまり無くない? そうでもないのかな。まあでも「君の名は。」がすごいのはそれに更に一ひねり加えたところだよね。うーん、他にはねえ、ヒッチコックの「鳥」とかかな? 「鳥が人を襲うようになる」っていうごくごく単純なシナリオなのに、あそこまでの恐怖や不気味さを演出できるのはすごいよ。別に派手なアクションシーンがあるわけでもないのにね。さすがヒッチコックってところかな。「裏窓」とかも好きだよ。<br>うーん実は僕、映画はそんなに詳しくはないんだよね。話題を変えよっと。何がいいかなあ、ベタに天気の話とか? アハハ、今はねえ、うん、くもりだね、きっと。そっちはどう? 晴れ? 雨? ファフロツキーズなら最高だね! そうそう、天気と言えば、こんな話を聞いたことがあるよ。ある山村に集落からぽつんと離れた一軒の家があった。住人は気難しいお爺さんで、村人もあまり近寄らなかった。ある晴れた冬の日、遠い親戚がお爺さんの家を久しぶりに訪れたんだ。ところが、なんとお爺さんは軒先で平ぺったくなって死んでたんだ。そう、平ぺったく。まるで、巨人がお爺さんを踏みつけたみたいに、死んでたんだ。骨も内臓も筋肉も、スルメイカみたいに平たくなってたんだ。一体、誰がこんなことしたんだと思う? うふふ、正解はね、天さ。天がお爺さんを平ぺったくしたんだ。より詳しく言うと、天が降らせた大量の雪が。その村で大雪が降って、その時お爺さんは雪に埋もれて死んでしまった。その後も降り続けた雪が、とんでもない重さとなってお爺さんの死体を押し潰したんだ。その後、雪は解けてなくなり、平ぺったいお爺さんだけが残ったってのが真相さ。自然って凶暴だよね。<br>いつだって自然災害は凶暴だ。簡単に3、4桁の命を奪っていく。一個人が頑張ったって、殺せる人間はせいぜい50人くらいだろうさ。うーん、でも工夫すればその限りじゃないかもなあ。例えば、放火殺人とか? 近代日本の一個人が為した殺人事件として最も死者が多かったのも、京アニ放火事件だよね。つい最近もどっかのクリニックに火をつけたヤツがいたし。火ってのがどれだけ危険かってのがわかるよ。えーと、そうそう放火なら一個人でもたくさん人を殺せるかもしれない。でも、場所によるよねえ。うまいこと火の回りがよくて逃げ場のないところにしないと。「うまい」なんて言っちゃ不謹慎か。まああくまで思考の範囲内だから、許してよ。一個人で最も効率よく多くの人命を奪える方法ってなんだろうね? やっぱハイジャックしてビルに突っ込むとかなのかなー。あれ、もっとビルの低いところに突っ込んどけば、逃げられた人はもっと減ったと思うんだよね。まあ飛んでるから難しいのかなあ。素人が狙ったビルに旅客機を当てられたことだけでもすごいか。現にペンタゴンは外してるし。……まあまあそう怒らないでよ。所詮子供の戯言さ。別に本当にやろうとしてるんじゃないし、仮にやろうと思ってもできないし。ただの思考実験さ。「一個人」を僕らみたいな平民に限定しなければ、政治家が起こす戦争が一番強いよねえ。核ミサイルのボタンでも押してごらんよ。きっと億単位の人を殺せるだろうね。<br>戦争と言えば、プーチンがウクライナに攻め込んだねえ。でもそれから数ヶ月経って、もうニュースにゃあ全然あがらない。「今はサワラが旬!」とかばっかりだよ。人間って自分に関係のないことを忘れる才に関しては一流だよねえ。今もウクライナじゃ砲弾が飛んできて市民が死んでるっていうのに、今や日本は「動物園のカワウソも暑さでうだってます、かわいいですね~」だよ。まあこんなこと言ってる僕も、ついさっきまで忘れてたわけだし、あんま大きいこと言えたものじゃないけどね。