利用者:キュアラプラプ/サンドボックス/甲
ピロリ語(ピロリご、ピ:ranguba M pirorikin[1])とは、ピロリ菌の間で使用される言語である。
特徴
ピロリ語には、句読点はおろか疑問符、感嘆符すら存在せず[2]、文のイントネーションは独自の文頭説明語によって決まる。[3]
また、ピロリ語は世界的にもかなり複雑な代名詞を持ち、これによって主語が省略されることはほとんどない。[4]
表記体系では、ピロリベド(piroribedo)とピロソーバド(piroso^bado)という二つの文字が存在し、主に代表語や固有名詞の子音はピロリベドで[5]、他の単純語などはピロソーバドで表記される。
なお、ピロリベド、ピロソーバド共に文字コードが定められておらず、ここでの表記が難しいため、本項ではピロリ=アルファベット表記(Arupua^bado)を用いて説明する。[6][7]
また、音韻は日本語のものと類似しており、語彙にも日本語との類似点が見られることから、ピロリ語は日本語ともかなり関係が深い言語であるとされている。
さらに、ピロリ語は胃という閉鎖空間で発生し、使用されていることから、方言等の派生が存在していない。これによって、ピロリ語は発生当時の形を比較的簡単に予測し、遡ることが可能であるため、
近年では言語学者らが言語発生のメカニズムを知るために、ピロリ語を盛んに研究している。
分布
ピロリ語は、主にヒトの胃の中に生息しているヘリコバクターピロリによって話される。
胃内では、テレビやラジオ、書物においてもほとんどの場合ピロリ語が使われており、ピロリ語が事実上の唯一の言語であるとされる。
胃外では、先述の通り言語学者に盛んに分析されるなどして、研究も進んでいるため、近いうちにピロリ語教育が始まる可能性もあるとみられている。
また、小腸や食道などに移動したヘリコバクターピロリが、現地の原住菌に対してピロリ語を教えていることが明らかになっており、
近いうちに、ヒトの体内に存在する、ヘリコバクターピロリ以外の微生物もピロリ語話者となるとみられている。
系統
ピロリ語は、先述の通り、日本語に酷似した発音や、類似点のある語彙を持つことから、日本語から派生した言語であるという可能性もある。なお、語彙に関しては英語との類似点も指摘されている。
しかし、ピロリ語は日本語とも英語とも異なる文法を持っているため、一概に日本語や英語から派生した言語であるとは言えず、
近年では、ヘリコバクターピロリがもとより所持していた言語体系において、その単語などを日本語や英語から借用しただけであり、これらの言語家族的な関係性は皆無であるともされる。
これらのことから、言語学においてピロリ語は孤立言語であると考えられている。
音韻
音韻体系
ピロリ語の音韻は、前述した通り日本語のそれとかなり類似している。しかし、細かな違いは多くみられる。
代表的なものとして、撥音において、「ん」で一括りにされる日本語とは異なり、軟口蓋音と硬口蓋音が表記面でも区別される[8]ことや、拗音が存在しないことなどが挙げられる。詳細は後述する。
モーラ
ピロリ語では、日本語と同様に撥音、促音、長音がそれぞれ独立して1拍に数えられ、さらに子音だけの音さえも1拍として数えられている。
ピロリ語におけるモーラの種類は、以下の表に示すように116ほど存在している。ここでは、ピロリ語の字に対応するピロリ=アルファベット表記と、その国際音声記号における発音も列挙する。
なお、括弧内の表記は、普通は使われないものの、一部の単語に稀に使われることがあるものである。[9]
ピロリ=アルファベット表記 | 発音(国際音声記号) | 清濁 | |||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
母音 | a | i | u | e | o | [ä] | [i̠] | [ɯ̹] | [e̞] | [o̞] | ― |
子音 | k(q) | [k] | 清音 | ||||||||
s(c) | [s] | 清音 | |||||||||
t | [t] | 清音 | |||||||||
h | [h] | 清音 | |||||||||
m | [m] | ― | |||||||||
r | [ɽ] | ― | |||||||||
g | [g] | 濁音 | |||||||||
z | [z] | 濁音 | |||||||||
j | [d͡ʑ] | 濁音 | |||||||||
ch | [ʈɾ] | 清音 | |||||||||
d | [d] | 濁音 | |||||||||
b | [b] | 濁音 | |||||||||
p | [p] | 半濁音 | |||||||||
f | [ɸ] | 清音 | |||||||||
v | [v] | 濁音 | |||||||||
半母音 | y | [j] | ― | ||||||||
w | [β̞] | ― | |||||||||
子音+母音 | ka(qa) | ki(qi) | ku(qu) | ke(qe) | ko(qo) | [kä] | [ki̠] | [kɯ̹] | [ke̞] | [ko̞] | 清音 |
sa(ca) | si(ci) | su(cu) | se(ce) | so(co) | [sä] | [si̠] | [sɯ̹] | [se̞] | [so̞] | 清音 | |
ta | ti | tu | te | to | [tä] | [ti̠] | [tɯ̹] | [te̞] | [to̞] | 清音 | |
na | ni | nu | ne | no | [ŋä] | [ŋi̠] | [ŋɯ̹] | [ŋe̞] | [ŋo̞] | ― | |
ha | hi | hu | he | ho | [hä] | [hi̠] | [hɯ̹] | [he̞] | [ho̞] | 清音 | |
ma | mi | mu | me | mo | [mä] | [mi̠] | [mɯ̹] | [me̞] | [mo̞] | ― | |
ra | ri | ru | re | ro | [ɽä] | [ɽi̠] | [ɽɯ̹] | [ɽe̞] | [ɽo̞] | ― | |
ga | gi | gu | ge | go | [gä] | [gi̠] | [gɯ̹] | [ge̞] | [go̞] | 濁音 | |
za | zi | zu | ze | zo | [zä] | [zi̠] | [zɯ̹] | [ze̞] | [zo̞] | 濁音 | |
ja | jhi(ji) | ju | je | jo | [d͡ʑä] | [d͡ʑi̠] | [d͡ʑɯ̹] | [d͡ʑe̞] | [d͡ʑo̞] | 濁音 | |
cha | chi | chu | che | cho | [ʈɾä] | [ʈɾi̠] | [ʈɾɯ̹] | [ʈɾe̞] | [ʈɾo̞] | 清音 | |
da | dhi(di) | dhu(du) | de | do | [dä] | [di̠] | [dɯ̹] | [de̞] | [do̞] | 濁音 | |
ba | bi | bu | be | bo | [bä] | [bi̠] | [bɯ̹] | [be̞] | [bo̞] | 濁音 | |
pa | pi | pu | pe | po | [pä] | [pi̠] | [pɯ̹] | [pe̞] | [po̞] | 半濁音 | |
fa | fi | fhu(fu) | fe | fo | [ɸä] | [ɸi̠] | [ɸɯ̹] | [ɸe̞] | [ɸo̞] | 清音 | |
