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荳也阜莠泌�蠕御サョ隱ャ�医○縺九>縺斐�繧薙#縺九○縺、�峨→縺ッ縲√€御ク也阜縺ッ螳溘�5蛻�セ後↓蟋九∪繧九�縺九b縺励l縺ェ縺�€阪→縺�≧莉ョ隱ャ縺ァ縺ゅk縲�
==音韻==
===音韻体系===
ピロリ語の音韻は、前述した通り日本語のそれと極めて酷似している。しかし、細かな違いは多くみられる。


==讎りヲ�==
代表的なものとしては、<span class="plainlinks">[https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%93 撥音]</span>において、「ん」で一括りにされる日本語とは異なり、'''軟口蓋音'''と'''硬口蓋音'''が表記面でも区別される<ref>本項で用いているピロリ=アルファベット表記では、軟口蓋音の方を「'''n'''」、硬口蓋音の方を「'''gn'''」としている。</ref>ことや、<span class="plainlinks">[https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%8B%97%E9%9F%B3 拗音]</span><ref>ここでの拗音は、二文字で1モーラ(拍)を形成しているものを指す。(例えば、一般に拗音とされる「きゃ」などの他にも、拗音だとは広く認められていない「てゃ」なども拗音として扱う。)</ref>が存在しないことなどが挙げられる。詳細は後述する。
縺薙�莉ョ隱ャ縺ッ縲√€御ク也阜縲阪�蟄伜惠繧定ィシ譏弱〒縺阪↑縺�%縺ィ繧貞燕謠舌→縺励◆繧ゅ�縺ァ縺ゅj縲√↑縺翫°縺、縺昴�蜑肴署縺薙◎縺後%縺ョ莉ョ隱ャ縺ョ隲也炊縺昴�繧ゅ�縺ァ縺ゅk縺ィ縺�≧讌オ繧√※鬥ャ鮖ソ鬥ャ鮖ソ縺励>繧ゅ�縺ァ縺ゅk縲�
====モーラ====
ピロリ語では、日本語と同様に'''撥音(ngndo)'''、'''促音(yipa'do)'''、'''長音(yipa^do)'''がそれぞれ独立して1拍に数えられ、さらに子音だけの音さえも、後述の例外を除いて全て1拍として数えられている。


縺輔i縺ォ縲∝�蟶ー逧�↓諤晁€�&縺帙k縺薙→縺ォ繧医▲縺ヲ蛻、譁ュ閭ス蜉帙r驤阪i縺帙€√≠縺溘°繧よュ」縺励>縺薙→繧定ィ€縺」縺ヲ縺�k繧医≧縺ェ菴楢」√〒閼ウ繧偵↑縺怜エゥ縺礼噪縺ォ邏榊セ励&縺帙※縺励∪縺�→縺�≧縲∵・オ繧√※迢。迪セ縺ェ繧ゅ�縺ィ縺ェ縺」縺ヲ縺�k縲�
また、'''清音(kfdo)'''や'''濁音(gvdo)'''、'''半濁音(pdo)'''といった概念も日本語のそれと共有している。しかし、後述のように清濁が独自に定義されたピロリ語特有の音韻も存在する。


縺セ縺溘€√%繧後�荳€闊ャ縺ォ縲御ク也阜莠泌�蜑堺サョ隱ャ縲阪�繝代Ο繝�ぅ縺ィ逅�ァ」縺輔l繧九′縲∝酔讒倥↓諛千桝荳サ鄒ゥ逧�↑繧ゅ�縺ァ縺ゅk縺ォ繧る未繧上i縺壹€√%縺。繧峨�蜿崎ィシ縺ォ縺ェ繧峨★縺励b遒コ蝗コ縺ェ蜿崎ォ悶′蜿ッ閭ス縺ァ縺ゅk�医€御ク也阜縲阪�蟄伜惠縺ッ蜿崎ィシ繧ゅ〒縺阪↑縺�%縺ィ縺九i�峨◆繧√€�
ピロリ語における<span class="plainlinks">[https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A2%E3%83%BC%E3%83%A9 モーラ]</span>の種類は、以下の表に示すように'''116'''ほど存在している。ここでは、ピロリ語の字に対応するピロリ=アルファベット表記と、その<span class="plainlinks">[https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9B%BD%E9%9A%9B%E9%9F%B3%E5%A3%B0%E8%A8%98%E5%8F%B7 国際音声記号]</span>における発音も列挙する。