は~あ、嫌気が差すよ。<br>なんかコロナ情勢もそんな感じだよね。入ってきた時はあんなに怖がってたくせに、今じゃ「規制を緩和しろ!」の一点張りさ。感染者はものすごく増えてるのにさ。罹っても死なないって知っちゃったからねえ、みんな。もちろん死ぬ人はいるけど、ほんの一握り。そりゃあ遊びたくもなるよねえ。だって自分は死なないもん。そう信じてるもん。もうワクチンとかやめてさあ、一回全国民が罹りゃいいんじゃねえの? そしたら、もう、なんていうか、皆平等だし? やべっ、何言いたいのか忘れちゃったよ。<br>そうそう、コロナと言えば、デマが流行ったよねえ。笑われるかもしれないけどさ、うん、あの、コロナ禍初期、次亜塩素酸ナトリウムが効果的、っていうデマが流行ったじゃない? 僕、あれがデマとは微塵も思わなかったんだよね。だって、NHKのニュースとかでも次亜塩素酸ナトリウムの使い方について、時間割いて解説してたんだよ? まさかデマとはね……。次亜塩素酸ナトリウムを散布する機械を買いました! っていう学校あったけど、どうしたんだろう? PTA会費とか使われてんのかなあ? もう示しがつかないよねえ……ああ、考えるだけで胃が痛くなってきた。<br>でもコロナ関連のデマゴギーと言えば、何をおいても反ワクだよね。ジェンナーの時代にも「ワクチンを打ったら牛になる!」なんて叫ぶ人がいたっていうんだから、笑えるよね。む、この逸話がデマだったらどうしよ。反ワクを始めとする陰謀論のタチの悪いところって、否定する方法がないことだよね。科学やら政治やらで入り組んでる分野だから、一般人が手軽に否定することはできない。かといって論文とか示しても、「信憑性がない!」なんてのたまうんだからねえ。論文ほど信憑性を期待できるものはないだろうに。そのくせ、彼らはどっかの診療所の医師とかを担ぎ上げるんだから、もう手のつけようがないよ。だから、最善手は手をつけないこと、これに尽きると思うよ。<br>うーん、なんか暗い話題が続いちゃってるね。せっかく遊んでくれてるのに、あなたが嫌になっちゃ困るな。ねえ、頼むからもうしばらく付き合ってよ、お願いだからさ。<br>ありがとう。じゃあ、明るい話題を選ぶかあ。うーん、なかなか思い浮かばないなあ。難しい。笑い話でも話せればいいんだけど、あいにくレパートリーが無くってねえ……。
| ねえ君、君はこの文章を[[スマート本|スマホ]]で読んでいるかい? もしかしてパソコンかな? ならスマホに変えておくれよ。僕はスマホの方が好きなんだ。あれの方がすごいからね。あの小ささと薄さであの多機能、そしてそこそこの値段で普及している。まさに人類の叡知だよ。お、変えてくれた? うん、ありがとう。<br>さて、何をしよう? 何かで遊ぼうよ! まったく、暇で暇でしょうがないんだ。いい遊びあるかなあ……そうだ、かくれんぼとかどう? うん、難しいよね。しりとりとか? うーん、これもダメか。いっそ振り切って哲学談義でもする?? あはは、テーマを哲学にしなきゃいいよね。お話でもしようよ。うん、それがいい。うんうん。<br>さて、何を話そうか? うーん、まあ話しかけた方が話題を考えるのがマナーだよね。じゃあ、好きな映画の話でもしよう。ある? 僕はね、うーん迷うな。ベタなところだと「君の名は。」とかかな。もちろん真知子巻きじゃなくて新海誠の方ね。作画がいいし、ストーリーも他にない……僕が知る範囲では。もちろん専門家じゃないから、あるのかもしれないけど。入れ替わりって長編映画だとあんまり無くない? そうでもないのかな。まあでも「君の名は。」