利用者:Mapilaplap/SandboxforNovels

< 利用者:Mapilaplap
3年11月28日 (来) 00:08時点におけるMapilaplap (トーク | 投稿記録)による版

 日記でも付けるか、と思い立ったのは本日、一月二十三日のことである。何でも、夜寝る前に寮の机の下で腹筋をしようと思い座り込んだ時に、偶々思いついたのだ。  日記というものは毎日コツコツつけるものであって、毎日付けてこその日記なのだが、何も隠そう私は毎日コツコツ続けるという類のものが非常に苦手である。よってこの日記が近いうちに日記とは呼べない雑文集に成り下がる恐れは十分あり得る(というか、絶対そうなる)がしかし、私は今思春期という真青に輝く宝石のような時期にあり、現在の一時一時の感情は出来るだけ丁重に扱い、後に残しておくべきであるという年相応の傲慢な考えの持ち主であるから、思い立ったが吉日ということで、机の下で膝を抱えたままケーブルが繋がったスマートフォンを開きこれを書き記している次第である。  さて、早速今日あったことを記していこう。今日は友人と遊びに行った。メインプレイスだ。十時半集合のところ、何にでも用意周到な私は九時半過ぎに到着し、その本屋でオスカーワイルドの「サロメ」を購入した。十時ごろになると啓が到着し、二人で最高に楽しい時間を過ごした。啓といるのは心の底から楽しい。まあ、クラロワをして過ごしたのだが……。その後高津達の目にビクビクしながらなべ、しほと合流し、十一時十五分から上映の映画「すずめの戸締まり」を観た。啓以外は二回目の鑑賞で、それぞれ感じるところがあったみたいだ。私は一回目より二回目の方がストーリーを踏まえた上でのギミックに気づくことが多くて、中々楽しめた。まあ、前回楽しめなかったのは尿意を極限まで我慢していたからかもしれないが……。その後お菓子を買い、LINEで偽装工作をしながら、我々四人は高津達の待つビックエコーへと向かった。そこでも私は殆どクラロワをしていてあまり歌わなかった。今考えると千円も払ったのにゲームばかりしていたことに少し後悔してる。私は喉が強い方ではないので、数曲歌っただけで声が出なくなっていたから変わらなかったのかもしれないが。  皆が十六歳になり、私も八時までカラオケができると大晦日から息巻いていたのだが、素晴らしく奇妙なタイミングで入寮してしまったため、謀らずも私には寮の門限という制約が掛かってしまっていた。よって私は優と、五時半頃にビックエコーを後にした。他愛のない話をしながらモノレールに乗り首里駅に着く。そして私は首里駅から寮までを歩いた。首里近辺というところは中々興味深い路地が多くあり、時間に少し余裕があった私は招かれるように行ったことのない路地を探索した。その散歩の間私は風景を文章になおす、という素敵で高尚な遊びをした。何ていい散歩だったろう。この一人散歩の思い出は簡単には忘れないと思う。  コンビニでビッグカツを2個買うと寮に帰り部屋に入った。電気が消されて先輩は寝ていたので、夕食を摂ってスタンドの電気で「サロメ」を読み進めた。その後先輩が起きると、私は青崎優吾の「水族館の殺人」を手に取り読み始めた。丁度裏染天馬が依頼を受けようとする最高の胸熱シーンから始まり、重厚な解決パートに圧巻されながらも二十三時を超えたくらいに読了することができた。最高の作品だった。ありがとう青崎先生。  また、散歩で汗をかいていたため風呂にも入りたかったが、忘れ物を父に持って来てもらったりと色々あった為結局入れなかった。仕方がないのでシャツを着替えて明日風呂に入ることにする。あと、その後梨木香歩の「西の魔女が死んだ」も少しだけ読んだ。本当に素敵な本だとつくづく思う。  その後時計を見た私は筋トレをして寝ようとしたのだが、前述のとおり、スマートフォンを開いてしまい、結局今は二十四日の一時になってしまっている。これからマスクを洗い、寝ようと思う。  因みに、月曜なのに何故休みかというと、それは学校で推薦入試が行われていたからだ。本来は自宅学習であった筈だが……。まあそんなことは良いか。とにかく今日は充実した1日であった。  明日は十年に一度の寒波が来るそうだ。せうが心配であるが、メールを送ったし、賢い彼のことだ、きっと大丈夫だろう。明日こそは「杪夏」の執筆もしっかりと進め、駿台に向けた勉強もし、身体を絞るための筋トレもやろうと思う。日記も書けよ!  はあ、少し調子に乗って夜更かしし過ぎてしまった。明日はちゃんと起きられるだろうか。まあ、何はともあれ――。  おやすみなさい。