繧ゅ�繧�€御サョ隱ャ縲阪→縺吶i險€縺医◆繧ゅ�縺ァ縺ッ縺ェ縺�→縺�≧諢剰ヲ九b蟄伜惠縺吶k縲�
なお、括弧内の表記は、普通は使われないものの、一部の単語に稀に使われることがあるものである。<ref>「'''jiyota'''(楽しむ)」の「'''ji」'''など。</ref>
{| class="wikitable" style="text-align:center"
! style="border-top:1px solid #ffffff ; border-left:1px solid #ffffff ; background-color:#ffffff" |
! colspan="5" |ピロリ=アルファベット表記
! colspan="5" |発音(国際音声記号)
!清濁
|-
!母音
|a
|i
|u
|e
|o
|[ä]
|[i̠]
|[ɯ̹]
|[e̞]
|[o̞]
|―
|-
! rowspan="15" |子音
| colspan="5" |k(q)
| colspan="5" |[k]
|清音
|-
| colspan="5" |s(c)
| colspan="5" |[s]
|清音
|-
| colspan="5" |t
| colspan="5" |[t]
|清音
|-
| colspan="5" |h
| colspan="5" |[h]
|清音
|-
| colspan="5" |m
| colspan="5" |[m]
|―
|-
| colspan="5" |r
| colspan="5" |[ɽ]
|―
|-
| colspan="5" |g
| colspan="5" |[g]
|濁音
|-
| colspan="5" |z
| colspan="5" |[z]
|濁音
|-
| colspan="5" |j
| colspan="5" |[ɖ]
|濁音
|-
| colspan="5" |ch
| colspan="5" |[ʈɾ]
|清音
|-
| colspan="5" |d
| colspan="5" |[d]
|濁音
|-
| colspan="5" |b
| colspan="5" |[b]
|濁音
|-
| colspan="5" |p
| colspan="5" |[p]
|半濁音
|-
| colspan="5" |f
| colspan="5" |[f]
|清音
|-
| colspan="5" |v
| colspan="5" |[v]
|濁音
|-
! rowspan="2" |半母音
| colspan="5" |y
| colspan="5" |[j]
|―
|-
| colspan="5" |w
| colspan="5" |[β̞]
|―
|-
! rowspan="16" |子音+母音
|ka(qa)
|ki(qi)
|ku(qu)
|ke(qe)
|ko(qo)
|[kä]
|[ki̠]
|[kɯ̹]
|[ke̞]
|[ko̞]
|清音
|-
|sa(ca)
|si(ci)
|su(cu)
|se(ce)
|so(co)
|[sä]
|[si̠]
|[sɯ̹]
|[se̞]
|[so̞]
|清音
|-
|ta
|ti
|tu
|te
|to
|[tä]
|[ti̠]
|[tɯ̹]
|[te̞]
|[to̞]
|清音
|-
|na
|ni
|nu
|ne
|no
|[ŋä]
|[ŋi̠]
|[ŋɯ̹]
|[ŋe̞]
|[ŋo̞]
|―