va | vi | vu | ve | vo | [vä] | [vi̠] | [vɯ̹] | [ve̞] | [vo̞] | 濁音 | |
半子音+母音[10] | ya | yi | yu | ye | yo | [jä] | [jhi̠] | [jɯ̹] | [je̞] | [jo̞] | ― |
wa | wi | wu | we | wo | [β̞ä] | [β̞i̠] | [β̞ɯ̹] | [β̞e̞] | [β̞o̞] | ― |
ピロリ=アルファベット表記 | 発音(国際音声記号) | ||
---|---|---|---|
特殊モーラ | n | [ŋ] | 撥音 |
gn | [ɲ] | ||
' | ― | 促音 | |
^ | ― | 長音 |
母音体系
ピロリ語の母音は、音声学上では
- [ä]、[i̠]、[ɯ̹]、[e̞]、[o̞]
の五つが存在する。
これらの母音は日本語のそれとほとんど同じであり、特に「あ」、「い」、「お」に至っては完全に同じ音である。
しかし、「う」は日本語のものと少し違っており、口をすぼめて発音するのではなく、「い」の形に口を開けた状態で、「う」と発音するような形となっている。[11]
「え」に関してはさほど変わりはないが、若干半狭母音に寄った発音となっている。
また、日本語と同様に長音という概念が存在し、前にある母音を一拍分引くような形での、独立した一つのモーラとして機能している。
前舌 | 前舌め | 中舌 | 後舌め | 後舌 | |
---|---|---|---|---|---|
狭 | i̠ | ɯ̹ | |||
広めの狭 | |||||
半狭 | |||||
中央 | e̞ | o̞ | |||
半広 | |||||
狭めの広 | |||||
広 | ä |
子音体系
ピロリ語の子音は、音声学上では
- [k]、[s]、[t]、[h]、[ʈɾ]、[ɸ](清音)
- [g]、[z]、[d͡ʑ]、[d]、[b]、[v](濁音)
- [p](半濁音)
- [ŋ]、[ɲ]、[m]、[ɽ]
- [j]、[β̞](半母音[12])
の十九が存在する。
日本語にはない子音もいくつかあり、清音である [ʈɾ]、[ɸ]、そしてそれらと対応する濁音の [d͡ʑ]、[v] がピロリ語には存在する。
また、前述した通り、日本語では「ん」として一括りにまとめている撥音において、[ŋ] と [ɲ] の二つに分かれている。
両者の違いは、硬口蓋音か軟口蓋音かで定義され、平易に述べるならば舌を上に置いて発音する方が硬口蓋音の [ŋ]、舌を下に置いて発音する方が軟口蓋音の [ɲ] であるといえる。
また、ピロリ語の子音体系の特徴として、例外がまったくもって存在しないことが挙げられる。例えば、日本語では、さ行の「さ、す、せ、そ」の発音はそれぞれ [s+母音] であるのにも関わらず、
「し」の発音だけは [ɕi̠] と、グループの中に例外が存在する。[13]しかし、ピロリ語には、このような例外は存在しないのである。[14]
さらに、先述した通りピロリ語には拗音が存在せず、ゆえにその対をなす直音という概念も存在しない。なお、この理由は現在でも解明されていない。
唇音 | 舌頂音 | 舌背音 | 咽喉音 | ||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
両唇音 | 唇歯音 | 歯音 | 歯茎音 | 後部歯茎音 | そり舌音 | 硬口蓋音 | 軟口蓋音 | 口蓋垂音 | 咽喉音 | 声門音 | |||
破裂音 | p b | t d | ʈ | k g | |||||||||
鼻音 | m | ɲ | ŋ | ||||||||||
ふるえ音 | |||||||||||||
はじき音 | ɾ | ɽ | |||||||||||
摩擦音 | ɸ | v | s z | h | |||||||||
側面接近音 | |||||||||||||
接近音 | (β̞) | j | |||||||||||
側面接近音 |
両唇音 | 唇歯音 | 歯音 | 歯茎音 | 歯茎側面音 | 後部歯茎音 | そり舌音 | 歯茎硬口蓋音 | 硬口蓋音 | 軟口蓋音 | 口蓋垂音 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
無声音 | |||||||||||
有声音 | d͡ʑ |
アクセント
ピロリ語は、ピッチの上下による高低アクセントを持つ。なお、強勢アクセントなどは一般的には使われない。
ピロリ語には同音異義語が存在しないため、ほとんどの場合、言葉の発音には抑揚がない。このため、弁別機能としてのアクセントはピロリ語には存在しない。
しかし、統語機能として、言葉のまとまりや切れ目を分かりやすくするために高低アクセントが使われることがある。
文法
ピロリ語は主に、文型説明語(ekusupumei)、文対象語(tarugemei)、文叙述語(mubumei)、文起点語(sentamei)の順で構成される。
文の構成
ピロリ語では、主に「ご飯を 食べる 私は」のような語順で文を作る、OVS型の言語である。ピロリ語には文型が3つ存在する。
第一文型
目的語を除いた、文叙述語と文起点語のV+Sだけで構成される文型である。
- Ko^ mogu pi(私は食べた)
- Na^ da' pi(私は走っている)
第二文型
ピロリ語では最も多くみられる、文対象語と文叙述語と文起点語のO+V+Sで構成される文型である。
- Ko^ mesi mogu pi(私はご飯を食べた)
- Na^ nuwu da' pi(私は庭を走っている)
第三文型
後述する修飾補助詞のはたらきによって、補語と文起点語のC+Sで構成される文型である。
- mesi D ruru(これはご飯だ)
- nuwu D riba(ここは庭だ)
なお、この文型の文は単独でしか存在できず、文叙述語などを付け足すと第一文型の文対象語となる。[例文 1]
文の成分
文型説明語
ピロリ語における文型説明語(ekusupumei)は、文の時間や文の種類を説明し、表す言葉。原則として文頭に来る。
文型説明語には時間説明語と文係説明語があり、同時に文に入るときは文係説明語が文頭になり、文の一番後ろの文型説明語だけが音を伸ばす。
時間説明語
ピロリ語における時間説明語(toimu ^ ekusupumei)は、過去や未来などの、文の時間を表す。一文に同系列である是非を問わず二つ以上存在することもある。原則として文頭に来る。
また、過去や未来の時間説明語と現実の時間説明語が同時に文に入るときは過去や未来の時間説明語が文頭になり、文の一番後ろの時間説明語だけが音を伸ばす。
時間説明語は、後ろに時間を表す名詞を置くことでさらに詳しくすることもできる。[例文 2]さらに、全ての時間説明語は強調の文係説明語である「Chyu^」との複合によって意味が変わる。
時間 | 説明詞 | 概要 | 例文 | |
---|---|---|---|---|
ピロリ語 | 日本語 | |||
過去 | Ko^ | 過去のことを述べた文を表す。 | Ko^ gu^ pe | 彼は寝た。 |
Kkho^ | 現在、すでに完了している文を表す。 | Kkho^ gu^ pe | 彼はもう寝た。 | |
KoNa^ | 「Na^」と複合したもの。過去進行形の文を表す。 | KoNa^ gu^ pe | 彼は眠っていた。 | |
