「利用者:キュアラプラプ/サンドボックス/丁」の版間の差分

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このあまりの荒唐無稽さに、アナーキストとキチガイ以外の全員が、彼に対して疑念というより恐怖を抱いた。しかし、超合金でできたウソ発見器をベコベコにへこますその剛力は銃砲の何倍も強力なものであり、下手に刺激したら普通に殺される可能性があるので、みんな知らんぷりを維持した。
このあまりの荒唐無稽さに、アナーキストとキチガイ以外の全員が、彼に対して疑念というより恐怖を抱いた。しかし、超合金でできたウソ発見器をベコベコにへこますその剛力は銃砲の何倍も強力なものであり、下手に刺激したら普通に殺される可能性があるので、みんな知らんぷりを維持した。
「あー、最後に書斎に招かれた人はいったい誰だったんだ!?」
文章だと分かりづらいが、卦伊佐は今、めちゃくちゃ深夜なのにも関わらずめちゃくちゃデカい声を出した。しかし誰も彼を注意することはできない。もしこれを指摘したら、腕力によって鼓膜を破壊されてしまうかもしれないからだ。そう思わせるほどの気迫が、確かに彼にはあるのだから。


――探偵のいない事件は、ここに来て膠着状態に陥った。
――探偵のいない事件は、ここに来て膠着状態に陥った。
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<big>'''第三章 シュロギスモス(使いたいだけ)'''</big>
<big>'''第三章 シュロギスモス(使いたいだけ)'''</big>


「なにしてるのー?」
「何してるのー?」
 
止まったダイニングルームの時間を動かしたのは、律家ラレだった。どうやらウソ発見器の警告音やら卦伊佐の大声やらのせいで目を覚ましてしまったらしい。部屋に入って来た彼女を、ノレは優しく抱き上げる。
 
「ごめんね、起きちゃった? でも、明日も学校なんだから、もう寝ないとダメよ。」
 
しかしラレは、この奇妙な状況が気になって仕方ないようだった。
 
「最後にパパの部屋に行った人を探してるの? なんで警察の人がいるの? どういうこと?」
 
「え、あ、そ、それは……あの、そう、そうよ。パパの部屋に忘れ物があって、そう、誰かがお金を落としちゃったみたいなの。で、えっと、パパは……もう寝ちゃったから、だからあの、来た人の順番を推理してるのよ。警察の人は……お客さん。ただのお客さんよ。」
 
なかなかに無理やりな筋書きだが、ラレは納得してくれたらしい。ただし、これはより面倒な結果を招いた。
 
「面白そう! 私にもやらせてよ!」
 
「え、そんな……ダメよ。遊びじゃないんだから……え、あ、いや、そうじゃなくて……えーっと……。」
 
「お、お嬢ちゃんもやってみるか?」
 
卦伊佐は謎に面白がって、聴取したばかりの証言のメモをラレに渡す。画面を数秒眺めたのち彼女は、自慢げに言い放った。


止まったダイニングルームの時間を動かしたのは、
「ママ、コノイエさん、秋ちゃん、凱兄、ウソツさん、世哉おじさん。この順番ね。」
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