|-
|ha
|hi
|hu
|he
|ho
|[hä]
|[hi̠]
|[hɯ̹]
|[he̞]
|[ho̞]
|清音
|-
|ma
|mi
|mu
|me
|mo
|[mä]
|[mi̠]
|[mɯ̹]
|[me̞]
|[mo̞]
|―
|-
|ra
|ri
|ru
|re
|ro
|[ɽä]
|[ɽi̠]
|[ɽɯ̹]
|[ɽe̞]
|[ɽo̞]
|―
|-
|ga
|gi
|gu
|ge
|go
|[gä]
|[gi̠]
|[gɯ̹]
|[ge̞]
|[go̞]
|濁音
|-
|za
|zi
|zu
|ze
|zo
|[zä]
|[zi̠]
|[zɯ̹]
|[ze̞]
|[zo̞]
|濁音
|-
|ja
|jhi(ji)
|ju
|je
|jo
|[ɖä]
|[ɖi̠]
|[ɖɯ̹]
|[ɖe̞]
|[ɖo̞]
|濁音
|-
|cha
|chi
|chu
|che
|cho
|[ʈɾä]
|[ʈɾi̠]
|[ʈɾɯ̹]
|[ʈɾe̞]
|[ʈɾo̞]
|清音
|-
|da
|dhi(di)
|dhu(du)
|de
|do
|[dä]
|[di̠]
|[dɯ̹]
|[de̞]
|[do̞]
|濁音
|-
|ba
|bi
|bu
|be
|bo
|[bä]
|[bi̠]
|[bɯ̹]
|[be̞]
|[bo̞]
|濁音
|-
|pa
|pi
|pu
|pe
|po
|[pä]
|[pi̠]
|[pɯ̹]
|[pe̞]
|[po̞]
|半濁音
|-
|fa
|fi
|fhu(fu)
|fe
|fo
|[fä]
|[fi̠]
|[fɯ̹]
|[fe̞]
|[fo̞]
|清音
|-
|va
|vi
|vu
|ve
|vo
|[vä]
|[vi̠]
|[vɯ̹]
|[ve̞]
|[vo̞]
|濁音
|-
! rowspan="2" |半子音+母音<ref name="hanseen">ピロリ語においては'''「半子音の語」'''を意味する'''「a'tomei gN harufhu」'''が使われるため、日本語の文献においても「半母音」でなく「半子音」に統一される傾向にあり、本項もそれに従うものとする。</ref>
|ya
|yi
|yu
|ye
|yo
|[jä]
|[ji̠]
|[jɯ̹]
|[je̞]
|[jo̞]
|―
|-
|wa
|wi
|wu
|we
|wo
|[β̞ä]
|[β̞i̠]
|[β̞ɯ̹]
|[β̞e̞]
|[β̞o̞]
|―
|}
{| class="wikitable" style="text-align:center"
! style="border-top:1px solid #ffffff ; border-left:1px solid #ffffff ; background-color:#ffffff" |
!ピロリ=アルファベット表記
!発音(国際音声記号)
! style="border-top:1px solid #ffffff ; border-right:1px solid #ffffff ; background-color:#ffffff" |
|-
! rowspan="4" |特殊モーラ
|n
|[ŋ]
! rowspan="2" |撥音
|-
|gn
|[ɲ]
|-
|'
|―
!促音
|-
|^
|―
!長音
|}
====母音体系====
ピロリ語の母音は、音声学上では
*[ä]、[i̠]、[ɯ̹]、[e̞]、[o̞]
の五つが存在する。