 本日、一月二十四日は十年に一度の大寒波と予測されていたとおり、かなり寒くなった。明日の終わりまで冷え込み、特に昼頃には十度を下回るらしい。少し楽しみだが寒いというのは結構辛いものだ。  さて、今朝は危惧していたようには寝過ごさず、時間に間に合うように起きることができた。持ち帰り期間の連休明けで皆荷物が多かったのだが、中でもせうは(軽音部の部室が無くなってしまった為に)放課後教室でアコギを弾くために大量の教科書と共に持っていこうとしていた。しかし、流石に一人では持ち運べない量だから、私が彼のアコギを持って登校することとなった。直前まで雨が降っていて心配だったが、寮監が傘を貸してくれたお陰で何とか難を逃れることができた。教室は珍しく開いていて何人か先に来ていた人が居た。  それからは貴志やせうと話しながら、普段通りの火曜日の授業を受けた。叶と太一と映画を観に行く計画を立てた以外は、これといった出来事は起こらなかった。あ、刃牙子先生に東大に行けるって言われたっけ。これからはもっとずっと努力しなければいけない……! 放課後は啓と共にクラロワで遊んだ。彼にトロフィーの先を越された私は、彼が帰った後もトロ上げをして、割と楽に追いつくことができた。最近の自分のプレイは素晴らしく上手い気がする……。そういえばその時はるが五百円を返して来た。それなのに冷たく対応してしまったため、ちょっと後悔。申し訳ないな。  帰寮し、何事もなく部屋に戻った。ちうね先輩はやっぱり最高だ。寮で私は勉強するのかと思いきや、今日は昨日買ったオスカーワイルドの「サロメ」を読み終えた。とても美しい物語であった。戯曲を読むのは初めてのことだったが、本当に心の底から楽しむことができた。流石は耽美派の親玉だ。最高だなあ。  今日は申し訳程度の筋トレも終えて、本も読んで、普通の火曜日にしては充実した一日だったと思う。日記も書けたしね。けど明日は体育、前回腰の痛みからテストを免除されたが、再テストが明日あるかもしれない……。そのことを考えると憂鬱だ。ないことを祈る。また、ジャージのズボンも忘れてしまって、ひごしょうから貸してもらった。本当申し訳ないな……ありがとうひごしょう……。それに……。踊る曲「ロキ」らしい……。やばいね、大丈夫かな……。  そういえば、久々にこんな寒さを味わうことができたと、振り返って思う。連休前の暑さがまるで嘘のように、体温を否応なく奪っていく刃物のように冷たい風が吹き荒れていた……。指が痛くなるくらい寒かった。  もう十一時になりそうだ。まだ歯も磨いてないし、マスクも洗ってない。そういえば薬も飲んでいない。やる事が多いし、明日も早いからもう寝ることにする。では――。  おやすみなさい。

