「Sisters:WikiWikiオンラインノベル/スノータイムリミット」の版間の差分

拙作を切削。あわよくば傑作を制作。
編集の要約なし
(拙作を切削。あわよくば傑作を制作。)
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<br> 「聞きたいことって、何だい?」
<br> 「聞きたいことって、何だい?」
<br> 「聞きたいこと、それは……」
<br> 「聞きたいこと、それは……」
 <br> 祐介はいやに勿体ぶって言葉を溜めた。そして何処からか出してきたティーカップ2つに紅茶を注ぎ、僕の前に置いた。いちいた気障な奴だ。
 <br> 祐介はいやに勿体ぶって言葉を溜めた。そして何処からか出してきたティーカップ2つに紅茶を注ぎ、僕の前に置いた。いちいち気障な奴だ。
<br> 「…なぁ、ミステリって、何だ?」
<br> 「…なぁ、ミステリって、何だ?」
 <br> 祐介の凄まじいワイルドピッチに、僕は紅茶のひと口目を噴き出しそうになる。
 <br> 祐介の凄まじいワイルドピッチに、僕は紅茶のひと口目を噴き出しそうになる。
140行目: 140行目:
 <br> 祐介が何処からかティーカップを取り出し、紅茶を淹れ、瞳の前に置いた。
 <br> 祐介が何処からかティーカップを取り出し、紅茶を淹れ、瞳の前に置いた。
<br> 「あ、祐介くんありがとう。」
<br> 「あ、祐介くんありがとう。」
 <br> 瞳はひと口でその紅茶を飲み切ると、また話始めた。忙しない女だ。
 <br> 瞳はひと口でその紅茶を飲み切ると、また話始めた。忙しない奴だ。
<br> 「それで、由紀はずっとそんな感じで、結局帰りの会が終わったと同時に鞄持って帰っちゃったんだ。ねえ、祐介くん、おかわりある?」
<br> 「それで、由紀はずっとそんな感じで、結局帰りの会が終わったと同時に鞄持って帰っちゃったんだ。ねえ、祐介くん、おかわりある?」
 <br> 彼女は空のティーカップを祐介に差し出す。祐介は軽やかな手つきでそれを受け取り、ポッドからもう一杯淹れ始めた。
 <br> 彼女は空のティーカップを祐介に差し出す。祐介は軽やかな手つきでそれを受け取り、ポッドからもう一杯淹れ始めた。
285行目: 285行目:
<br> 「まあ、確かにそう言いきることはできないかもね。でも制服を全身ジャージに着替えるなんて全身が濡れてしまう事くらいしか考えつかないし、それに昼頃まで…」
<br> 「まあ、確かにそう言いきることはできないかもね。でも制服を全身ジャージに着替えるなんて全身が濡れてしまう事くらいしか考えつかないし、それに昼頃まで…」
 <br> あっと瞳が声を上げる。
 <br> あっと瞳が声を上げる。
<br> 「…確かに昼頃まで中庭には雪が残ってたわ。」
<br> 「……確かに昼頃まで中庭には雪が残ってたわ。」
<br> 「そうなんだ。でも、これでも正しいと言いきる根拠には足り得ない。そこで靴箱を確認してもらったんだ。由紀さんが本当に学校へ戻ってきているかどうかと、その靴がこの僕が今履いてるスノーブーツとかじゃなく、滑り易い靴かどうかを、…例えばローファーの様な、ね。」
<br> 「そうなんだ。でも、これでも正しいと言いきる根拠には足り得ない。そこで靴箱を確認してもらったんだ。由紀さんが本当に学校へ戻ってきているかどうかと、その靴がこの僕が今履いてるスノーブーツとかじゃなく、滑り易い靴かどうかを、……例えばローファーの様な、ね。」
<br> 「そうなのね…。じゃあなぜ由紀が学校に戻ってきていることがわかったの?そう推測した理由、教えてよ。」
<br> 「そうなのね…。じゃあなぜ由紀が学校に戻ってきていることがわかったの?そう推測した理由、教えてよ。」
 <br> なんだ、そんなことは簡単だ。僕は横にいる瞳を見て言った。
 <br> なんだ、そんなことは簡単だ。僕は横にいる瞳を見て言った。
<br> 「瞳が由紀さんの家は学校から遠いって言ったんだ。チョコレートは今日のうちに渡したいだろう?だからさ。」
<br> 「瞳が由紀さんの家は学校から遠いって言ったんだ。チョコレートは今日のうちに渡したいだろう?だからさ。」
<br> 「…そうなんだ。コータ、凄いね。」
<br> 「……そうなんだ。コータ、凄いね。」
 <br> 数秒の間をあけて瞳が感心したようにポツリと言った。そして、気づくと僕らは見慣れた場所にいた。夢中になって話しているうちに、家に着いたのだ。
 <br> 数秒の間をあけて瞳が感心したようにポツリと言った。そして、気づくと僕らは見慣れた場所にいた。夢中になって話しているうちに、家に着いたのだ。<br> 瞳の家の方が学校に近いから、時々一緒に帰る時には、瞳が家に入るのを見届けてから家に帰る。
 <br> 瞳の家の方が学校に近いから、時々一緒に帰る時には、瞳が家に入るのを見届けてから家に帰る。
<br> 「じゃあね瞳。良いものも見れたし、今日は結構楽しかったよ。」
<br> 「じゃあね瞳。良いものも見れたし、今日は結構楽しかったよ。」
 <br> そう言って僕は行こうとした。その時、瞳が僕の手を握った。瞳は手袋をしていて僕は素手。彼女の手の温かさが布越しに伝わってくる。
 <br> そう言って僕は行こうとした。その時、瞳が僕の手を握った。瞳は手袋をしていて僕は素手。彼女の手の温かさが布越しに伝わってくる。
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