荳€譁ケ縺ァ縲√%繧後i縺ョ谺�髯・繧ょ性繧√※縺薙�莉ョ隱ャ縺ョ蜈ィ縺ヲ縺悟屏譫懷セ九∈縺ョ逧ョ閧峨a縺�◆繧ゅ�縺ェ縺ョ縺ァ縺ッ縺ェ縺�°縺ィ縺�≧諢剰ヲ九b蟄伜惠縺吶k縲�
これらの母音は日本語のそれとほとんど同じであり、特に「あ」、「い」、「お」に至っては完全に同じ音である。


荳也阜莠泌�蜑堺サョ隱ャ縺ォ蠖ア髻ソ繧剃ク弱∴縺溘が繝�繝輔ぃ繝ュ繧ケ繧剃セ九↓縺吶k縺ィ縲√い繝€繝�縺ィ繧、繝悶↓縺ク縺昴′縺ゅk縺ョ縺ッ縺昴�繧医≧縺ェ迥カ諷九〒逋コ逕溘@縺溘€√☆縺ェ繧上■逾槭↓蜑オ騾�縺輔l縺溘◆繧√→縺輔l繧九′縲∝屏譫懷セ九↓蛯セ蛟偵☆繧九b縺ョ縺九i縺吶l縺ー縺昴l縺ッ繧「繝€繝�縺ィ繧、繝悶↓豈崎ヲェ縺後>縺溘◆繧√→縺ェ繧九€�
しかし、「う」は日本語のものと少し違っており、口をすぼめて発音するのではなく、「い」の形に口を開けた状態で、「う」と発音するような形となっている。<ref>詳細には、「'''い'''」のような完全な張唇でありながら、「'''う'''」 のように後舌の狭母音であるということ。<span class="plainlinks">[https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%9D%9E%E5%86%86%E5%94%87%E5%BE%8C%E8%88%8C%E7%8B%AD%E6%AF%8D%E9%9F%B3 非円唇後舌狭母音]</span>も参照。</ref>


縺励°縺励↑縺後i縲∫・槭�螳�ョ呵ォ也噪險シ譏弱↓繧医l縺ー縲∫オ仙ア€縺ョ縺ィ縺薙m縺昴�隕ェ縺ョ逋コ逕溘r繧ょ性繧€縺吶∋縺ヲ縺ョ邨先棡繧貞ア暮幕縺励※縺�▲縺溘◆縺�荳€轤ケ縺ョ莠玖ア。縺ョ縲√◎縺ョ蜴溷屏縺ィ縺ェ繧倶ス輔i縺九�莠玖ア。縺ッ縲�
「え」に関してはさほど変わりはないが、若干半狭母音に寄った発音となっている。


蠖「閠御ク雁ュヲ縺ォ繧医▲縺ヲ縲檎・槭€阪→繧よ掌謠�&繧檎撫諤悶&繧悟エ�a繧峨l縲∝ョ溯ウェ逧�↓縺ッ菴輔i縲悟ョ玲蕗逧�↑逾槭€阪→螟峨o繧峨↑縺�ス輔°繧貞次蝗�縺ィ縺吶k繧ゅ�縺ァ縺ゅk縺ェ縺ゥ縲√▽縺セ繧九→縺薙m縺ォ縺ッ縲御ク肴�縺ェ蜴溷屏縺ォ繧医k邨先棡縲阪↓蟇セ縺励※荳€蛻��霑ス遨カ縺御ク榊庄閭ス縺ァ縺ゅj縲�
また、日本語と同様に<span class="plainlinks">[https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%95%B7%E9%9F%B3 長音]</span>という概念が存在し、前にある母音を一拍分引くような形での、独立した一つのモーラとして機能している。
{| class="wikitable" style="text-align:center"
! style="border-top:1px solid #ffffff ; border-left:1px solid #ffffff ; background-color:#ffffff" |
!前舌
!前舌め
!中舌
!後舌め
!後舌
|-
!狭
|i̠
|
|
|
|ɯ̹
|-
!広めの狭
|
|
|
|
|
|-
!半狭
|
|
|
|
|
|-
!中央
|
|e̞
|
|
|o̞
|-
!半広
|
|
|
|
|
|-
!狭めの広
|
|
|
|
|
|-
!広
|
|
|
|
|}
====子音体系====
ピロリ語の子音は、音声学上では
*[k]、[s]、[t]、[h]、[ʈ]、[f](<span class="plainlinks">[https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B8%85%E9%9F%B3 清音]</span>)
*[g]、[z]、[d]、[b]、[ɖ]、[v](<span class="plainlinks">[https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%BF%81%E9%9F%B3 濁音]</span>)
*[p](<span class="plainlinks">[https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8D%8A%E6%BF%81%E9%9F%B3 半濁音]</span>)
*[ŋ]、[ɲ]、[m]、[ɾ]
*[j]、[β̞](<span class="plainlinks">[https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8D%8A%E6%AF%8D%E9%9F%B3 半子音]<ref name="hanseen" />)
の十九が存在する。


