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あんなに良くしてくれたのに……どうしてこんなことになってしまったんだろう…… | あんなに良くしてくれたのに……どうしてこんなことになってしまったんだろう…… | ||
「10月」では握手は信頼の証なんじゃなかったのか?! | 「10月」では握手は信頼の証なんじゃなかったのか?! | ||
いったいどうなってるんだ……握手がタブーなんて話、「7月」や「12月」でしか聞いたことないぞ。 | いったいどうなってるんだ……握手がタブーなんて話、「7月」や「12月」でしか聞いたことないぞ。 | ||
確か、特に「12月」の住民なんかは、手のひらに「嗅覚」の感覚器官があるうえに、宗教的にも大切な場所だから、がしっと触れられるのを物凄く嫌がるんだとか。 | |||
ん……嗅覚? 「鼻」の代わり……? | ん……嗅覚? 「鼻」の代わり……? | ||
いや……まさか……だって最初にここは「10月」だって…… | いや……まさか……だって最初にここは「10月」だって…… | ||
待てよ。 | 待てよ。 | ||
もし……もしあの住民たちが得た「地球語の数」が……「ここの{{傍点|文章=数}}」に対応する「地球語の数」ではなく……「ここの{{傍点|文章=数字}}」に対応する「地球語の数」なのだったら? | もし……もしあの住民たちが得た「地球語の数」が……「ここの{{傍点|文章=数}}」に対応する「地球語の数」ではなく……「ここの{{傍点|文章=数字}}」に対応する「地球語の数」なのだったら? | ||
……そうか……そういうことか……! | ……そうか……そういうことか……! | ||
我々人間……二つの手のひらに合計10本の指を持つ生物が10進法を使うなら、彼ら……二つの手のひらに合計12本の指を持つ生物が使うのは……'''12進法!''' | 我々人間……二つの手のひらに合計10本の指を持つ生物が10進法を使うなら、彼ら……二つの手のひらに合計12本の指を持つ生物が使うのは……'''12進法!''' | ||
ここに来た人間は、「<ruby>彼らの数字<rt>?・¿</rt></ruby>」に相当する「<ruby>地球語の数字<rt>1・0</rt></ruby>」こそ教えたが……「<ruby>彼らの数<rt>?¿</rt></ruby>」に相当する「<ruby>地球語の数<rt>12</rt></ruby>」までは教えなかったんだ! | ここに来た人間は、「<ruby>彼らの数字<rt>?・¿</rt></ruby>」に相当する「<ruby>地球語の数字<rt>1・0</rt></ruby>」こそ教えたが……「<ruby>彼らの数<rt>?¿</rt></ruby>」に相当する「<ruby>地球語の数<rt>12</rt></ruby>」までは教えなかったんだ! | ||
ここは12進法での「10月」……'''我々にとっての「12月」だったんだ!!''' | ここは12進法での「10月」……'''我々にとっての「12月」だったんだ!!''' | ||
早くこれを報告しないと――― | 早くこれを報告しないと――― | ||
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!? ま、まずい、もう通信機能が完全にダウンしてる! | |||
どうする……どうやってこのからくりを伝える……? | どうする……どうやってこのからくりを伝える……? | ||
何かを書き残そうにも、今時ペンとノートなんて誰も持ってない。でもコンピューター内にデータとして書き込んだところで、機体が壊されて消えるのがオチだ。 | 何かを書き残そうにも、今時ペンとノートなんて誰も持ってない。でもコンピューター内にデータとして書き込んだところで、機体が壊されて消えるのがオチだ。 | ||
血でダイイングメッセージでも残すか? ……いや、よく考えたら、そもそも皆がここを見つけられるかすら分からない。 | 血でダイイングメッセージでも残すか? ……いや、よく考えたら、そもそも皆がここを見つけられるかすら分からない。 | ||
どうする……? どうする……? | どうする……? どうする……? | ||
229行目: | 271行目: | ||
……そうだ! この地質標本用カプセルを射出すれば…… | ……そうだ! この地質標本用カプセルを射出すれば…… | ||
でも中に何を入れる……? | |||
これに入るサイズでかつ使えそうなもの…… | これに入るサイズでかつ使えそうなもの…… | ||
あ、この個人識別タグ……この番号……! | あ、この個人識別タグ……この番号……! | ||
―――頼む、うまくいってくれ……! | ―――頼む、うまくいってくれ……! |
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