利用者:キュアラプラプ/サンドボックス/戊

 弾ける音。体をひとつに維持しようとする力を逃れ、なるがまま空中に脱出した小さなかけらが、精一杯手足を引っ込めて、小さいボールの形になっている。彼らはすぐに元の体に飲み込まれる。世界を隔てる無数の境界のうち二つが、重なって、同じになる。その弾ける音だ。誰の耳にも届かないようなささやかな音が、ひょっとすると人一人の人生よりもっと多彩な命をたたえて、あらゆる速さで、あらゆる角度で、あらゆる場所から水平線を埋め尽くしている。無数の音が折り重なり、なめらかな、涼しい深みを巨大に伝える。

 唸る音も聞こえる。つかのまの自由すら手にできず、大きな体に縛られていてなお、バラバラになろうとする