蝗�譫懷セ九�逅�ォ悶�縲√◎繧後%縺昴€檎・樣�シ縺ソ縲阪�縲∵凾莉」骭ッ隱、縺ョ螳玲蕗逧�↑讌オ繧√※鬥ャ鮖ソ鬥ャ鮖ソ縺励>繧ゅ�縺ァ縺ゅk縲√→縺�≧諢上r縲√€御ク肴�縺ェ蜴溷屏縺ォ繧医k莠泌�蠕後�荳也阜縺ョ隱慕函縲阪→縺�≧谺�髯・縺�繧峨¢縺ョ鬥ャ鮖ソ鬥ャ鮖ソ縺励>莉ョ隱ャ縺ォ繧医▲縺ヲ證励↓遉コ縺励※縺�k縺ョ縺ァ縺ッ縺ェ縺�°縺ィ縺�≧繧ゅ�縺ァ縺ゅk縲�
日本語にはない子音もいくつかあり、清音である ['''ʈ''']、['''f''']、そしてそれらとそれぞれ対応している濁音である ['''ɖ''']、['''v'''] がピロリ語には存在する。
 
また、前述した通り、日本語では「ん」として一括りにまとめている撥音において、['''ŋ'''] と ['''ɲ'''] の二つに分けられている。
 
両者の違いは、硬口蓋音か軟口蓋音かで定義され、平易に述べるならば舌を上に置いて発音する方が硬口蓋音の ['''ŋ''']、舌を下に置いて発音する方が軟口蓋音の  ['''ɲ'''] であるといえる。
 
また、ピロリ語の子音体系の特徴として、異音がまったくもって存在しないことが挙げられる。例えば、日本語では、さ行の「さ、し、す、せ、そ」の音素は、それぞれ「/sa, si, su, se, so/」 であるのにも関わらず、
 
それらの音価としては、「[sä, ɕi̠, sɯ̹, se̞, so̞]」となり、「し」だけは ['''ɕi̠'''] と、「さ行」という一つのグループの中に例外が存在する。<ref>日本語の例では、他にも「'''ち'''([ti̠]でなく['''ʨi̠'''])」や「'''ふ'''([hu̜]でなく['''ɸu̜'''])」など、実に様々なものが挙げられる。</ref>しかし、ピロリ語には、このような例外的な音韻は存在しないのである。<ref name="sound">文字の読み方の詳細は[[ピロリ語#.E9.9F.B3.E9.9F.BB|音韻]]節を参照。</ref><ref>なお、撥音の「ん」では、軟口蓋鼻音と硬口蓋鼻音が存在するが、それぞれ別の音、別の表記を持ち、話者の意識として音素上においても別のものとなっているため、これは異音とはいえない。</ref>
 
