冷蔵庫の二者択一

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冷蔵庫の二者択一とは、冷蔵庫研究において二つの異なる意味を持つ専門用語「冷蔵庫の臨界点」について、どちらの意味の方を正式なものとするべきかという問題、

およびそれに関する一連の議論のことである。

概要

この議論は、1976年に発表された後述する仮説の中で、それまで冷蔵庫の期待超過性の破れについて用いられていた「冷蔵庫の臨界点」という語が、

冷蔵庫が反冷する過程における内外の逆転という全く別の概念について用いられたことをきっかけとして始まったものである。

今もなお続いているほどまでにこの問題が解決しづらくなってしまった原因としては、まだ冷蔵庫に関する研究の規模が小さく言葉もあまり厳密には定義されていなかったところから、

ニ・零零事件を通じて露見した冷蔵庫の期待超過性の発見というそれまでの物理学の法則を逸脱したセンセーショナルな出来事が研究者らの間に急速に拡散したことによって、

この分野は成熟する暇もなく巨大な規模を抱えることになり、その結果「冷蔵庫の臨界点」がどちらの意味でも広く使われるようになってしまったため、というものがしばしば挙げられている。

歴史

冷蔵庫の期待超過性の発見

日本国における冷蔵庫の普及率が向上してきた1965年ごろ、国立弥原大学の生徒であった冷蔵庫愛好家の荏原進は、常日頃からこう考えていた。

冷蔵庫って、なんか思ったよりも結構いっぱい入るよな…

彼は検証に検証を重ね、ついに「冷蔵庫の期待超過性(hyper-expectance of refrigerator)」についてのレポートを執筆し、

同氏が所属していた物理学部の掲示板に無断で掲載した。その「冷蔵庫の容積に対するいかなる予想、たとえば計算の試みによる結果、

これはことごとく実際の冷蔵庫の容積に超過される」というようなあまりに突飛な内容のために、当初、これは全くもって誰にも相手にされていなかった。

しかしながら、当時の物理学部教授であった田中零蔵が、これを否定するためにレポートのものと同じまたは似た条件のもとに何度か実験をしてみたところ、

その全てから実際に「期待超過性」を裏付けるようなデータが出てしまった事から事態は一変する。

弥原大学物理学部では冷蔵庫に関する研究が一躍盛んに行われるようになり、少なくとも「期待超過性」たる現象が見られる事実は完全に首肯されることとなった。

このころ、ある閾値を超えた予想には期待超過性が適用されないという「冷蔵庫の期待超過性の破れ」が田中零蔵によって発見され、その値は物理学部一般に「冷蔵庫の臨界点」と呼ばれるようになった。

なお、これらの研究やその成果は傍から見ればあまりに突飛なものであり、実際にこの現象の科学的解析はほとんど進んでいなかっため、研究は閉鎖的に行われ、この頃はまだ正式に公開されるなどということは無かった。

コズミカリフリッジ仮説

いっぽう、生物学者の遠藤真沙子は、マイクロ・ベジタブルの発生について、適切なオブジェクト配置がなされたベント=ウバコから自然発生するのではなく、

そこに空気中の「マイクロベジタブル素」なる粒子が付着して培養されることであたかも自然発生しているように見えている、ということを主張していた。

実際にそのような粒子が空気中に観測されたことから、この説は大きな支持を集めたが、ベント=ウバコを密閉してもマイクロ・ベジタブルが発生するという指摘も多く見られていた。

時を経て、1976年、弥原大学物理学部に所属していた榊原康夫は「コズミカリフリッジ仮説(cosmicalefrigie hypothesis)」を提唱した。

この説では、まず「反転冷蔵庫」という概念の導入がなされた。これはいわば表裏が反転している仮想の冷蔵庫であり、「反冷」、つまりその内側と外側が反転している状態にある。

このため、ある宇宙はそれが包含する、ある反転冷蔵庫の内側となっており、つまりこれに包含されているといえる、というものである。

次に、ダークマター、およびダークエネルギーによるものと考えられている宇宙の膨張に関して、これらの正体はそれぞれマイクロベジタブル素のまた素となる「微小野菜素粒子」、

そしてそれが反転冷蔵庫の内側で増加し、それに物理法則という人間の無意識の予想行為が結びつくことではたらく期待超過性による、反転冷蔵庫の容積、すなわち宇宙の大きさが予想を超過するという現象、であるとした。