P.S.兼城と風の中、余りの寒さにはしゃぎながら走って帰った時、なかなかノスタルジックなものを感じた。私たちが切望している「青春」の壊れたかけらのようなひと時だった。きっと「青春」と言うものはこういうものなんだろうな。ここでは小説のような「青春」を送る事はできないとはなから諦めていたけれど、小説のように耽美でなくても、曲がりなりにも私の「青春」を、今私は謳歌出来ているのだろうか。  こればっかりは後にならないとわからない。三年後振り返った未来の私は、今の私の気持ちを「青春に憧れた哀れな少年のごっこ遊び」だったと嘲笑するのかもしれないし、これは「小説に負けないくらいの本当の青春」だったと感じて羨ましがってるかもしれない。若しくはその「ごっこ遊び」こそ「本当の青春」なのかもしれない。  とにかくこれは今考えても分からない事だ。なぜなら未来の私がどう思うかでそれが決定されるからだ。  まあ、せめて後悔しないように、今を一生懸命生きたい。  もう十一時十分を回った。明日は体育があるものの、学校自体は午前中授業だ。  よし、時間もあるし、汚くなってきた部屋整理整頓をしよう。風呂にも入って、勉強も筋トレも執筆も、妥協せず行うんだ。  私だけの、輝く未来の為にね。


 流石は國吉真嘉。大きな男になる男。昨日の追伸が嘘のように、本日、一月二十五日も妥協しまくりの一日であった。それに実に寒い日でもあった。  今朝はいつも通り、時間通りに布団から出て、時間通りに学校についた。それから退屈な数学の授業(いつもは二時間連続で数学なのだが、一時間目は自習であった。のぶとの娘の授業参観らしい、のぶとの娘神! ありがとう)をゲームをして潰し、その後ダンスという最悪な体育の授業を受けた。  何故授業でダンスをするんだ? 誰が得するのだろうか? 今のところ、私の周りには誰一人として居ない。もしかしたら体育教師共はそれを知っていて、嫌がらせとしてやっているのだろうか。いや、それは違うだろう。彼らにそんな高度な思考が出来るとは思えない。  まあ、そんなことはいい。言いたいことは他にもあるが……。私たちのグループの曲は先日言ったとおり「ロキ」で、ただでさえテンポが早い曲である。そのうえ、難易度がとても高い振り付けを平気で入れる頭の弱い人々が振り付け係になった事で私たちグループの男子は相当苦労している。そのお陰で私たち男子の積極性が薄れるのは至極当然のことだが、彼女ら(同じグループの振り付けの女子達)はそんなことはお構いなしに死んだような視線をぶつけて我々の尊厳を踏み躙り、さらに我々に対して怒りの感情を覚え始め、露骨にそれを表している。辛い。このグループの女子達はまるでマグマ溜まりみたいだ。沸々と体の奥底に波打つ熱い溶岩を蓄えている音が聞こえる。これが爆発した時、私たちはどうなってしまうのだろうか。こんな授業。誰が得するんだよ。  そういえば昨日から、ダンスのテストを受けて居なかったために一人だけやらされることを心配して憂鬱な気分になっていたが、何故か今回やらなかった。どうやら杞憂に終わったようだ。授業の最初に最初にやるかも的なことを体育教師共は言っており、私は誠に焦って体調が悪くなったのだが、どうなったのだろう。忘れでもしたのだろうか。いや、もしかしたらわざと長引かせて、休んだ人がビクビクする時間を延ばし更なる苦しみを与えるための敢えての試みかもしれない……。いや、そんなことはないか……。前述のとおり、彼らに知性は見られない。  さて、ダンスの話はもうこれくらいでいいだろう。あまり思い出したくはない。その後私は体育の授業をなんとか乗り切り、LHRを遊んで学校が終わった。午前中授業なのだ。そのまま帰って勉強でもするかと思った私は啓の席でクラロワをしていた。するとなべが私をバドミントンに誘ったのだ! どんな誘いにも大体は乗っかる私は二つ返事でOKし、なんと午後6時半までバドミントンをした……! なかなか楽しかったが、途中で私は足が攣ってしまい、運動不足と体力の無さを露呈することとなってしまった。もっと動かなくては……!  死ぬ程冷たい風が皮膚を突き刺す中なべとしほと下校し寮に帰ると、ギリギリ時間をオーバーしながらも夕食を食べ終え、約三日振りの風呂に入り、体を清潔にした。清々しい気分だった。風呂は良いな。毎日入りたい。その後には掃除があったので時間を見ながら洗濯をした。洗濯したものを干し終え先輩が部屋を出ると、私は入寮以降何もせずすっかり汚くなっていた部屋を時間をかけて整理整頓した。整理整頓というのも、手軽にとても良い気分になれる優れた行為だ。直後に少しだけ筋トレをして今この日記を書いている。今日は本も整理したが、読みはしなかった。  時計を見ると、あと少しで十二時を回りそうだ。風呂に入り、部屋も整理整頓され、今日の気分は頗る良い。綺麗になった部屋の居心地も最高だ。新しいこの環境なら、執筆も勉強も頑張ることができるだろうか。明日、頑張ってくれよ、俺!  最近は朝起きられているとは言っても、ギリギリのところを攻めている感じがある。早く寝ないといけない。だからそろそろ――。  おやすみなさい。