さらに、先述した通りピロリ語には拗音が存在せず、ゆえにその対をなす直音という概念も存在しない。なお、この理由は現在でも解明されていない。<ref>一説には、ピロリ語においては一文字=1モーラという例外ないきまりが存在するため、そもそもピロリ語話者(ヘリコバクターピロリ)は二文字で1モーラを形成しているものを、二文字であるという理由から2モーラとしてしか認識できず、このため正しい拗音を認識できないともいわれている。これは、もともとは拗音が入っていた日本語の単外語や借用語が、その拗音を二文字(2モーラ)で表現されていることからも見て取れる。(例:'''siya'''rasou'''jhiyu''' / <ruby>沙羅双樹<rt>'''しゃ'''らそう'''じゅ'''</rt></ruby>)</ref><ref>もう一つの説として、ピロリ語には異音が存在せず、日本語のイ段にみられる[https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8F%A3%E8%93%8B%E5%8C%96 口蓋化]した子音も存在しないため、それによってこれらの子音に母音を繋げて1モーラとした形で存在する、拗音の大部分を占める[https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%8B%97%E9%9F%B3#%E9%96%8B%E6%8B%97%E9%9F%B3 開拗音]が存在しなくなり、拗音が消失するというものがある。</ref>
{| class="wikitable" style="text-align:center"
! rowspan="2" style="border-top:1px solid #ffffff ; border-left:1px solid #ffffff ; background-color:#ffffff" |
! colspan="2" |唇音
! colspan="4" |舌頂音
! colspan="3" |舌背音
! colspan="4" |咽喉音
|-
!両唇音
!唇歯音
!歯音
!歯茎音
!後部歯茎音
!そり舌音
!硬口蓋音
!軟口蓋音
!口蓋垂音
! colspan="2" |咽喉音
! colspan="2" |声門音
|-
!破裂音
|p b
|
| colspan="3" |t d
|
|k g
|
|
| style="background-color:gray" |
|
| style="background-color:gray" |
|-
!鼻音
|m
|
| colspan="3" |
|
|
| colspan="2" style="background-color:gray" |
| colspan="2" style="background-color:gray" |
|-
!ふるえ音
|
|
|
|
|
|
|
| style="background-color:gray" |
|
| colspan="2" |
| colspan="2" style="background-color:gray" |
|-
!はじき音
|
|
| colspan="3" |ɾ
|
|
| style="background-color:gray" |
|
| colspan="2" |
| colspan="2" style="background-color:gray" |
|-
!摩擦音
|
|f v
|
|s z
|
|
|
|
|
| colspan="2" |
| colspan="2" |h
|-
!側面接近音
| style="background-color:gray" |
| style="background-color:gray" |
| colspan="3" |
|
|
|
|
| colspan="2" style="background-color:gray" |
| colspan="2" style="background-color:gray" |
|-
!接近音
|β̞
|
| colspan="3" |
|
|
|j
|
| colspan="2" |
| colspan="2" style="background-color:gray" |
|-
!側面接近音
| style="background-color:gray" |
| style="background-color:gray" |
| colspan="3" |
|
|
|
|
| colspan="2" style="background-color:gray" |
| colspan="2" style="background-color:gray" |
|}
===アクセント===
ピロリ語は、ピッチの上下による<span class="plainlinks">[https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%AB%98%E4%BD%8E%E3%82%A2%E3%82%AF%E3%82%BB%E3%83%B3%E3%83%88 高低アクセント]</span>を持つ。なお、<span class="plainlinks">[https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%BC%B7%E5%8B%A2 強勢アクセント]などはピロリ語には定められていない。
 
ピロリ語には同音異義語がほとんど存在しない<ref>述言補助詞と不定菌称単数主格代名詞における「'''wi'''」などのいくつかは、同音異義語として存在している。</ref>ため、言葉の発音の抑揚が統一的に定義されていることはない。このため、弁別機能としてのアクセントはピロリ語には存在しないといえる。
 
しかし、統語機能として、言葉のまとまりや切れ目を分かりやすくするために高低アクセントが使われることがある。
 
<references />

1年10月24日 (ヰ) 11:01時点における版

音韻

音韻体系

ピロリ語の音韻は、前述した通り日本語のそれと極めて酷似している。しかし、細かな違いは多くみられる。

代表的なものとしては、撥音において、「ん」で一括りにされる日本語とは異なり、軟口蓋音硬口蓋音が表記面でも区別される[1]ことや、拗音[2]が存在しないことなどが挙げられる。詳細は後述する。

モーラ

ピロリ語では、日本語と同様に撥音(ngndo)促音(yipa'do)長音(yipa^do)がそれぞれ独立して1拍に数えられ、さらに子音だけの音さえも、後述の例外を除いて全て1拍として数えられている。

また、清音(kfdo)濁音(gvdo)半濁音(pdo)といった概念も日本語のそれと共有している。しかし、後述のように清濁が独自に定義されたピロリ語特有の音韻も存在する。

ピロリ語におけるモーラの種類は、以下の表に示すように116ほど存在している。ここでは、ピロリ語の字に対応するピロリ=アルファベット表記と、その国際音声記号における発音も列挙する。

なお、括弧内の表記は、普通は使われないものの、一部の単語に稀に使われることがあるものである。[3]