微小野菜素粒子の正体は専ら「アクシオン」というダークマターとの関連が疑われている未発見の素粒子であるとされ、

これによってマイクロ・ベジタブルが密閉されたベント=ウバコ内でも発生することを、ベント=ウバコを通り抜けた微小野菜素粒子がその内部でマイクロベジタブル素を形成しているという形で説明できることになった。

さらに、宇宙の膨張についても、この微小野菜素粒子と冷蔵庫の期待超過性のみで説明できるため、この仮説は一躍盛んに議論されることとなる。

しかしながら、この仮説の問題点として、まず微小野菜素粒子の増加の原因たりえる何かが科学的に存在するように思えないことや、

そもそも微小野菜素粒子すなわちアクシオンが実在するかどうかさえ不明であるということから、机上の空論、神頼みのトンデモ論として批判を受けることも多く見うけられた。

なお、このとき、反冷における閾値が「冷蔵庫の臨界点」として呼称されたことが、前述の通り冷蔵庫の二者択一の火種となった。

ニラ零細素片人工降雨禁止令事件の影響

1994年頃、あのニ・零零事件の対処のために国が設置した有識者会議において、榊原康夫は弥原大学から派遣されて正式に出席を認められることとなっていた。

弥原大学としては、今まで体面を守るために断固として隠していた冷蔵庫に関する研究も、この日本国の危機、そのうえマイクロ・ベジタブルが関連している可能性の高いものとなれば、

その成果を表に出さざるを得なかったのである。実際に、榊原康夫は有識者会議においてそれらの研究をついに公にしたのであった。

しかしながら、弥原大学の当初の懸念通り、やはりこのことは馬鹿馬鹿しいと一蹴され、結局のところ遠藤真紗子が自首するまではマイクロ・ベジタブルに関連する考察すらもが行われなかった。

なお、その自首の後は一転して冷蔵庫についての研究成果が認められるようになり、有識者会議の出席者を経由して冷蔵庫に関する研究の規模は増大することとなった。

とはいえ、この研究が表沙汰にされることはなかった。あくまでもこれら一連の理論は厳密な検証もまだなされておらず、口にしたところで精神状態を疑われるようなものであったからである。

このように、比較的なものとはいえど、冷蔵庫研究の大規模化をきっかけとして、前述したように「冷蔵庫の臨界点」という語の用法がまったく二分される事態となってしまい、冷蔵庫の二者択一という問題が表面化したのであった。

微小野菜素粒子の異常な増加と第一次微小野菜素粒子抑制計画

2004年頃、天文学者や天体物理学らは皆一様に、ダークマターによる重力レンズ効果が非常に強まっていることを観測した。

これを受けて、微小野菜素粒子の空間上の濃度が高まっていることを確実視した、ニ・零零事件有識者会議に出席していた物理学者である井原英一は、微小野菜素粒子の増加について以下の二つの仮説を提唱した。

ひとつは「過多観測仮説」という、各冷蔵庫の期待超過性における「冷蔵庫の容積に対する予想」がニ・零零事件を経て大きくなった研究規模と比例して大きくなったがために、

それをすべて包含している反転冷蔵庫の容積もまたそれを超過して大きくなったとする説、そしてもう一つは、「冷蔵庫内絶対比仮説」という、

冷蔵庫の容積において微小野菜素粒子が占める割合はすべて一定になるとする説である。これら二つの説によって、微小野菜素粒子が急増した理由を説明しようとしたのだ。

なお、この理論では宇宙空間の膨張について微小野菜素粒子の増加が不可能になるという批判に対しては、その比は現実にある微小野菜素粒子によって左右されるという姿勢を取った。

しかしながら、これではなぜ増加した微小野菜素粒子が宇宙空間全域に均等に散らばるのではなく地球から観測可能な宇宙圏内に多く分布するのかについては説明できていなかった。

ともかく、このまま微小野菜素粒子が増加の一途を辿ってしまっては、やがて反転冷蔵庫における冷蔵庫の期待超過性の破れが発生し、宇宙の膨張は止まり、

そして今までそれに抑えられてきた宇宙全体の重力による宇宙の収縮が始まり、ビッグクランチが発生して宇宙は終焉を迎える、という可能性が浮上してしまうことになる。

これを回避すべく、井原英一は第一次微小野菜素粒子抑制計画を立てた。これは、流通している冷蔵庫の数を削減することで、反転冷蔵庫のそれの一部であるこれらの容積に対する予想を減らし、