Ch'Ko^ | 「Chyu^」と複合したもの。過去の経験について述べた文を表す。 | Ch'Ko^ gu^ pe | 彼は眠ったことがあった。 | |
Ch'Kkho^ | 「Chyu^」と複合したもの。過去に完了している文を表す。 | Kkho^ kumu pi ' gu^ pe | 私が来たとき、彼は寝ていた。 | |
Ch'KoNa^ | 「Chyu^」と複合したもの。過去の継続について述べた文を表す。 | Ch'KoNa^ gu^ pe | 彼は眠り続けていた。 | |
未来 | Sa^ | 未来のことを述べた文を表す。 | Sa^ jiyota pi | 私は楽しむはずだ。 |
Ssha^ | 現在のこと、または未来を仮定する文を表す。 | Ssha^ jiyota pi ' Sa^ jiyota pu | もし私が楽しめば、あなたも楽しむだろう。 | |
SaNa^ | 「Na^」と複合したもの。未来進行形の文を表す。 | SaNa^ jiyota pi | 私は楽しんでいるはずだ。 | |
Ch'Sa^ | 「Chyu^」と複合したもの。過去のこと、または現在を仮定する文を表す。 | Ch'Sa Na^ jiyota pi ' Ssha^ jiyota pu | もし今、私が楽しめば、あなたも楽しむだろう。 | |
Ch'Ssha^ | 「Chyu^」と複合したもの。過去を仮定する文を表す。 | Ch'Ssha Ko^ jiyota pi ' Ch'Sa jiyota pu | もし私が楽しんでいれば、彼も楽しんでいたのに。 | |
Ch'SaNa^ | 「Chyu^」と複合したもの。過去説明語を未来のことに置き換えることを表す。 | Ch'SaNa Ch'Ko^ jiyota pi | 私は楽しみ続けているだろう。 | |
現在 | Na^ | 現在のことを述べた文を表す。一般には、進行形として解釈される。 | Na^ da' pi | 私は走っている。 |
Nnha^ | 現在の習慣的なことを述べた文を表す。 | Nnha^ da' pi | 私は習慣的に走る。 | |
Ch'Na^ | 「Chyu^」と複合したもの。たった今、この瞬間のことを述べた文を表す。 | Ch'Na^ da' pi | 私はたった今、走っている。 | |
Ch'Nnha^ | 「Chyu^」と複合したもの。過去説明語を現在のことに置き換えることを表す。 | Ch'Nnha Ch'Ko^ da' pi | 私は楽しみ続けている。 |
文係説明語
ピロリ語における文係説明語(senbun ^ ekusupumei)は、疑問文や否定文などの、文の種類を表す。
また、疑問の時間説明語とその他の時間説明語が同時に文に入るときは疑問の時間説明語が文頭になり、文の一番後ろの文係説明語だけが音を伸ばす。
全ての文係説明語は、強調の文係説明語である「Chyu^」との複合によって意味が変わる。
種類 | 説明詞 | 概要 | 例文 | |
---|---|---|---|---|
ピロリ語 | 日本語 | |||
疑問 | Chyo^ | 文がはいかいいえで答えられる疑問文であることを表す。 | Chyo^ gu^ pe | 彼は寝たのだろうか。 |
yaChyo^ | 文が時間についての疑問文であることを表す。 | yaChyo^ gu^ pe | いつ彼は寝たのだろうか。 | |
baChyo^ | 文が場所についての疑問文であることを表す。 | baChyo^ gu^ pe | どこで彼は寝たのだろうか。 | |
daChyo^ | 文が菌(人物)についての疑問文であることを表す。 | daChyo^ gu^ wi | 誰が寝たのだろうか。 | |
waChyo^ | 文がそれ自体についての疑問文であることを表す。 | waChyo^ "gu^" | 「寝る」ということは何だろうか。 | |
naChyo^ | 文が理由についての疑問文であることを表す。 | naChyo^ gu^ pe | どうして彼は寝たのだろうか。 | |
dhuriChyo^ | 文が手段についての疑問文であることを表す。 | dhuriChyo^ gu^ pe | どうやって彼は寝たのだろうか。 | |
dowiChyo^ | 文が選択についての疑問文であることを表す。 | dowiChyo^ gu^ pe | どうやって彼は寝たのだろうか。(口語表現のみ) | |
dowiChyo^ pihipi | どれが私のものなのだろうか。 | |||
dagnChyo^ | 文が菌(人物)に関わる物事についての疑問文であることを表す。 | dagnChyo^ wifa husiru | 誰のえんぴつなのだろうか。 | |
dagnChyo^ husiru V giko wi | 誰によって作られたえんぴつなのだろうか。 | |||
Ch'Chyo^ | 「Chyu^」と複合したもの。文が不能であることを表す。 | Ch'Chyo^ gu^ pe | 彼は寝られない。 | |
Ch'yaChyo^ | 「Chyu^」と複合したもの。文が時間に関わらず不能であることを表す。 | Ch'yaChyo^ gu^ pe | 彼はいつも寝られない。 | |
Ch'baChyo^ | 「Chyu^」と複合したもの。文が場所に関わらず不能であることを表す。 | Ch'baChyo^ gu^ pe | 彼はどこでも寝られない。 | |
Ch'daChyo^ | 「Chyu^」と複合したもの。文が菌(人物)に関わらず不能であることを表す。 | Ch'daChyo^ gu^ wi | 誰も寝られない。 | |
Ch'waChyo^ | 「Chyu^」と複合したもの。文がそれ自体に関わらず不能であることを表す。 | Ch'waChyo^ "gu^" | 何も「寝る」ということではない。 | |
Ch'naChyo^ | 「Chyu^」と複合したもの。文が理由に関わらず不能であることを表す。 | Ch'naChyo^ gu^ pe | どうしても彼は寝られない。 | |
Ch'dhuriChyo^ | 「Chyu^」と複合したもの。文が手段に関わらず不能であることを表す。 | Ch'dhuriChyo^ gu^ pe | どうやっても彼は寝られない。 | |
Ch'dowiChyo^ | 「Chyu^」と複合したもの。文が選択に関わらず不能であることを表す。 | Ch'dowiChyo^ gu^ pe | どうやっても彼は寝られない。(口語表現のみ) | |
Ch'dowiChyo^ pihipi | どれも私のものではない。 | |||
Ch'dagnChyo^ | 「Chyu^」と複合したもの。文が菌(人物)に関わる物事に関わらず不能であることを表す。 | Ch'dagnChyo^ wifa husiru | 誰のえんぴつでもない。 | |
Ch'dagnChyo^ husiru V giko wi | 誰にでも作られていないえんぴつだ。 | |||
否定 | Chye^ | 文が否定文であることを表す。 | Chye^ gu^ pe | 彼は寝ない。 |
Ch'Chye^ | 「Chyu^」と複合したもの。文の禁止を表す。 | Ch'Chye^ gu^ yipa | 寝るな! | |
可能 | Chyi^ | 文が可能であることを表す。 | Chei^ gu^ pe | 彼は寝られる。 |
Ch'Chyi^ | 「Chyu^」と複合したもの。文が確実であることを表す。 | Ch'Chyi^ gu^ pe | 彼は確実に寝るだろう。 | |
