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人里を離れること4兆km、今まで誰一人として足を踏み入れることがなかったまさに「秘島」に、ある男が漂着した。彼はうだつの上がらないマラソンランナー。フルマラソンを十二時間かけて三分の一制覇し、ハーフマラソンを十二時間かけて五分の一だけ走り切る男だった。あまりにもうだつが上がらないので、彼はトライアスロンへの転向を考えていた。陸上でこそ彼は凡人、それどころかゴミであったが、彼の真価は水泳と自転車漕ぎに発揮されたのだ。彼は25mのプールを十二時間かけて泳ぐことですべての水を蒸発させることができたし、自転車のハンドルを握るだけで自転車を粉々に破壊することだってできた。これが才能というやつである。天才は、凡人には決して理解されないものなのだ。
さて、そんな彼はあたりを見回したが、まだ事の重大さには気づいていなかった。彼は重度のシスコンだったので、いついかなるときも、自身の妹のことだけを考えていたのである。もちろんその楽観は、彼のおかれている状況を和らげることなどなかった。そう、この島は、史上最大獰猛破滅地獄的最悪最低公序良俗違反違法脱法闇バイト侵攻宗教戦争コンビニ前たむろ異常気象ネグレクト万引き立ちション万引きGメン完全無視大悪行ゴミカス生物、スーパー化け物ドラゴンの住処だったのだ!