これによって反転冷蔵庫の期待超過性を弱め、結果として微小野菜素粒子の増加を抑える、という計画である。

この計画をまず日本政府に打診した井原英一だったが、帰ってきた反応は非常に消極的なものだった。しかしながら、少なくともダークマターの増加傾向は確実なものであるということから、

日本政府は特別なパイプを用いてこれら一連の理論を海外の限られた研究者に提示し、意見を求めることにした。

その結果として、大抵の研究者はこれを一笑に付したものの、一部の研究者はこれらの理論に対して理解を示し、なんと実際に国際冷蔵庫研究プロジェクトが小規模ながら始動することになった。

このプロジェクトによる厳密な研究は、今まで弥原大学が行ってきた冷蔵庫に関する研究成果のほとんどが実際に正しいものであったということを証明することになり、そしてこのプロジェクトは次第に拡大していくことになる。

これによってプロジェクトの資金や設備はかなり潤沢なものとなり、ついには微小野菜素粒子そのものであるアクシオンの観測をも成功させ、冷蔵庫における各種理論の信憑性を高めることに成功した。

これを受けて、日本政府のみならず多くの国家主権が第一次微小野菜素粒子抑制計画に協力することが決定し、2005年、この計画は秘密裏に実行に移された。

なお、冷蔵庫を削減する方法としては、既に廃棄された冷蔵庫や、各国特殊部隊等の協力のもとに既に弱めの冷凍庫に置き換えられている、家電量販店や一般家庭に設置されていた冷蔵庫を、

スクラップにして完全に破壊し、そして焼却し尽くすという方法が取られた。しかしながら、冷蔵庫の製造中止を各社へ求めることは利権がらみの問題によって叶わず、

さらに公衆の混乱を避けるためにプロジェクトは極秘のうちに行わねばならなかったため、大きな行動を起こすことも難しく、 結局のところ抜本的な対策をとることはできずじまいとなった。

結果、2008年に終了したこの計画だが、一時的な宇宙の延命としては間違いなく成功を収めた。重力レンズ効果の強まりは緩和され、これによって微小野菜素粒子の増加が抑制されたことが確認されたのである。

第二次微小野菜素粒子抑制計画

第一次微小野菜素粒子抑制計画が終了した後も国際冷蔵庫研究プロジェクトは存続し、冷蔵庫の性質に関する研究を盛んに行っていた。

そして2011年、井原英一率いる研究チームは「冷蔵庫の線形連続性(linear continuity of refrigerator)」についての論文を発表した。

これは、「あらゆる冷蔵庫の中には、存在する全ての冷蔵庫と同じ数の冷蔵庫が再帰的に存在している」というような内容であり、前抑制計画以降整備されたグローバル冷蔵庫データとの照合検査も実際にこれを証明していた。

さらに、井原英一はこれと同時に2004年に提唱した観測過多仮説を誤りだとして撤回し、これを踏まえて、冷蔵庫の期待超過性が発見されてから長らく謎であり続けた微小野菜素粒子の増加の原因について、

「冷蔵庫の線形連続性によって冷蔵庫を一つ製造するだけで全冷蔵庫の数は莫大なまでに増加し、その結果反転冷蔵庫は期待超過性によって容積を増やし、冷蔵庫内絶対比によって微小野菜素粒子もまた増加する」ということ、

つまり「人類が冷蔵庫を製造していること」というものであるとする主張を行った。

この理論では、内部の冷蔵庫とそれを包含する冷蔵庫の体積比によって大きく脅威性が変動するため、その体積比が計測できていなかった当初には微々たる影響しか及ぼさないという言説が主流だったが、

その後すぐ荏原瑠偉の研究によって判明した、冷蔵庫の大部分はその内部の冷蔵庫によって占められており、冷蔵庫の臨界点と考えられてきた容積の閾値も実際には本来のそれの三割程度でしかなかった、という事実は大きな衝撃を与え、

微小野菜素粒子が観測可能な宇宙内に偏って分布することについては未だに説明できていないという不完全な理論であったにもかかわらず、各主要研究者らの強い要望によって第二次微小野菜素粒子抑制計画が始動することとなった。

しかしながら、重力レンズ効果が極めて高まっていた前抑制計画の時ほどの危機感はなかったためか、今回の計画はあまり大きくは行われず、2011年末までの成果としては、予算が増加したということほどであった。

年が明けて数か月後、予算の余裕を背景に、実に8年ぶりにアクシオン観測実験が開始された。その結果、驚くべきことに、微小野菜素粒子が2004年観測時点よりも極めて大幅に増加していたことが明らかになった。

