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インドの古代文明
南アジアにおける最初の文明は、インダス川流域に分布したドラヴィダ系民族の青銅器文明・インダス文明であり、中流域パンジャーブ地方のハラッパーや、下流域シンド地方のモエンジョ=ダーロなど、計画的に建設された都市の遺跡が残されている。インダス文明の衰退後は、カイバル峠を通ってアーリヤ人がパンジャーブ地方に進入・定住した。ここから始まるのが、ヴェーダ時代である。アーリヤ人は自然崇拝を行い、その知識をヴェーダに記した。特に最古のヴェーダをリグ=ヴェーダと呼ぶ。また、ガンジス川上流域への移動以降は、肥沃な土地で農耕を行うようになったことで、階級の体系的分化が起こった。ヴァルナ制である。これによってバラモン(司祭)、クシャトリヤ(武人)、ヴァイシャ(庶民)、シュードラ(隷属民)という四つの身分と枠外の不可触民が定められ、中でもバラモンは高い権威を纏ってバラモン教を成立させた。また、ここに血統集団であるジャーティの考えが結びつくことで、カースト制度が形成されていくこととなる。