 今日、一月二十六日はいつも通りの木曜日であった。昨日や一昨日のようには寒くなく、昼間は少し暖かったものの、充分寒い日であった。  さて、今朝は少しだけ遅くなったがしっかりと起き、早く準備していつも通りせうと登校した。今日最も楽しかったことは、国語で今扱っている教材の「時間と自由の関係について」をせうと一緒に深めたことだ。哲学を議論するのは素晴らしく楽しい。この文章は解釈の幅がある為に、議論はより捗った。私はこの文章を、「量的時間上に瞬間的今が無限に存在する事を認識することで、哲学的時間が無限に生産され、それを積み重ねることによって永遠の主観的人生を創造する事ができる。また、その主観的人生において創り出された永遠の自由こそ、人類に平等と創造の自由を与えているのだ」という文章だと解釈したのだが、語り出すと幾らでも長くなりそうだから置いておこう。というか造語ばかりである程度理解した上でないとこの説明は伝わらないだろう。私は今まで哲学等専門分野やその論説文などに造語が多い理由がわからず、全くの無駄な労力だと思っており、半ば憎んでさえいたのだが、そんなことはなかった。造語というのは哲学の話をするときには非常に便利であった。思わぬところで造語の使い易さを学んだ。一時間目の終わりにせうと考え始めてから、私は放課後まで四六時中このことばかり考えていた。せうと話すのは本当に楽しかったなぁ。自分からあんなにスラスラと言葉が出るものだとは思っていなかった。新しい自分を知る事もできたな。クソ早口だったけど。  放課後になると私はクラロワに没頭し、赤冠に到達する事ができた。死ぬ程イライラして禿げかけ、それによって優や机や床にあたり、せいほや心や優に多大なる迷惑をかけたことは本当に反省している。申し訳ない……。だが、クラロワはやはり脳死で楽しかった。啓とは会えなかった……。  その後私は、達成感と虚無感を胸に心とせいほとローソンを経由して帰寮した。帰寮してからは「異端の祝祭」を読了した。ホラー小説の、セオリー通りの物語終結方法だったが、その流れが完璧すぎてとても面白かった。中盤からの引き込まれていく感覚は不気味な音を立てる竜巻のようだった。あらすじに擬音語が入っていた事に貴志と笑ったが、あの鳴き声もポイントとなっているのがとても良かった。ホラーとしても申し分なく、何度も背後を確認した。芦花公園。すごい作家だ。  その後申し訳程度に筋トレをし、英語の課題をなんとか終わらせて、今もうすぐ一時を回りそうなところである。そう、これを書いてる今は、一月二十七日なのだ……! もう流石に寝なければ、明日起きられるかに関わってくる。やばいんだ、最近。だからさ――。  おやすみなさい。

きもい」