がすごいのはそれに更に一ひねり加えたところだよね。うーん、他にはねえ、ヒッチコックの「鳥」とかかな? 「鳥が人を襲うようになる」っていうごくごく単純なシナリオなのに、あそこまでの恐怖や不気味さを演出できるのはすごいよ。別に派手なアクションシーンがあるわけでもないのにね。さすがヒッチコックってところかな。「裏窓」とかも好きだよ。<br>うーん実は僕、映画はそんなに詳しくはないんだよね。話題を変えよっと。何がいいかなあ、ベタに天気の話とか? アハハ、今はねえ、うん、くもりだね、きっと。そっちはどう? 晴れ? 雨? ファフロツキーズなら最高だね! そうそう、天気と言えば、こんな話を聞いたことがあるよ。ある山村に集落からぽつんと離れた一軒の家があった。住人は気難しいお爺さんで、村人もあまり近寄らなかった。ある晴れた冬の日、遠い親戚がお爺さんの家を久しぶりに訪れたんだ。ところが、なんとお爺さんは軒先で平ぺったくなって死んでたんだ。そう、平ぺったく。まるで、巨人がお爺さんを踏みつけたみたいに、死んでたんだ。骨も内臓も筋肉も、スルメイカみたいに平たくなってたんだ。一体、誰がこんなことしたんだと思う? うふふ、正解はね、天さ。天がお爺さんを平ぺったくしたんだ。より詳しく言うと、天が降らせた大量の雪が。その村で大雪が降って、その時お爺さんは雪に埋もれて死んでしまった。その後も降り続けた雪が、とんでもない重さとなってお爺さんの死体を押し潰したんだ。その後、雪は解けてなくなり、平ぺったいお爺さんだけが残ったってのが真相さ。自然って凶暴だよね。<br>いつだって自然災害は凶暴だ。簡単に3、4桁の命を奪っていく。一個人が頑張ったって、殺せる人間はせいぜい50人くらいだろうさ。うーん、でも工夫すればその限りじゃないかもなあ。例えば、放火殺人とか? 近代日本の一個人が為した殺人事件として最も死者が多かったのも、京アニ放火事件だよね。つい最近もどっかのクリニックに火をつけたヤツがいたし。火ってのがどれだけ危険かってのがわかるよ。えーと、そうそう放火なら一個人でもたくさん人を殺せるかもしれない。でも、場所によるよねえ。うまいこと火の回りがよくて逃げ場のないところにしないと。「うまい」なんて言っちゃ不謹慎か。まああくまで思考の範囲内だから、許してよ。一個人で最も効率よく多くの人命を奪える方法ってなんだろうね? やっぱハイジャックしてビルに突っ込むとかなのかなー。あれ、もっとビルの低いところに突っ込んどけば、逃げられた人はもっと減ったと思うんだよね。まあ飛んでるから難しいのかなあ。素人が狙ったビルに旅客機を当てられたことだけでもすごいか。現にペンタゴンは外してるし。……まあまあそう怒らないでよ。所詮子供の戯言さ。別に本当にやろうとしてるんじゃないし、仮にやろうと思ってもできないし。ただの思考実験さ。「一個人」を僕らみたいな平民に限定しなければ、政治家が起こす戦争が一番強いよねえ。核ミサイルのボタンでも押してごらんよ。きっと億単位の人を殺せるだろうね。<br>戦争と言えば、プーチンがウクライナに攻め込んだねえ。でもそれから数ヶ月経って、もうニュースにゃあ全然あがらない。「今はサワラが旬!」とかばっかりだよ。人間って自分に関係のないことを忘れる才に関しては一流だよねえ。今もウクライナじゃ砲弾が飛んできて市民が死んでるっていうのに、今や日本は「動物園のカワウソも暑さでうだってます、かわいいですね~」だよ。まあこんなこと言ってる僕も、ついさっきまで忘れてたわけだし、あんま大きいこと言えたものじゃないけどね。は~あ、嫌気が差すよ。<br>なんかコロナ情勢もそんな感じだよね。