この発見が遅れた理由としては、当時の中華人民共和国の高い経済成長によって急激に冷蔵庫の総数が増加したことによる、反転冷蔵庫の臨界点近くまで急増した微小野菜素粒子嵩の観測可能な宇宙空間内の占有が、

微小野菜素粒子の多い空間と少ない空間の斑によって発生する重力レンズ効果を抑えたというようなものが主として考えられている。

2012年の観測時点では、理論上の微小野菜素粒子の体積は既に冷蔵庫の臨界点の一歩手前に達しており、前述したように反転冷蔵庫の期待超過性の破れによるビッグクランチ即ち宇宙の終焉が起こる直前であった。

このため、第二次微小野菜素粒子抑制計画は極めて大規模に、かつ急速にその勢いを増していき、前抑制計画では達成できなかった全面的な冷蔵庫の製造の強制停止措置さえもが行われた。

しかしながら、記憶処理も活用しながら、各国が諜報機関や特殊部隊を総動員した冷蔵庫削減を焦燥の中に行ったことによって、少なかれ一般人にこの計画の一部を認識されてしまうというような事故も度々起こった。[1]

内部に再帰的に無限に存在している冷蔵庫を削減することは、当初は途方もなく無謀な行為だと思われていた。しかし、全ての普通の冷蔵庫と、ある普通の冷蔵庫の内部にある全ての冷蔵庫の個数は、完全に連動していることが途中で判明し、

つまり、冷蔵庫を一つ破壊すると、ひとつ下層の冷蔵庫、つまり各冷蔵庫の中にある冷蔵庫らの内にそれぞれ一つだけ存在する、それと連動した冷蔵庫も破壊され、そしてこれが再帰的に続いていくことによって、

ある冷蔵庫を一つ破壊しただけでも、層を跨いでいるかいないかに関わらずその冷蔵庫と連動しているすべての冷蔵庫は観測されるそばから破壊され続け、これにより考慮の必要はなくなるということであるため、実際には冷蔵庫を破壊しつくすことも可能であった。

冷蔵庫の内部構造の模式図。これは冷蔵庫のうち三つだけを考慮したものであり、連動する冷蔵庫を色によって示している。

さらに、前抑制計画と同様の破壊処理による冷蔵庫の総数の抑制だけでなく、この計画では微小野菜素粒子の直接の抑制も行われた。

これは主として、ベント=ウバコによって微小野菜素粒子をマイクロベジタブル素へと、そしてこれをマイクロ・ベジタブルへと変化させることによって、微小野菜素粒子のもとの性質を失わせることで為されていた。

これについて、特に日本政府はマスコミを掌握して日本中にコマツナ栽培ブームを起こすなどしたものの、冷蔵庫の期待超過性の破れによる宇宙壊滅をコマツナの危険性による地球壊滅の可能性によって上書きし、後回しにしただけだという批判も多くみられた。

また、新型コロナウイルスの世界的パンデミック後には、陰謀論者を誘導して、劇物である新型コロナウイルスワクチンを損なわせて効果を失わせるという名目の下、それを保管している冷蔵庫を破壊するように仕向けることなどが各地で行われた。

なお、榊原康夫はこの計画に異常なまでに強く反対しているが、榊原は重度の錯乱状態にあり、その理由に関してまともに議論ができる状況でもないがために、彼の意見は考慮されていない。

この計画は大きな成果をもたらし、実際に2021年12月現在では微小野菜素粒子嵩はほとんど考慮するまでもないようなものに、そして冷蔵庫の総数は研究用の冷蔵庫である二つだけになっている。

国際冷蔵庫研究プロジェクトは、2024年には研究用冷蔵庫のうち一つを破壊して第二次微小野菜素粒子抑制計画を終了するとしており、それまでには微小野菜素粒子は完全に抹消され、冷蔵庫はもはや一つだけになるとみられている。

収束

2024年11月14日現在、本日付で第二次微小野菜素粒子抑制計画は終えられることに決定した。

これによって宇宙規模の危機はひとまず去ることとなった。研究者たちはようやく本腰を入れて冷蔵庫の二者択一を行い、複数の意味を持ってしまっている冷蔵庫の臨界点という語句を整理することができるようになったのである。

追記: 榊原康夫が研究用冷蔵庫の中で凍死していたことが判明。自殺とみられている。[2]


出典










































現在、冷蔵庫の二者択一が行われている。