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1年10月24日 (ヰ) 11:04時点における版

音韻

音韻体系

ピロリ語の音韻は、前述した通り日本語のそれと極めて酷似している。しかし、細かな違いは多くみられる。

代表的なものとしては、撥音において、「ん」で一括りにされる日本語とは異なり、軟口蓋音硬口蓋音が表記面でも区別される[1]ことや、拗音[2]が存在しないことなどが挙げられる。詳細は後述する。

モーラ

ピロリ語では、日本語と同様に撥音(ngndo)促音(yipa'do)長音(yipa^do)がそれぞれ独立して1拍に数えられ、さらに子音だけの音さえも、後述の例外を除いて全て1拍として数えられている。

また、清音(kfdo)濁音(gvdo)半濁音(pdo)といった概念も日本語のそれと共有している。しかし、後述のように清濁が独自に定義されたピロリ語特有の音韻も存在する。

ピロリ語におけるモーラの種類は、以下の表に示すように116ほど存在している。ここでは、ピロリ語の字に対応するピロリ=アルファベット表記と、その国際音声記号における発音も列挙する。

なお、括弧内の表記は、普通は使われないものの、一部の単語に稀に使われることがあるものである。[3]

ピロリ=アルファベット表記 発音(国際音声記号) 清濁
母音 a i u e o [ä] [i̠] [ɯ̹] [e̞] [o̞]
子音 k(q) [k] 清音
s(c) [s] 清音
t [t] 清音
h [h] 清音
m [m]
r [ɽ]
g [g] 濁音
z [z] 濁音
j [ɖ] 濁音
ch [ʈɾ] 清音
d [d] 濁音
b [b] 濁音
p [p] 半濁音
f [f] 清音
v [v] 濁音
半母音 y [j]
w [β̞]
子音+母音 ka(qa) ki(qi) ku(qu) ke(qe) ko(qo) [kä] [ki̠] [kɯ̹] [ke̞] [ko̞] 清音
sa(ca) si(ci) su(cu) se(ce) so(co) [sä] [si̠] [sɯ̹] [se̞] [so̞] 清音
ta ti tu te to [tä] [ti̠] [tɯ̹] [te̞] [to̞] 清音
na ni nu ne no [ŋä] [ŋi̠] [ŋɯ̹] [ŋe̞] [ŋo̞]
ha hi hu he ho [hä] [hi̠] [hɯ̹] [he̞] [ho̞] 清音
ma mi mu me mo [mä] [mi̠] [mɯ̹] [me̞] [mo̞]
ra ri ru re ro [ɽä] [ɽi̠] [ɽɯ̹] [ɽe̞] [ɽo̞]
ga gi gu ge go [gä] [gi̠] [gɯ̹] [ge̞] [go̞] 濁音
za zi zu ze zo [zä] [zi̠] [zɯ̹] [ze̞] [zo̞] 濁音
ja jhi(ji) ju je jo [ɖɾä] [ɖɾi̠] [ɖɾɯ̹] [ɖɾe̞] [ɖɾo̞] 濁音
cha chi chu che cho [ʈɾä] [ʈɾi̠] [ʈɾɯ̹] [ʈɾe̞] [ʈɾo̞] 清音
da dhi(di) dhu(du) de do [dä] [di̠] [dɯ̹] [de̞] [do̞] 濁音
ba bi bu be bo [bä] [bi̠] [bɯ̹] [be̞] [bo̞] 濁音
pa pi pu pe po [pä] [pi̠] [pɯ̹] [pe̞] [po̞] 半濁音
fa fi fhu(fu) fe fo [fä] [fi̠] [fɯ̹] [fe̞] [fo̞] 清音
va vi vu ve vo [vä] [vi̠] [vɯ̹] [ve̞] [vo̞] 濁音
半子音+母音[4] ya yi yu ye yo [jä] [ji̠] [jɯ̹] [je̞] [jo̞]
wa wi wu we wo [β̞ä] [β̞i̠] [β̞ɯ̹] [β̞e̞] [β̞o̞]
ピロリ=アルファベット表記 発音(国際音声記号)
特殊モーラ n [ŋ] 撥音
gn [ɲ]
' (長子音の前半) 促音
^ (長母音の後半) 長音

母音体系

ピロリ語の母音は、音声学上では

  • [ä]、[i̠]、[ɯ̹]、[e̞]、[o̞]

の五つが存在する。

これらの母音は日本語のそれとほとんど同じであり、特に「あ」、「い」、「お」に至っては完全に同じ音である。

しかし、「う」は日本語のものと少し違っており、口をすぼめて発音するのではなく、「い」の形に口を開けた状態で、「う」と発音するような形となっている。[5]