入ってきた時はあんなに怖がってたくせに、今じゃ「規制を緩和しろ!」の一点張りさ。感染者はものすごく増えてるのにさ。罹っても死なないって知っちゃったからねえ、みんな。もちろん死ぬ人はいるけど、ほんの一握り。そりゃあ遊びたくもなるよねえ。だって自分は死なないもん。そう信じてるもん。もうワクチンとかやめてさあ、一回全国民が罹りゃいいんじゃねえの? そしたら、もう、なんていうか、皆平等だし? やべっ、何言いたいのか忘れちゃったよ。<br>そうそう、コロナと言えば、デマが流行ったよねえ。笑われるかもしれないけどさ、うん、あの、コロナ禍初期、次亜塩素酸ナトリウムが効果的、っていうデマが流行ったじゃない? 僕、あれがデマとは微塵も思わなかったんだよね。だって、NHKのニュースとかでも次亜塩素酸ナトリウムの使い方について、時間割いて解説してたんだよ? まさかデマとはね……。次亜塩素酸ナトリウムを散布する機械を買いました! っていう学校あったけど、どうしたんだろう? PTA会費とか使われてんのかなあ? もう示しがつかないよねえ……ああ、考えるだけで胃が痛くなってきた。<br>でもコロナ関連のデマゴギーと言えば、何をおいても反ワクだよね。ジェンナーの時代にも「ワクチンを打ったら牛になる!」なんて叫ぶ人がいたっていうんだから、笑えるよね。む、この逸話がデマだったらどうしよ。反ワクを始めとする陰謀論のタチの悪いところって、否定する方法がないことだよね。科学やら政治やらで入り組んでる分野だから、一般人が手軽に否定することはできない。かといって論文とか示しても、「信憑性がない!」なんてのたまうんだからねえ。論文ほど信憑性を期待できるものはないだろうに。そのくせ、彼らはどっかの診療所の医師とかを担ぎ上げるんだから、もう手のつけようがないよ。だから、最善手は手をつけないこと、これに尽きると思うよ。<br>うーん、なんか暗い話題が続いちゃってるね。せっかく遊んでくれてるのに、あなたが嫌になっちゃ困るな。ねえ、頼むからもうしばらく付き合ってよ、お願いだからさ。<br>ありがとう。じゃあ、明るい話題を選ぶかあ。うーん、なかなか思い浮かばないなあ。難しい。笑い話でも話せればいいんだけど、あいにくレパートリーが無くってねえ……。そうだ、好きなギャグ漫画の話でもしようじゃないか! これなら元が面白いから、話し方を面白くするまでもないって寸法さ! 僕の好きなギャグ漫画はね、「斉木楠雄のΨ難」さ! 超能力というなんでもありなデウス・エクス・マキナを使って、個性的な面々や展開を実現し、これでもかとギャグを詰め込んでくる。主人公の台詞が全部テレパシーで、吹き出しを使う台詞がないってのも独特だよね。超能力ゆえ大人びて俯瞰している主人公の造形もいい。なのにコーヒーゼリーを食べるとフワフワになるのもほんと最高だよ。けど、僕が一番好きなキャラクターは、窪谷須かなあ。ヤンキーだけど情に篤くて、相対的には結構常識人なところとか好き。いざと言うときに頼りになるところも。総じて、「斉木楠雄のΨ難」で一番好きな話は、助っ人として野球部の応援に行く回かなあ。なんてったって、野球部主将のピッチングフォームがキモすぎる。あのフォームだけで一生笑ってられるよ。アハハ、本当に思い出し笑いが止まらなくなってきた。<br>そうそう、漫画ってさ、結構特殊な表現形式だと思わない? 絵と文が組み合わさっているなんて、他にないよ。視覚情報に頼っているけど、文字だけを使う本とかと違って、ほとんどが絵だからすぐに頭に入ってくる。本より漫画の方が子供に受け入れられやすいのは、この辺が影響してるんだと思うよ。