アンモク語は、主にアンモク共和国中部や北部、また東部及び西部、そして南部で、すなわち同国全域において話される言語。アンモク人の実に100%が母語話者となっており、アンモク憲法では同国の公用語と位置づけられている。言語系統は、太平洋諸語と同系統ではないかとする説が一応の地位を持っているが、未だ証明には至っていない。
文法
統語的特徴
文の構成
アンモク語はしばしば「離隔の言語 (language of segregation)」と呼ばれることがあるが、それは、語彙的意味を持たない離隔のための品詞・徒党詞と分離詞が多くの文に出現するためである。たとえば典型的な平叙文は、「動詞(句)―徒党詞―名詞句―分離符―名詞句」といった構成を持つ。すなわち、動詞と名詞句が徒党詞によって区切られ、さらに名詞句同士が分離符によって区切られるのである。
徒党詞
徒党詞は、述語と名詞句とを隔てるための単語である。より厳密には、名詞句と結びついて「徒党部」を形成し、それら名詞句を項とする述語に対して分立させる。「徒党詞」という命名は、このような統語的作用を、同年代の友人数名で閉鎖的な集団を形成し、保護者や教師と距離を置こうとするギャング・エイジの少年らに見立てたものである。
徒党詞は、その法と時制によって屈折する。現代アンモク語ではもっぱら 'geide' を用いるが、中古以前には 'aplootou' /ɑploːt̼/ なども用いられた。
直説法 | 仮定法 | 命令法 | 疑問法 | 釈迦に説法 | |
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現在時制 | geide | geides | (なし) | geidam | geidieren |
過去時制 | geidein | geiden | geidest | geides | geidiest |
未来時制 | geideit | geiden | geidest | geidem | geidieren |
直説法
直説法 (indicative) は、話者が事実をそのまま語るときに用いられる最も基本的かつ一般的な法であり、徒党詞の活用 geide (現在時制) - geidein (過去時制) - geideit (未来時制) によって表される。
- freuet geide ja.
- run GANG.IND.PRS 1SG.SBJ
- "私は走る。"(直説法現在時制)
- freuet geidein ja.
- run GANG.IND.PST 1SG.SBJ
- "私は走った"(直説法過去時制)
- freuet geideit ja.
- run GANG.IND.FUT 1SG SBJ
- "私は走るだろう。"(直説法未来時制)[注 1]
仮定法
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- (仮定法現在時制)
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- (仮定法過去時制)
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- (仮定法未来時制)
命令法
命令法 (imperative) は、その文が示す事象について、その実現を強制したいという感情を表明して命令文を作るか、またはその実現を強く願う感情を表明して願望文を作る。いずれの場合も主語が1人称になることはなく、また文末には必ず感嘆符 '!' が付される。多くの印欧語と同様に、過去時制は持たない。
命令法の文で主語を表す名詞句を省略すると、"du" または "ihr" に対する命令を表す。
- freuet geides!
- run GANG.IMP.PRS
- "走れ。"(命令法現在時制)
- freuet geides fra!
- run GANG.IMP.PRS 3SG.M.SBJ
- "走れ彼よ。/彼に走ってほしい。/彼が走りますように。"(命令法現在時制)
- freuet geiden gyswiet eu-thus kli!
- run GANG.IMP.FUT the.year.of 3-after 3SG.F.SBJ
- "彼女よ3年後に走れ。/3年後彼女に走ってほしい。/3年後彼女が走りますように。"(命令法未来時制)
疑問法
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- (疑問法現在時制)
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- (疑問法過去時制)
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- (疑問法未来時制)
釈迦に説法
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- (釈迦に説法現在時制)
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- (釈迦に説法過去時制)
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- (釈迦に説法未来時制)
動詞
アンモク語の動詞は平叙文においてたいてい最初の位置を占める要素であって(定動詞第一位)、主に動作・変化・状態・存在を表す。屈折はせず、時制や法や相などの標示を担うことはないが(それらは徒党詞の役目である)、接辞によって法性(モダリティ)を持つことができる。
文の述語となって、徒党部に格納された名詞句を項として取ることができる。項の取り方は、動作的動詞と非動作的動詞とで若干異なる。
名詞
- すべての名詞は格辞 (case particle) が付いて格を標示される
形容詞
- 名詞の前置修飾
- コピュラ文の述語
副詞
- 動詞の後置修飾
- 形容詞や他の副詞の前置修飾
- 文全体の前置修飾(?) - "Astonishingly, the girl didn't cry." の 'astonishingly' みたいなやつ
- コピュラ文の述語
脚注
注釈
- ↑ 一般に、直説法未来時制の文が表すのは、単なる未来についての予想というよりも、話者がその生起に確信を持つような未来、すなわち確定的未来への言及である。