促し | Chya^ | 文の促しを表す。 | Chya^ gu^ yipa | 寝たらどうだい。 |
Ch'Chya^ | 「Chyu^」と複合したもの。文の命令を表す。 | Ch'Chya^ gu^ yipa | 寝なさい。 | |
強調 | Chyu^ | 文の強調を表す。 | Ch'Chyu^ gu^ pe | 彼は寝るぞ! |
Ch'Chyu^ | 「Chyu^」と複合したもの。文のとても強い強調を表す。(若者言葉も参照) | Ch'Chyu^ yipayaqin D guyipa | 偉大なる神よ |
文対象語
ピロリ語における文対象語(tarugemei)は、主言によって作られ、文を成り立たせる基本的な成分の一つである。目的語として用いられる。
文叙述語の前に置かれ、文型説明語を除く文頭に位置しており、文起点語で叙述されたものによる行為の対象を表す名詞とその修飾語、そして補助語によって構成される。
一説には、修飾補助詞を持たない修飾語であるとも言われている。
文叙述語
ピロリ語における文叙述語(mubumei)は、動詞によって作られ、文を成り立たせる基本的な成分の一つである。述語として用いられる。
活用形はなく、修飾補助詞や述言補助詞によって文の前後関係を作っている。目的語の後、文起点語の前に置かれ、文起点語の行為を説明する動詞とその文修飾語、そして補助語によって構成される。
文起点語
ピロリ語における文起点語(sentamei)は、主言によって作られ、文を成り立たせる基本的な成分の一つである。主語として用いられる。
文の最も後ろに位置し、ある行為を行う名詞とその修飾語、そして補助語によって構成される。
また、ピロリ語の文では、命令文などでさえ文起点語が省略されることはめったにない。これは、後述する不定菌称代名詞や四菌称代名詞の存在によるものである。
代名詞
ピロリ語における代名詞の特徴として、「一人称」や「二人称」などが、話者のピロリ菌であるという性質上「一菌称」や「二菌称」とされるというものがある。
また、一般的な代名詞(一、二、三人称)以外にも不定菌称や四菌称があり、さらに単純格や疎外格などのこの言語独自のかなり複雑な区分があることが挙げられる。
菌称
ピロリ語における不定菌称とは、疑問文などにおける疑問詞に近いものであり、ピロリ語では文型説明語によって既に文型が指定されているために、形式的に文起点語としての役割を獲得する。
また、四菌称については様々な言語でみられるが、ピロリ語においての四菌称は、促し文や命令文などにおける形式上の文起点語である。
さらに、日本語などの主語が省略されることが多い言語のピロリ語への翻訳においてはこの四菌称が多く使われる。[例文 3]また、神を示す際もしばしば使われる。
格
ピロリ語における単純格とは、いわばそれだけで主述が完結している格である。主に疑問文への返答などで使われる。[例文 4]
また、ピロリ語における疎外格とは、それに限定して叙述するときに使われる格である。近年では、これが転じて代名詞の強調に使われるなどもしている。
さらに、呼びかけの対象と返答を求める対象が同じ疑問文では文起点語としてしばしば使われる。[例文 5]
代名詞の一覧
単数 | 複数 | ||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
主格 | 所有格 | 所有代名詞 | 単純格 | 疎外格 | 主格 | 所有格 | 所有代名詞 | 単純格 | 疎外格 | ||
一菌称 | pi | pihi | pihipi | piri | pirikin | piro | pirohi | pirohipi | pirori | pirorikin[15] | |
二菌称 | pu | puhu | puhupu | puru | purukin | puo | puohu | puohupu | puoru | puorukin | |
三菌称 | 男性 | pe | pehe | pehepe | pere | perekin | peo | peohe | peohepe | peore | peorekin |
女性 | po | pohe | pohepo | pore | porekin | poro | porohe | porohepo | porore | pororekin | |
中性 | pa | pahe | pahepa | pare | parekin | pao | paohe | paohepa | paore | paorekin | |
生物 | ha | hae | haea | hare | piharecin | hao | haoe | haoea | haore | haorecin[16] | |
物体 | fa | fahe | fahefa | pifare | pifaresin | fao | faohe | faohefa | pifaore | pifaoresin | |
不定菌称 | wi | wifa | wifawi | wifari | wifarizin | wio | wiofa | wiofawi | wiofari | wiofarizin | |
四菌称 | yipa | yifa | yifaya | yipaya | yipayaqin | yipao | yifao | yifaoya | yipaoya | yipaoyaqin |
文接続語
ピロリ語における文接続語(kognjagnkumei)は、前の文とその文の関係を表す、文の成分の一つである。接続語として用いられる。
かなり数が少なく、一種類につき一つ程度しか存在しない。品詞分類においては、常に文接続語となる品詞を接続詞としている。
種類 | 接続詞 | 概要 | 例文 | |
---|---|---|---|---|
ピロリ語 | 日本語 | |||
順接 | zeafoyote | 前の文脈の結果である後の文脈を導く。 | omo pi zeafoyote piri | 我思う、ゆえに我あり。 |
逆接 | batosika | 前の文脈と相反する後の文脈を導く。 | Ko^ rimonisa ' monisa D toimu batosika da^kai D ruba | 今朝は、朝なのに暗かった。 |
選択 | oramata | 述べた事柄から一つを選択する | dowiChyo^ guyi ' hanawa^ zii'K oramata DaNGo mogu | 花を見ることと団子を食べることのどちらがいいのだろうか。 |
並立 | andoyobi | 述べた事柄が対等であることを表す。 | Ch'Chya^ buringuru mesibako andoyobi mizututu yipao | 弁当および水筒を持ってきてください。 |
添加 | orusarani | 述べた事柄に別の事柄を付け加える。 | Ko^ we^n pi orusarani beti V sasugu e pi | 私は泣いた。さらに、ハチに刺された。 |
説明 | bikonode | 述べた事柄を詳しく説明する。 | miya peto wu pi bikonode miya D kiyuwaii | 私はネコが飼いたい。なぜなら、かわいいからだ。 |
kuseputada | 述べた事柄の例外を示す。 | Chye^ mubu ^ haorecin raisu pi kuseputada miya raisu pi | 私は動物が嫌いだ。ただし、ネコは好きだ。 | |