ピロリ=アルファベット表記 発音(国際音声記号) 清濁
母音 a i u e o [ä] [i̠] [ɯ̹] [e̞] [o̞]
子音 k(q) [k] 清音
s(c) [s] 清音
t [t] 清音
h [h] 清音
m [m]
r [ɽ]
g [g] 濁音
z [z] 濁音
j [ɖ] 濁音
ch [ʈɾ] 清音
d [d] 濁音
b [b] 濁音
p [p] 半濁音
f [f] 清音
v [v] 濁音
半母音 y [j]
w [β̞]
子音+母音 ka(qa) ki(qi) ku(qu) ke(qe) ko(qo) [kä] [ki̠] [kɯ̹] [ke̞] [ko̞] 清音
sa(ca) si(ci) su(cu) se(ce) so(co) [sä] [si̠] [sɯ̹] [se̞] [so̞] 清音
ta ti tu te to [tä] [ti̠] [tɯ̹] [te̞] [to̞] 清音
na ni nu ne no [ŋä] [ŋi̠] [ŋɯ̹] [ŋe̞] [ŋo̞]
ha hi hu he ho [hä] [hi̠] [hɯ̹] [he̞] [ho̞] 清音
ma mi mu me mo [mä] [mi̠] [mɯ̹] [me̞] [mo̞]
ra ri ru re ro [ɽä] [ɽi̠] [ɽɯ̹] [ɽe̞] [ɽo̞]
ga gi gu ge go [gä] [gi̠] [gɯ̹] [ge̞] [go̞] 濁音
za zi zu ze zo [zä] [zi̠] [zɯ̹] [ze̞] [zo̞] 濁音
ja jhi(ji) ju je jo [ɖä] [ɖi̠] [ɖɯ̹] [ɖe̞] [ɖo̞] 濁音
cha chi chu che cho [ʈɾä] [ʈɾi̠] [ʈɾɯ̹] [ʈɾe̞] [ʈɾo̞] 清音
da dhi(di) dhu(du) de do [dä] [di̠] [dɯ̹] [de̞] [do̞] 濁音
ba bi bu be bo [bä] [bi̠] [bɯ̹] [be̞] [bo̞] 濁音
pa pi pu pe po [pä] [pi̠] [pɯ̹] [pe̞] [po̞] 半濁音
fa fi fhu(fu) fe fo [fä] [fi̠] [fɯ̹] [fe̞] [fo̞] 清音
va vi vu ve vo [vä] [vi̠] [vɯ̹] [ve̞] [vo̞] 濁音
半子音+母音[4] ya yi yu ye yo [jä] [ji̠] [jɯ̹] [je̞] [jo̞]
wa wi wu we wo [β̞ä] [β̞i̠] [β̞ɯ̹] [β̞e̞] [β̞o̞]
ピロリ=アルファベット表記 発音(国際音声記号)
特殊モーラ n [ŋ] 撥音
gn [ɲ]
' 促音
^ 長音

母音体系

ピロリ語の母音は、音声学上では

  • [ä]、[i̠]、[ɯ̹]、[e̞]、[o̞]

の五つが存在する。

これらの母音は日本語のそれとほとんど同じであり、特に「あ」、「い」、「お」に至っては完全に同じ音である。

しかし、「う」は日本語のものと少し違っており、口をすぼめて発音するのではなく、「い」の形に口を開けた状態で、「う」と発音するような形となっている。[5]

「え」に関してはさほど変わりはないが、若干半狭母音に寄った発音となっている。

また、日本語と同様に長音という概念が存在し、前にある母音を一拍分引くような形での、独立した一つのモーラとして機能している。

前舌 前舌め 中舌 後舌め 後舌
ɯ̹
広めの狭
半狭
中央
半広
狭めの広
ä

子音体系

ピロリ語の子音は、音声学上では

  • [k]、[s]、[t]、[h]、[ʈ]、[f](清音
  • [g]、[z]、[d]、[b]、[ɖ]、[v](濁音
  • [p](半濁音
  • [ŋ]、[ɲ]、[m]、[ɾ]
  • [j]、[β̞](半子音[4]

の十九が存在する。

日本語にはない子音もいくつかあり、清音である [ʈ]、[f]、そしてそれらとそれぞれ対応している濁音である [ɖ]、[v] がピロリ語には存在する。

また、前述した通り、日本語では「ん」として一括りにまとめている撥音において、[ŋ] と [ɲ] の二つに分けられている。

両者の違いは、硬口蓋音か軟口蓋音かで定義され、平易に述べるならば舌を上に置いて発音する方が硬口蓋音の [ŋ]、舌を下に置いて発音する方が軟口蓋音の [ɲ] であるといえる。

