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サリンドの共鳴とは、3XXX年に起きた、愛玩動物サリンドが共鳴し集団で凶暴化した事件である。サリンドの凶暴化、サリンド共鳴事件とも。
背景
3X世紀、量子テレポーテーションの実用化や核融合エンジンの小型化といった急速な科学技術の発達に伴い、大宇宙航海時代が訪れた。それまでの宇宙開発は、小さな機械を数光年先まで飛ばすのがやっとだった。しかし、技術革新によって、安全に速く遠く、生身の我々が行くことができるようになった。30年後には調査の手は他銀河団にまで及び、新発見が相次いだ。その代表的なものが、G-5066星の発見である。
既に銀河系内は隈なく調査されたが、生命体は見つかっていなかった。しかし、大宇宙航海時代の到来によって、調査可能範囲は格段に広大になった。それが、G-5066星の発見に繋がった。この星には、少量ながらも液体の水と酸素が存在しており、生命が芽生えうる条件をどうにか満たしていた。2Gの重力に飛び交う高出力な電磁波と、環境が良いとはとても言えない星だが、それにも負けず数十種の生命体がいた。その中の一種がサリンドである。
サリンドの発見・普及
サリンドは小さな草食動物で、鈍磨な歯で自生する植物を食べて暮らしていた。知的生命体ではなく集団生活は行っていないが、数匹で群れているサリンドもいる。サリンドはG-5066星の「スイート・スポット」[1]と呼ばれる地域に生息している。
そして、サリンドの発見がニュースとなると、その可愛らしい見た目に人気が出た。特に、餌を小さな口で必死に頬張る姿は大きな話題となり、サリンドブームが巻き起こった。研究の結果、サリンドは温厚な性格で愛玩動物として適しているとわかると、すぐにサリンドは採集され、ペットとして普及した。
脚注
- ↑ 液体の水が比較的多く存在し、電磁波の密度が小さい地域。