例示 | tatoigizan | 述べた事柄の例を出す。 | hanawa raisu pi tatoigazan SaKuRa | 私は花が好きだ。例えば、サクラだ。 |
転換 | baizasate | 述べた事柄から異なる話題に転換する。 | Ko^ fesuti D jiyota'K baizasate Sa^ asu S gaku^ru go i pi | お祭りは楽しかった。そういえば、明日は学校だ。 |
文修飾語
ピロリ語における文修飾語(modhifaimei)は、主言によって作られ、述言や主言などをより詳しく説明する文の成分の一つである。修飾語として用いられる。
述言を修飾するときは前置修飾、主言を修飾するときは後置修飾となる。また、文修飾語は単独で被修飾語を修飾することはできず、修飾補助語による修飾補助を受けなければならない。
補助語
ピロリ語における補助語(herukumei)とは、修飾語による修飾や述言を補助し、意味を付け足す文の成分の一つである。日本語における格助詞に近い。
大きく分けて、修飾語による修飾を補助する修飾補助語、述言を補助する述言補助語が存在する。
修飾補助語
ピロリ語における修飾補助語(modhifa ^ herukumei)は、述言や主言またはそれ自体を修飾し、対象や起点などの意味を付け加える際に、修飾語と述言や主言をつなぐ補助のために使われる言葉である。
品詞分類においては、修飾補助詞の中でも述言修飾補助語としてのみ用いられる品詞を述言修飾補助詞とし、主言修飾補助詞としてのみ用いられる品詞を主言修飾補助詞としている。
また、主言修飾補助詞「D」は修飾補助詞の中でもかなり特殊で、疑似的なCS文型を作り出すことができる。さらに、名詞をひとまとまりにすることもできる。[例文 6]
種類 | 修飾補助詞 | 概要 | 例文 | |
---|---|---|---|---|
ピロリ語 | 日本語 | |||
述言修飾補助詞 | N | 述言自体を修飾する補助になる。 | jiyota'K N iyei pi | 私は楽しく遊ぶ。 |
T | 述言を共に行う菌(人物)の修飾の補助となる。 | pu T iyei pi | 私はあなたと遊ぶ。 | |
B | 述言において使用したものの修飾の補助となる。 | piko B iyei pi | 私はゲームで遊ぶ。 | |
H | 述言における対象の修飾の補助となる。 | pu H iyei pi | 私はあなたに遊んであげる。 | |
F | 述言における目的の修飾の補助となる。 | pu F iyei pi | 私はあなたのために遊ぶ。 | |
V | 述言における起点の修飾の補助となる。 | pu V iyei pi | 私はあなたによって遊ぶ。 | |
S | 述言における時間の修飾の補助となる。 | Sa^ monisa S iyei pi | 私は明日の朝に遊ぶだろう。 | |
P | 述言における場所の修飾の補助となる。 | ko^ku P iyei pi | 私は公園で遊ぶ。 | |
K | 述言を形式的に名詞化する。 | iyei'K wi pi | 私は遊びをする。 | |
主言修飾補助詞 | gN | 主言自体を修飾する補助になる | Na^ miya gN wuwugu peto pi | 私は大きい猫を飼っている。 |
M | 主言における所有者の修飾の補助となる。 | Na^ miya M pi peto pi | 私は私の猫を飼っている。 | |
Y | 主言における目的の修飾の補助となる。 | miya pei'K Y pu wi pi | 私はあなたのための猫の購入をした。 | |
G | 主言における起点の修飾の補助となる。 | miya pei'K G pu sariga pi | 私はあなたによる猫の購入に感謝する。 | |
D | 主言の識別の修飾の補助となる。 | miya D rere | あの猫。(あれは猫だ。) | |
Ch | 補助修飾詞の強調の修飾の補助となる。 | miya ChD rere | あの猫!(あれは猫だ!。) | |
J | 補助修飾詞の打ち消しの修飾の補助となる。 | miya JD rere | あの猫でなし(あれは猫ではない。)[17] | |
R | 主言の並立(どちらか一方)の修飾の補助となる。 | miya R wagn peto wu pi | 私は猫か犬を飼いたい。 | |
W | 主言の並立(どちらも)の修飾の補助となる。 | miya W wagn peto wu pi | 私は猫と犬を飼いたい。 | |
Z | 主言の類似の修飾の補助となる。 | miwa Z wagn peto wu pi | 私は犬のような猫を飼いたい。 |
述言補助語
ピロリ語における述言補助語(aukusaqi ^ herukumei)とは、述言を補助し、希望や可能などの意味を付け加える言葉。
日本語における助動詞と類似しているが、他のピロリ語の成分と同様に活用形はない。品詞分類においては、述言補助語としてのみ用いられる品詞を述言補助詞としている。
また、述言補助詞「wi」は、基本的には省略されるが、主に名詞の動詞化などに使われる。
述言補助詞 | 概要 | 例文 | |
---|---|---|---|
ピロリ語 | 日本語 | ||
wi | 基本的な述言補助詞。基本的に省略される。 | gu^'K wi pi | 私は就寝する。 |
wu | 希望を表す述言補助詞。 | gu^ wu pi | 私は寝たい。 |
we | 可能を表す述言補助詞。 | gu^ we pi | 私は寝られる。 |
wo | 使役を表す述言補助詞。 | pu H gu^ wo pi | 私はあなたを寝させる。 |
wa | 推量を表す述言補助詞。 | gu^ wa pu | あなたは寝るだろう。 |
i | 当然を表す述言補助詞。 | gu^ i pu | あなたは寝るべきだ。 |
u | 打消を表す述言補助詞。 | gu^'K u wi pu | あなたは就寝しない。 |
e | 受身を表す述言補助詞。 | gu^ e pi | 私は寝かされた。 |
o | 伝聞を表す述言補助詞。 | gu^ o pe | 彼は寝たらしい。 |
a | 勧誘を表す述言補助詞。 | gu^ a pu[18] | あなたも寝ませんか? |
文独立語
ピロリ語における文独立語(isoratemei)とは、他の部分との係り受けがなく、孤立している文の成分の一つである。独立語として用いられる。
ピロリ語に文独立語はほとんど存在していない。これは、ピロリ語における他の語との関係性のない語の位置が定まっておらず、文独立語を文中に設けにくいからである。
ただし、感嘆などを表す言葉は少しではあるが語彙として存在している。[例文 7]品詞分類においては、文独立語としてのみ用いられる品詞を独立詞としている。
品詞体系
ピロリ語では、活用する言葉が存在しないため、品詞分類は品詞の文中の位置によって決まる。
基本的には、ピロリベド(piroribedo)とピロソーバド(piroso^bado)のどちらで表記するかによって、前者なら代表語(bedomei)、後者なら単純語(badomei)とする。
なお、ピロリ語では、単純語の後に修飾語や補助語をつけ足して文法的な役割などを表すため、言語類型論上は膠着語に分類される。
代表語
代表語のうち、文の先頭に位置するものを文型説明語(ekusupumei)とし、その中でも時間を説明するものを時間説明語(toimu ^ ekusupumei)、