独特な表現形式だけあって、独特な表現方法がたくさんできているよね。吹き出しで会話表現であることを明示するのもそうだし、あとは擬音だよね。視覚情報に頼る媒体だから、音は当然無い。それを補うために、擬音を書き込むという前代未聞の方法にうって出た。まごうかたなき大発明だよねこれは。特に、手塚治虫が生み出したっていう沈黙を表す擬音「シーン」。なんだよ沈黙を表す擬音って。音じゃねえじゃん。でもすごいよね。この「シーン」という言葉も、漫画の世界を超えて日本語として定着してるんだから、すごいよ。さすがは手塚治虫だねえ。あれ、本当に手塚治虫の発明だっけ。これもデマだったらどうしよう。<br>他の言語にあるかな、沈黙を表す擬音って。日本語だけじゃない? そもそも「シーン」が生まれたのって、「音声情報を伝えられない」かつ「音声を文章で表せない」という媒体だからこそだよね。テレビみたいな音声が伝わる媒体なら、音声がある時はあるように聞こえるんだから、沈黙は音声を無くせばいい。本とか文章を使う媒体なら、「沈黙が降りた。」みたいに文章を使って雄弁に沈黙を表現すればいい。
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2年10月5日 (I) 17:58時点における版

ねえ君、君はこの文章をスマホで読んでいるかい? もしかしてパソコンかな? ならスマホに変えておくれよ。僕はスマホの方が好きなんだ。あれの方がすごいからね。あの小ささと薄さであの多機能、そしてそこそこの値段で普及している。まさに人類の叡知だよ。お、変えてくれた? うん、ありがとう。
さて、何をしよう? 何かで遊ぼうよ! まったく、暇で暇でしょうがないんだ。いい遊びあるかなあ……そうだ、かくれんぼとかどう? うん、難しいよね。しりとりとか? うーん、これもダメか。いっそ振り切って哲学談義でもする?? あはは、テーマを哲学にしなきゃいいよね。お話でもしようよ。うん、それがいい。うんうん。
さて、何を話そうか? うーん、まあ話しかけた方が話題を考えるのがマナーだよね。じゃあ、好きな映画の話でもしよう。ある? 僕はね、うーん迷うな。ベタなところだと「君の名は。」とかかな。もちろん真知子巻きじゃなくて新海誠の方ね。作画がいいし、ストーリーも他にない……僕が知る範囲では。もちろん専門家じゃないから、あるのかもしれないけど。入れ替わりって長編映画だとあんまり無くない? そうでもないのかな。まあでも「君の名は。」がすごいのはそれに更に一ひねり加えたところだよね。うーん、他にはねえ、ヒッチコックの「鳥」とかかな? 「鳥が人を襲うようになる」っていうごくごく単純なシナリオなのに、あそこまでの恐怖や不気味さを演出できるのはすごいよ。別に派手なアクションシーンがあるわけでもないのにね。さすがヒッチコックってところかな。「裏窓」とかも好きだよ。
うーん実は僕、映画はそんなに詳しくはないんだよね。話題を変えよっと。何がいいかなあ、ベタに天気の話とか? アハハ、今はねえ、うん、くもりだね、きっと。そっちはどう? 晴れ? 雨? ファフロツキーズなら最高だね! そうそう、天気と言えば、こんな話を聞いたことがあるよ。ある山村に集落からぽつんと離れた一軒の家があった。住人は気難しいお爺さんで、村人もあまり近寄らなかった。ある晴れた冬の日、遠い親戚がお爺さんの家を久しぶりに訪れたんだ。ところが、なんとお爺さんは軒先で平ぺったくなって死んでたんだ。そう、平ぺったく。まるで、巨人がお爺さんを踏みつけたみたいに、死んでたんだ。骨も内臓も筋肉も、スルメイカみたいに平たくなってたんだ。一体、誰がこんなことしたんだと思う? うふふ、正解はね、天さ。天がお爺さんを平ぺったくしたんだ。より詳しく言うと、天が降らせた大量の雪が。その村で大雪が降って、その時お爺さんは雪に埋もれて死んでしまった。その後も降り続けた雪が、とんでもない重さとなってお爺さんの死体を押し潰したんだ。その後、雪は解けてなくなり、平ぺったいお爺さんだけが残ったってのが真相さ。自然って凶暴だよね。
