「利用者:Notorious/サンドボックス/消滅の悪魔」の版間の差分

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<br> 慌てて立ち上がった。椅子が倒れ、けたたましい音が無人の教室に響く。起こしている暇は無い。一瞬で自分がおかれている状況を再確認する。
<br> 慌てて立ち上がった。椅子が倒れ、けたたましい音が無人の教室に響く。起こしている暇は無い。一瞬で自分がおかれている状況を再確認する。
<br> 現在、昼休み終了すなわち4限目開始まで、残り2分50秒かそこら。次の授業は、体育。担当教師は三河、通称『遅刻に親を殺された男』。由来は、「時間を守ることは最低限のけじめ」とかなんとか言って、遅刻した生徒を親の仇かのように怒鳴りつけ、放課後の体育館掃除と言う罰までも加えること。そして、俺は今まさに遅刻しようとしている。だから問題なのだ。今日の夕方、俺は友達とゲームする約束をしている。なんとしても、居残りは避けたい。
<br> 現在、昼休み終了すなわち4限目開始まで、残り2分50秒かそこら。次の授業は、体育。担当教師は三河、通称『遅刻に親を殺された男』。由来は、「時間を守ることは最低限のけじめ」とかなんとか言って、遅刻した生徒を親の仇かのように怒鳴りつけ、放課後の体育館掃除と言う罰までも加えること。そして、俺は今まさに遅刻しようとしている。だから問題なのだ。今日の夕方、俺は友達とゲームする約束をしている。なんとしても、居残りは避けたい。
<br> 俺は頭の中で素早く概算した。体育館は、渡り廊下を挟んだ1階。全力疾走すれば、2分で着く。着替える時間は無いが、遅刻よりは圧倒的にマシだ。荷物を持ち、制服のまま体育館に走り、授業開始に間に合わせる。
<br> 俺は頭の中で素早く概算した。体育館は、渡り廊下を挟んだ1階。全力疾走すれば、2分足らずで着く。着替える時間は無いが、遅刻よりは圧倒的にマシだ。荷物を持ち、制服のまま体育館に走り、授業開始に間に合わせる。
<br> 方針は決まった。俺は体育一式が入った布袋を取ろうとロッカーに走り、愕然とした。そこには、布袋が入ったリュックサックがあった。
<br> 方針は決まった。俺は体育一式が入った布袋を取ろうとロッカーに走り、愕然とした。そこには、布袋が入ったリュックサックがあった。
<br> ひゅっと喉が鳴り、朝の出来事がフラッシュバックした。そうだ、体育は水泳の授業をする予定なんだ。俺は、今日もいつも通りここ沢渡高校に登校してきた。天気は悪く、分厚い黒雲が空を覆っていた。だから、俺はプールバッグと体育一式のどちらもリュックサックに入れ、持ってきた。もし天気が崩れれば、水泳は中止となり、授業は体育館での活動に変更となる。備えあれば憂いなし、だ。結果として、その選択は正解だった。朝、三河が教室に顔を出し、「4限目の水泳を実施するかは、昼に判断するからな。昼休みに報告しに来る。もちろんお前らは体育着も準備してるよな?」と言ったのだ。三河が去った後、「持ってないよお」と嘆く数人のクラスメイトを尻目に、俺は悦に入った。
<br> ひゅっと喉が鳴り、朝の出来事がフラッシュバックした。そうだ、体育は水泳の授業をする予定なんだ。俺は、今日もいつも通りここ沢渡高校に登校してきた。天気は悪く、分厚い黒雲が空を覆っていた。だから、俺はプールバッグと体育一式のどちらもリュックサックに入れ、持ってきた。もし天気が崩れれば、水泳は中止となり、授業は体育館での活動に変更となる。備えあれば憂いなし、だ。結果として、その選択は正解だった。朝、三河が教室に顔を出し、「4限目の水泳を実施するかは、昼に判断するからな。昼休みに報告しに来る。もちろんお前らは体育着も準備してるよな?」と言ったのだ。三河が去った後、「持ってないよお」と嘆く数人のクラスメイトを尻目に、俺は悦に入った。
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