文の種類を説明するものを文係説明語(senbun ^ ekusupumei)とする。時間説明語になるもののうち、過去について説明するものを過去説明詞(ko ^ ekusupumeyayi)、
未来について説明するものを未来説明詞(sa ^ ekusupumeyayi)とし、現在について説明するものを現在説明詞(na ^ ekusupumeyayi)とする。また、文係説明語になるもののうち、
疑問文であることを表すものを疑問説明詞(chyo ^ ekusupumeyayi)、それ以外のことを表すものを文係説明詞(senbun ^ ekusupumeyayi)とする。
一方、文の先頭に位置しないものを補助語(herukumei)とし、その中でも修飾語と被修飾語をつなぐものを修飾補助語(modhifa ^ herukumei)、
述言を補助するものを述言補助語(aukusaqu ^ herukumei)とする。修飾補助語になるもののうち、述言が被修飾語となるものを述言修飾補助詞(aukusaqu ^ modhifa ^ herukumeyayi)とし、
主言が被修飾語となるものを主言修飾補助詞(aubane ^ modhifa ^ herukumeyayi)とする。また、述言補助語になるものを述言補助詞(aukusaqu ^ herukumeyayi)とする。[19]
単純語
単純語のうち、文起点語や文対象語になれるものを名詞(baneyayi)とする。そのうち、文起点語である名詞を起点詞(senta ^ baneyayi)、
文修飾語である名詞を修飾名詞(modhifa ^ baneyayi)とする。起点詞には、代名詞(purono ^ baneyayi)や数詞(figiya ^ baneyayi)も含まれる。
また、文叙述語や文対象語になれるものを動詞(kusaquyi)とし、そのうち、文叙述語である動詞を叙述詞(mubu ^ kusaquyi)、文修飾語である動詞を修飾動詞(modhifa ^ kusaquyi)とする。
さらに、常に文接続語となるものを接続詞(kognjagnkumeyayi)、常に文独立語となるものを独立詞(isoratemeyayi)とする。
このとき、文起点語や文対象語になれるものをまとめて主言(aubane)とし、文叙述語になれるものをまとめて述言(aukusaqu)とする。
語彙
語彙の量
ピロリ語は、発生したのが胃の中であるという特性上、語彙が比較的少ない言語である。さらに、そのほとんどが先述の通り日本語や英語などからの借用語と考えられるため、
ピロリ語特有の語彙というものは限りなく少ない。[20]
また、分野別にみると、最も多い語彙は人体についてのものだった。これは、ヘリコバクターピロリは胃の中におり、人体は人類にとっての自然環境のように、
とても身近で重要なものであるからだと考えられている。
さらに、品詞別にみると、最も多くの語彙がある品詞は、他と大差をつけて名詞であった。これは、ピロリ語の言葉の修飾に、修飾補助詞によって名詞も使うことができ、また、
述言補助詞によって名詞の動詞化も可能であるため、ピロリ語は名詞の役割が比較的大きい言語であるからだと考えられている。
また、ピロリ語の接頭辞には、基本的に日本語ではなく英語からの借用が使われる。これは、英語の接頭辞の方が文字数が少なく、より使いやすかったからだといわれている。[例文 8]
語種
ピロリ語の語彙をその出自から分類すると、大きく分けて、ピロリ語特有の語彙である原語(mei M pirorikin)と他の言語から取り入れた語彙である外語(mei M wiofarizin)となる。
外語は更に一つの言語から取り入れた語彙である単外語(egn ^ mei M wiofarizin)[例文 9]と、複数の言語から取り入れた語彙である複外語(repi ^ mei M wiofarizin)[例文 10]に分けることができる。
原語は数こそ少ないものの、ピロリ語の中心であり、文法上で多く使われる。また、もともとは外語だったものが変化して原語になることもある。[例文 11]
外語はピロリ語の語彙のほとんどを占めており、ピロリ語を形成している。近年では、日本語や英語だけでなく中国語[例文 12]や皇語[例文 13]からの借用も目立ち始めている。
語彙体系
ここでは、ピロリ語における語彙体系の例として、指示語、数、色彩、親族、音に関しての語彙を挙げる。
指示語の語彙
ピロリ語の指示語は、近称、中称、遠称、不定称、普遍称からなる。
事物 | 時間 | 場所 | 方向 | 菌(人物) | 様子 | |||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
ピロリ語 | 日本語 | ピロリ語 | 日本語 | ピロリ語 | 日本語 | ピロリ語[21] | 日本語 | ピロリ語[22] | 日本語 | ピロリ語[23] | 日本語 | |
近称 | riri | これ、この | riya | このとき | riba | ここ | ridowi | こちら、こっち | rida | この菌(人物) | riwa | このような |
中称 | ruru | それ、その | ruya | そのとき | ruba | そこ | rudowi | そちら、そっち | ruda | その菌(人物) | ruwa | そのような |
遠称 | rere | あれ、あの | reya | あのとき | reba | あそこ | redowi | あちら、あっち | reda | あの菌(人物) | rewa | あのような |
不定称 | roro | どれ、どの | roya | どのとき | roba | どこ | rodowi | どちら、どっち | roda | どの菌(人物) | rowa | どのような |
普遍称 | yarayi | かれ、かの | yarawa | かのとき | yarava | かしこ | yarata' | (かつ) | yarata | かの菌(人物) | yaraa | かのような |
数の語彙
ピロリ語では、人語において手の指などから成り立った数の数え方があるように、8本の鞭毛と1つの体(細胞)、そして胃から成り立つ数の語彙を持つ。
なお、ピロリ語に「0」は存在しない。[24]また、「11」などを表す際は、そのまま「egnmou ^ egnmou」(または「egn ^ egn」)となる。
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
数詞 | egnmou | regnmou | wegnmou | pegnmou | hegnmou | fegnmou | vegnmou | begnmou | pirorou | ipirorou |
省略形 | egn | regn | wegn | pegn | hegn | fegn | vegn | begn | pi | ipi |
色の語彙
ピロリ語では、色の語彙が「kaiyou(赤色)」と「gagn(紫色)」、そして「rodhurarata(黒色)」しか存在しない。
これは、胃の中という閉鎖的な環境において、確認できる色が極めて少ないためだと考えられる。
親族語彙
ピロリ語では、親族語彙が「mae(親)」と「a'to(子)」しか存在しない。
これは、ヘリコバクターピロリは無性生殖を行うため、そもそも家族関係たるものが存在しないからだと考えられる。
音象徴語彙