いつだって自然災害は凶暴だ。簡単に3、4桁の命を奪っていく。一個人が頑張ったって、殺せる人間はせいぜい50人くらいだろうさ。うーん、でも工夫すればその限りじゃないかもなあ。例えば、放火殺人とか? 近代日本の一個人が為した殺人事件として最も死者が多かったのも、京アニ放火事件だよね。つい最近もどっかのクリニックに火をつけたヤツがいたし。火ってのがどれだけ危険かってのがわかるよ。えーと、そうそう放火なら一個人でもたくさん人を殺せるかもしれない。でも、場所によるよねえ。うまいこと火の回りがよくて逃げ場のないところにしないと。「うまい」なんて言っちゃ不謹慎か。まああくまで思考の範囲内だから、許してよ。一個人で最も効率よく多くの人命を奪える方法ってなんだろうね? やっぱハイジャックしてビルに突っ込むとかなのかなー。あれ、もっとビルの低いところに突っ込んどけば、逃げられた人はもっと減ったと思うんだよね。まあ飛んでるから難しいのかなあ。素人が狙ったビルに旅客機を当てられたことだけでもすごいか。現にペンタゴンは外してるし。……まあまあそう怒らないでよ。所詮子供の戯言さ。別に本当にやろうとしてるんじゃないし、仮にやろうと思ってもできないし。ただの思考実験さ。「一個人」を僕らみたいな平民に限定しなければ、政治家が起こす戦争が一番強いよねえ。核ミサイルのボタンでも押してごらんよ。きっと億単位の人を殺せるだろうね。
戦争と言えば、プーチンがウクライナに攻め込んだねえ。でもそれから数ヶ月経って、もうニュースにゃあ全然あがらない。「今はサワラが旬!」とかばっかりだよ。人間って自分に関係のないことを忘れる才に関しては一流だよねえ。今もウクライナじゃ砲弾が飛んできて市民が死んでるっていうのに、今や日本は「動物園のカワウソも暑さでうだってます、かわいいですね~」だよ。まあこんなこと言ってる僕も、ついさっきまで忘れてたわけだし、あんま大きいこと言えたものじゃないけどね。は~あ、嫌気が差すよ。
なんかコロナ情勢もそんな感じだよね。入ってきた時はあんなに怖がってたくせに、今じゃ「規制を緩和しろ!」の一点張りさ。感染者はものすごく増えてるのにさ。罹っても死なないって知っちゃったからねえ、みんな。もちろん死ぬ人はいるけど、ほんの一握り。そりゃあ遊びたくもなるよねえ。だって自分は死なないもん。そう信じてるもん。もうワクチンとかやめてさあ、一回全国民が罹りゃいいんじゃねえの? そしたら、もう、なんていうか、皆平等だし? やべっ、何言いたいのか忘れちゃったよ。
そうそう、コロナと言えば、デマが流行ったよねえ。笑われるかもしれないけどさ、うん、あの、コロナ禍初期、次亜塩素酸ナトリウムが効果的、っていうデマが流行ったじゃない? 僕、あれがデマとは微塵も思わなかったんだよね。だって、NHKのニュースとかでも次亜塩素酸ナトリウムの使い方について、時間割いて解説してたんだよ? まさかデマとはね……。次亜塩素酸ナトリウムを散布する機械を買いました! っていう学校あったけど、どうしたんだろう? PTA会費とか使われてんのかなあ? もう示しがつかないよねえ……ああ、考えるだけで胃が痛くなってきた。