また、ピロリ語の子音体系の特徴として、異音がまったくもって存在しないことが挙げられる。例えば、日本語では、さ行の「さ、し、す、せ、そ」の音素は、それぞれ「/sa, si, su, se, so/」 であるのにも関わらず、

それらの音価としては、「[sä, ɕi̠, sɯ̹, se̞, so̞]」となり、「し」だけは [ɕi̠] と、「さ行」という一つのグループの中に例外が存在する。[6]しかし、ピロリ語には、このような例外的な音韻は存在しないのである。[7][8]

さらに、先述した通りピロリ語には拗音が存在せず、ゆえにその対をなす直音という概念も存在しない。なお、この理由は現在でも解明されていない。[9][10]

唇音 舌頂音 舌背音 咽喉音
両唇音 唇歯音 歯音 歯茎音 後部歯茎音 そり舌音 硬口蓋音 軟口蓋音 口蓋垂音 咽喉音 声門音
破裂音 p b t d ʈ k g
鼻音 m ɲ ŋ
ふるえ音
はじき音 ɾ
摩擦音 f v s z h
側面接近音
接近音 β̞ j
側面接近音

アクセント

ピロリ語は、ピッチの上下による高低アクセントを持つ。なお、強勢アクセントなどはピロリ語には定められていない。

ピロリ語には同音異義語がほとんど存在しない[11]ため、言葉の発音の抑揚が統一的に定義されていることはない。このため、弁別機能としてのアクセントはピロリ語には存在しないといえる。

しかし、統語機能として、言葉のまとまりや切れ目を分かりやすくするために高低アクセントが使われることがある。

  1. 本項で用いているピロリ=アルファベット表記では、軟口蓋音の方を「n」、硬口蓋音の方を「gn」としている。
  2. ここでの拗音は、二文字で1モーラ(拍)を形成しているものを指す。(例えば、一般に拗音とされる「きゃ」などの他にも、拗音だとは広く認められていない「てゃ」なども拗音として扱う。)
  3. jiyota(楽しむ)」の「ji」など。
  4. 4.0 4.1 ピロリ語においては「半子音の語」を意味する「a'tomei gN harufhu」が使われるため、日本語の文献においても「半母音」でなく「半子音」に統一される傾向にあり、本項もそれに従うものとする。
  5. 詳細には、「」のような完全な張唇でありながら、「」 のように後舌の狭母音であるということ。非円唇後舌狭母音も参照。
  6. 日本語の例では、他にも「([ti̠]でなく[ʨi̠])」や「([hu̜]でなく[ɸu̜])」など、実に様々なものが挙げられる。
  7. 文字の読み方の詳細は音韻節を参照。
  8. なお、撥音の「ん」では、軟口蓋鼻音と硬口蓋鼻音が存在するが、それぞれ別の音、別の表記を持ち、話者の意識として音素上においても別のものとなっているため、これは異音とはいえない。
  9. 一説には、ピロリ語においては一文字=1モーラという例外ないきまりが存在するため、そもそもピロリ語話者(ヘリコバクターピロリ)は二文字で1モーラを形成しているものを、二文字であるという理由から2モーラとしてしか認識できず、このため正しい拗音を認識できないともいわれている。これは、もともとは拗音が入っていた日本語の単外語や借用語が、その拗音を二文字(2モーラ)で表現されていることからも見て取れる。(例:siyarasoujhiyu / 沙羅双樹しゃらそうじゅ
  10. もう一つの説として、ピロリ語には異音が存在せず、日本語のイ段にみられる口蓋化した子音も存在しないため、それによってこれらの子音に母音を繋げて1モーラとした形で存在する、拗音の大部分を占める開拗音が存在しなくなり、拗音が消失するというものがある。
  11. 述言補助詞と不定菌称単数主格代名詞における「wi」などのいくつかは、同音異義語として存在している。