ピロリ語では、音象徴語彙(オノマトペ)はかなりの数が存在している。特に、擬態語が擬音語に比べて多い。
これは、語彙のもととなった言語の一つである日本語における音象徴語彙がかなり多い部類であったことと、ヘリコバクターピロリは先述の通り胃の中という閉鎖的環境にいるため、
聞こえてくる音も少なかったことによって、擬音語が少なくなり、相対的に擬態語が増加したからだと考えられている。
表記
ピロリ語では、先述した通りピロリベド(piroribedo)とピロソーバド(piroso^bado)という二つの文字が存在し、品詞によって使い分けをしている。
字種
ピロリベド、ピロソーバドでそれぞれ114種類の文字と2種類の補助符号ずつ、合計して228種類の文字と4種類の補助符号が使われる。
長音補助符号(^)は、主に長音を表し、単独で表記することでハイフンと同様に複数の言葉をつなぐ効果を、促音補助符号(')は、主に促音を表し、単独で表記することで句点やカンマ等と同様に文を分ける効果を持つ。
ピロリベドは、韓国のハングル文字に酷似しており、これは字の成り立ちに因るものだと言われている。また、ピロソーバドは日本のひらがなとアルファベットの筆記体を複合させたような見た目である。
さらに、ピロソーバドにおいては偏と旁で構成された漢字のような形の字も多く、「J」段や「V」段はとくに繞や垂に類似している。[25]
また、ピロリ語の文字の特徴として、素性文字であるため、非通常子音部がある文字以外の読み方を容易く理解できることも挙げられる。
さらに、前述した通り、ピロリ語の文字にはまだ文字コードが定められていないため、ワープロなどでのピロリ語の表記が難しい。このため、ピロリ=アルファベット表記たるものが存在する。[26]
しかし、この表記方法には問題も多く、例えば「cha」と表記された文字の読み方が「チャ」ではなくむしろ「トゥラ」に近いなど、[14]特に発音に関する弊害がかなり多いことが分かっている。
字形
ピロリ語の字は、5つの母音「A」「I」「U」「E」「O」の固有の形にそれぞれ19の子音の固有の形を繋げたような形になっている。
「K」「S」「T」「N」「H」「M」「R」段は固有の形が母音の上部に繋がったような形をしており、これらをまとめて通常子音部(a'tomei gN nomaru)とする。
また、「G」段は「T」段の、「Z」「J」「Ch」段は「S」段の、「D」段は「T」段の、「P」「F」「V」段は「H」段の左側に繋がったような形をしており、
これらをまとめて特殊子音部(a'tomei gN rea)とする。また、「Y」「W」段は完全に不規則な固有の形を持っており、これらをまとめて非通常子音部(a'tomei JgN nomaru)とする。[27]
なお、「A」「I」「U」「E」「O」に関しては単に母音部(maemei)とされる。[28]
(左がピロリベド、右がピロソーバド)
なお、ここに記載されているものはあくまでピロリ=アルファベット表記の基本原則であり、例外的に異なる読み方をすることもある。[29]
表記
ピロソーバドに関しては、筆記体のように文字をつなげて書くことがある。しかし、近年では読みやすさが重視される傾向に基づき、あまり姿を見せなくなった。[30]
ピロリ語は基本的に左から右への横書きで表記され、縦書きで表記されることはめったにない。また、他の言語と同じように口語のみの表現もある。[31]
文体
敬語
ピロリ語では、普通体と丁寧体の区別などがなく、敬語などの待遇表現も存在しない。しかし、公的な場などにおいては、補助語の代わりに、文型説明語をより多く用いることがある。
また、神への祈祷[32]などには全文をピロリベドで表記した文が使われたり、友や家族などの親しい間柄の菌(人物)に手紙を出すときなどは全文をピロソーバドで表記したりすることもあり、
もはや既に上下での待遇表現はピロリ語に発生しているのではないかという考えもある。また、相手を敬うための表現[33]は、現在は神などの非現実的で宗教的な事物にしか使われていないが、
近いうちにこれが発展して、目上の菌(人物)に対する敬語などが発生する可能性は十分にあるとみられている。
若者のピロリ語
新参のピロリ語話者数は、近年において莫大に増加している。これによって、近年ではピロリ語においても若者言葉たるものが目立ち始めている。
若者言葉
日本語における「ら抜き言葉」のような若者による言葉の乱れと同様に、ピロリ語にも若者による砕けた表現が存在している。(脚注等を参照)
しかし、ピロリ語にまっとうな待遇表現がないことからも窺えるように、「失礼」というような概念がピロリ語には欠けているため、全くもって問題にはされていない。[34]
例外として、「Ch'Chyu(強い強調の文係説明詞)」は、本来神への祈祷[32]などの、かなり限定的かつ宗教的な状況でしか使われない言葉だが、
若者言葉において、普通の強調と同様に使われることが増えてきている。これに対して、敬虔なその宗教の信者たちは強い非難を浴びせている。
また、インターネット上においてはピロリ語の独自のスラングなども若者によって生み出されている。[35]
若者の表記
若者は、ピロリ語の文字の表記においても独特のものを使うことがある。例えば、本来直線的な文字であるピロリベドを曲線的に書いたり、逆に曲線的な文字であるピロソーバドを直線的に書いたりなど、
字を意図的に崩したものが多く使われる。さらに、近年では日本語における顔文字のように、文字を組み合わせたアスキーアートのようなものもインターネット上で流行している。
また、とりわけ顔文字に関しては、縦書きであることや、2バイト文字が使われるなど、日本語におけるそれと類似点が多い。これには、先述した通り、日本語との深い関わりがあるからだとされる。
歴史
発生
ピロリ語という言語体系自体は、ヘリコバクターピロリがもとから所持していたと考えられており、人類の言語が発生する前から存在したという可能性も否定できない。
ピロリ語が発生した原因は、やはり胃内でのヘリコバクターピロリ同士での交流のためだったと考えられる。この辺りは、言語学における言語の起源にも深くかかわってくる。
先述した通り、ヘリコバクターピロリは胃の中という閉鎖的環境から独自の言語を生み出したことから、人間の言語の発生について考えることにもその理由が応用できる可能性はある。
外語の登場
ピロリ語が人類の言語が発生する前から存在したとすると、ピロリ語は宿主である人類の言語の発達とともに発達してきたと考えられる。
ヘリコバクターピロリは、胃の中という極めて存在するものが少ない場所に生息しているため、外の存在について知ることができなかった。
しかしながら、人類の言語が発達したことによって、胃の外の存在を、その人類の言語によって知られるようになった。このときピロリ語に発生したのが外語である。
発展
外語の登場によって、ピロリ語は大きく発展した。単純に語彙が莫大に増えたことも要因の一つだが、最も大きな要因は未知の言葉を知ったことによって、文法を根本的に見直す必要があったからだ。
例えば、過去について言及している文は、当時のピロリ語には翻訳できなかった。このため、このごろに時間説明語などの文型説明語が発生したとみられている。
このように、翻訳できないものをピロリ語に追加するというような形でピロリ語の文法は発展していき、現在の形に近づいていったとみられている。
人間による発見
この頃、人間によってピロリ語が発見された。誰に、また、どうやって発見されたのかは不明である。