でもコロナ関連のデマゴギーと言えば、何をおいても反ワクだよね。ジェンナーの時代にも「ワクチンを打ったら牛になる!」なんて叫ぶ人がいたっていうんだから、笑えるよね。む、この逸話がデマだったらどうしよ。反ワクを始めとする陰謀論のタチの悪いところって、否定する方法がないことだよね。科学やら政治やらで入り組んでる分野だから、一般人が手軽に否定することはできない。かといって論文とか示しても、「信憑性がない!」なんてのたまうんだからねえ。論文ほど信憑性を期待できるものはないだろうに。そのくせ、彼らはどっかの診療所の医師とかを担ぎ上げるんだから、もう手のつけようがないよ。だから、最善手は手をつけないこと、これに尽きると思うよ。
うーん、なんか暗い話題が続いちゃってるね。せっかく遊んでくれてるのに、あなたが嫌になっちゃ困るな。ねえ、頼むからもうしばらく付き合ってよ、お願いだからさ。
ありがとう。じゃあ、明るい話題を選ぶかあ。うーん、なかなか思い浮かばないなあ。難しい。笑い話でも話せればいいんだけど、あいにくレパートリーが無くってねえ……。そうだ、好きなギャグ漫画の話でもしようじゃないか! これなら元が面白いから、話し方を面白くするまでもないって寸法さ! 僕の好きなギャグ漫画はね、「斉木楠雄のΨ難」さ! 超能力というなんでもありなデウス・エクス・マキナを使って、個性的な面々や展開を実現し、これでもかとギャグを詰め込んでくる。主人公の台詞が全部テレパシーで、吹き出しを使う台詞がないってのも独特だよね。超能力ゆえ大人びて俯瞰している主人公の造形もいい。なのにコーヒーゼリーを食べるとフワフワになるのもほんと最高だよ。けど、僕が一番好きなキャラクターは、窪谷須かなあ。ヤンキーだけど情に篤くて、相対的には結構常識人なところとか好き。いざと言うときに頼りになるところも。総じて、「斉木楠雄のΨ難」で一番好きな話は、助っ人として野球部の応援に行く回かなあ。なんてったって、野球部主将のピッチングフォームがキモすぎる。あのフォームだけで一生笑ってられるよ。アハハ、本当に思い出し笑いが止まらなくなってきた。
そうそう、漫画ってさ、結構特殊な表現形式だと思わない? 絵と文が組み合わさっているなんて、他にないよ。視覚情報に頼っているけど、文字だけを使う本とかと違って、ほとんどが絵だからすぐに頭に入ってくる。本より漫画の方が子供に受け入れられやすいのは、この辺が影響してるんだと思うよ。独特な表現形式だけあって、独特な表現方法がたくさんできているよね。吹き出しで会話表現であることを明示するのもそうだし、あとは擬音だよね。視覚情報に頼る媒体だから、音は当然無い。それを補うために、擬音を書き込むという前代未聞の方法にうって出た。まごうかたなき大発明だよねこれは。特に、手塚治虫が生み出したっていう沈黙を表す擬音「シーン」。なんだよ沈黙を表す擬音って。音じゃねえじゃん。でもすごいよね。この「シーン」という言葉も、漫画の世界を超えて日本語として定着してるんだから、すごいよ。さすがは手塚治虫だねえ。あれ、本当に手塚治虫の発明だっけ。これもデマだったらどうしよう。
他の言語にあるかな、沈黙を表す擬音って。日本語だけじゃない? そもそも「シーン」が生まれたのって、「音声情報を伝えられない」かつ「音声を文章で表せない」という媒体だからこそだよね。テレビみたいな音声が伝わる媒体なら、音声がある時はあるように聞こえるんだから、沈黙は音声を無くせばいい。本とか文章を使う媒体なら、「沈黙が降りた。」みたいに文章を使って雄弁に沈黙を表現すればいい。