「え」に関してはさほど変わりはないが、若干半狭母音に寄った発音となっている。

また、日本語と同様に長音という概念が存在し、前にある母音を一拍分引くような形での、独立した一つのモーラとして機能している。

前舌 前舌め 中舌 後舌め 後舌
ɯ̹
広めの狭
半狭
中央
半広
狭めの広
ä

子音体系

ピロリ語の子音は、音声学上では

  • [k]、[s]、[t]、[h]、[ʈ]、[f](清音
  • [g]、[z]、[d]、[b]、[ɖ]、[v](濁音
  • [p](半濁音
  • [ŋ]、[ɲ]、[m]、[ɾ]
  • [j]、[β̞](半子音[4]

の十九が存在する。

日本語にはない子音もいくつかあり、清音である [ʈ]、[f]、そしてそれらとそれぞれ対応している濁音である [ɖ]、[v] がピロリ語には存在する。

また、前述した通り、日本語では「ん」として一括りにまとめている撥音において、[ŋ] と [ɲ] の二つに分けられている。

両者の違いは、硬口蓋音か軟口蓋音かで定義され、平易に述べるならば舌を上に置いて発音する方が硬口蓋音の [ŋ]、舌を下に置いて発音する方が軟口蓋音の [ɲ] であるといえる。

また、ピロリ語の子音体系の特徴として、異音がまったくもって存在しないことが挙げられる。例えば、日本語では、さ行の「さ、し、す、せ、そ」の音素は、それぞれ「/sa, si, su, se, so/」 であるのにも関わらず、

それらの音価としては、「[sä, ɕi̠, sɯ̹, se̞, so̞]」となり、「し」だけは [ɕi̠] と、「さ行」という一つのグループの中に例外が存在する。[6]しかし、ピロリ語には、このような例外的な音韻は存在しないのである。[7][8]

さらに、先述した通りピロリ語には拗音が存在せず、ゆえにその対をなす直音という概念も存在しない。なお、この理由は現在でも解明されていない。[9][10]

唇音 舌頂音 舌背音 咽喉音
両唇音 唇歯音 歯音 歯茎音 後部歯茎音 そり舌音 硬口蓋音 軟口蓋音 口蓋垂音 咽喉音 声門音
破裂音 p b t d ʈ k g
鼻音 m ɲ ŋ
ふるえ音
はじき音 ɾ
摩擦音 f v s z h
側面接近音
接近音 β̞ j
側面接近音

アクセント

ピロリ語は、ピッチの上下による高低アクセントを持つ。なお、強勢アクセントなどはピロリ語には定められていない。

ピロリ語には同音異義語がほとんど存在しない[11]ため、言葉の発音の抑揚が統一的に定義されていることはない。このため、弁別機能としてのアクセントはピロリ語には存在しないといえる。

しかし、統語機能として、言葉のまとまりや切れ目を分かりやすくするために高低アクセントが使われることがある。

  1. 本項で用いているピロリ=アルファベット表記では、軟口蓋音の方を「n」、硬口蓋音の方を「gn」としている。
  2. ここでの拗音は、二文字で1モーラ(拍)を形成しているものを指す。(例えば、一般に拗音とされる「きゃ」などの他にも、拗音だとは広く認められていない「てゃ」なども拗音として扱う。)
  3. jiyota(楽しむ)」の「ji」など。
  4. 4.0 4.1 ピロリ語においては「半子音の語」を意味する「a'tomei gN harufhu」が使われるため、日本語の文献においても「半母音」でなく「半子音」に統一される傾向にあり、本項もそれに従うものとする。
  5. 詳細には、「」のような完全な張唇でありながら、「」 のように後舌の狭母音であるということ。非円唇後舌狭母音も参照。
  6. 日本語の例では、他にも「([ti̠]でなく[ʨi̠])」や「([hu̜]でなく[ɸu̜])」など、実に様々なものが挙げられる。
  7. 文字の読み方の詳細は音韻節を参照。
  8. なお、撥音の「ん」では、軟口蓋鼻音と硬口蓋鼻音が存在するが、それぞれ別の音、別の表記を持ち、話者の意識として音素上においても別のものとなっているため、これは異音とはいえない。
  9. 一説には、ピロリ語においては一文字=1モーラという例外ないきまりが存在するため、そもそもピロリ語話者(ヘリコバクターピロリ)は二文字で1モーラを形成しているものを、二文字であるという理由から2モーラとしてしか認識できず、このため正しい拗音を認識できないともいわれている。これは、もともとは拗音が入っていた日本語の単外語や借用語が、その拗音を二文字(2モーラ)で表現されていることからも見て取れる。(例:siyarasoujhiyu / 沙羅双樹しゃらそうじゅ
  10. もう一つの説として、ピロリ語には異音が存在せず、日本語のイ段にみられる口蓋化した子音も存在しないため、それによってこれらの子音に母音を繋げて1モーラとした形で存在する、拗音の大部分を占める開拗音が存在しなくなり、拗音が消失するというものがある。
  11. 述言補助詞と不定菌称単数主格代名詞における「wi」などのいくつかは、同音異義語として存在している。