当初、このピロリ語が発見されたときには、「ピロリ菌のような脳さえ持たない細菌ごときが言語など持てるはずがない」「そもそもピロリ菌は音を発することさえできないのに、喋るはずがない」
などといった批判が続出した。しかし、現在、ピロリ語の存在は広く認められており、誰もこのように魯鈍で愚昧な疑問を抱かない。なぜこのように人々の意識が変化したのかは不明である。
現在
現在では、先述した通り日本語や英語以外にも様々な言語の語彙を外語として取り入れてきており、今後も現在までの発展と同じように、さらなる発展が見込まれている。
また、言語学者によるピロリ語の研究も盛んに行われているため、人類の言語においても言語の起源が解明される可能性があり、つまるところ、人類の言語がさらに発展する可能性があるということだ。
人類の言語とピロリ語は相互に影響しあって発展していく。これからもそれは言語における揺るぎない枢軸として、我々のコミュニケーションを支えていくだろう。
脚注
注釈
- ↑ 直訳すると、「私たちだけの言語」となる。
- ↑ ただし、句点と同様の働きをする促音補助符号たるものが存在する。詳細は字種節を参照。
- ↑ 疑問文のときは文の後ろでイントネーションが上がる、など。
- ↑ 不定菌称や四菌称があるためである。詳細は文法節を参照。
- ↑ ただし、固有名詞の表記に関して、ピロリ=アルファベット表記においてはシングルクォーテーション(’)で囲って強調するのが一般的になっている。
- ↑ ピロリ=アルファベット表記では、大文字をピロリベド、小文字をピロソーバドとする。また、長音を「^」、促音を「'」で表す。
- ↑ なお、ピロリべド「ch」と「gn」のピロリ=アルファベット表記では、両方とも大文字にするのではなく、慣用として「Ch」、「gN」という特殊な形で表記する。
- ↑ 本項で用いているピロリ=アルファベット表記では、軟口蓋音の方を「n」、硬口蓋音の方を「gn」としている。
- ↑ 「jiyota(楽しむ)」の「ji」など。
- ↑ ピロリ語においては「半子音の語」を意味する「a'tomei gN harufhu」が使われるため、日本語の文献においても「半母音」でなく「半子音」に統一される傾向にあり、本項もそれに従うものとする。
- ↑ 詳細には、「い」のような完全な張唇でありながら、「う」 のように後舌の狭母音であるということ。非円唇後舌狭母音も参照。
- ↑ 母音に接続したときには半子音とも呼ばれる。
- ↑ 日本語の例では、他にも「ち([ti̠]でなく[ʨi̠])」や「ふ([hu̜]でなく[ɸu̜])」等が挙げられる。
- ↑ 14.0 14.1 文字の読み方の詳細は音韻節を参照。
- ↑ 「ピロリ菌」という言葉は、ピロリ語における一人称複数外格代名詞「pirorikin」からきていると考えられている。
- ↑ とりわけ人間に対しては、「hitorecin」なども使われる。
- ↑ この表現は差別用語として広く使われるので注意すること。「Chye miya D rere」のように否定の文型説明語を使うのが望ましい。
- ↑ 四菌称を用いて、gu^ a yipa(寝ませんか?)とすることもできる。
- ↑ 用言補助詞はピロソーバドによって表記されるが、慣習によって代表語とされている。
- ↑ 文法上で使われる語彙に限っては固有のものが多くを占め、存在している。
- ↑ 砕けた表現として、「dowi」の代わりに「duri」を使うこともある。このとき、普遍称は「yarataya」になる。
- ↑ 砕けた表現として、「da」の代わりに「dagn」を使うこともある。このとき、普遍称は「yaratagn」となる。
- ↑ 砕けた表現として、「wa」の代わりに「na」を使うこともある。このとき、普遍称は変わらない。
- ↑ このため、「20」などを表すときは、「regnmouipirorou」(または「regnipi」)のように、長音補助符号を用いないで十の位の数詞と「ipirorou」をつなげる。
- ↑ 漢字の構成要素も参照。
- ↑ 先述した通り、本項でもピロリ=アルファベット表記を用いて解説している。
- ↑ 「Y」と「W」の半子音であるという性質上、半子音部(a'tomei gN harufhu)と呼ばれることもある。
- ↑ なお、ごくまれにこちらを通常母音部(maemei gN nomaru)とし、先述した非通常子音部を特殊母音部(maemei gN rea)とすることがある。
- ↑ 「ki」の文字を「qi」と読むなど。詳細はモーラ節を参照。
- ↑ ピロリ語の特性上、英語などの筆記体の衰退も影響していると考えられる。
- ↑ 手段についての疑問文の文係説明語で「dowiChyo」を使うなど。
- ↑ 32.0 32.1 ヘリコバクターピロリは独自の宗教を持つことが明らかになっているが、詳細は未だ解明されていない。
- ↑ 敬語に近しいものの、まだまっとうで正しいものではないとされている。
- ↑ 差別用語などの侮辱語は存在するため、ピロリ語では皮肉や失礼な表現というよりも、さらに攻撃的な言葉だけが発展してきたとみられている。
- ↑ pyLoL(滑稽で、愉快であるさまを揶揄するスラング)など。
例文
- ↑ miya D rere(あれは猫だ/第三文型)―miya D rere pet wu pi(あの猫を飼いたい/第一文型)
- ↑ Sa^ asu S pi T ya pe(彼は明日、私と会う。)
- ↑ とても早く走った(日本語)→Ko^ beri hasu N da' yipa(ピロリ語)
- ↑ Chyo^ jiyota pu(楽しい?)―piri(うん!楽しい!)
- ↑ baChyo^ go purukin(あなた、どこへ行くのですか。)
- ↑ iign D hitorecin D piro(私たち人間は賢い)
- ↑ u sadota pi(ああ、悲しい…)
- ↑ 英語の「re(再び~する)」を借用して、「rigiko」(作り直す)など。
- ↑ mogu(食べる:日本語の「もぐもぐ」から)やberi(とても:英語の「very」から)など。
- ↑ zeafoyote(ゆえに:英語の「therefore」と日本語の「よって」から)
- ↑ aukusaqu(述言)はjutugo(述語)がsutuguを経て変化したものである。
- ↑ sianasiagn(パンダ)など。
- ↑ arabiki(ウインナー)など。
外部リンク
音韻に関する外部リンク一覧
- 無声軟口蓋破裂音
- 無声歯茎摩擦音
- 無声歯茎破裂音
- 無声声門摩擦音
- 両唇鼻音
- そり舌はじき音
- 有声軟口蓋破裂音
- 有声歯茎摩擦音
- 有声歯茎硬口蓋破擦音
- 無声そり舌破裂音
- 有声歯茎たたき音およびはじき音
- 有声歯茎破裂音
- 有声両唇破裂音
Ch'Chyu^ yipayaqin D guyipa Ch'Chyu^ yipayaqin D guyipa Ch'Chyu^ yipayaqin D guyipa
Ch'Chyu^ yipayaqin M pirorikin Quarapurapu D yarayi Ch'Chyu Ko^ ranguba pirorikin H buringuru yipayaqin orusarani Ch'Chyu Ko^ omo'K M hitorecin rigiko yipayaqin
Ch'Chyu^ yipayaqin D guyipa Ch'Chyu^ yipayaqin D guyipa Ch'Chyu^ yipayaqin D guyipa