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(ふうう) |
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おじいちゃんは、このからくりダンスの開け方も、忘れないうちにメモしておいたのだろう。ぼくはこれを見て、からくりダンスを開けようと思う。きっと、秘密のスペースが中にはあって、なにかビッグなものが隠されているのだ。財宝かもしれないし、秘密の文書かもしれない。おじいちゃんが実は超お金持ちで、一億円とかが入ってたら、どうしよう? 想像するだけでワクワクが止まらない。ぼくはメモにしたがって、からくりダンスを開けてみることにした。 | おじいちゃんは、このからくりダンスの開け方も、忘れないうちにメモしておいたのだろう。ぼくはこれを見て、からくりダンスを開けようと思う。きっと、秘密のスペースが中にはあって、なにかビッグなものが隠されているのだ。財宝かもしれないし、秘密の文書かもしれない。おじいちゃんが実は超お金持ちで、一億円とかが入ってたら、どうしよう? 想像するだけでワクワクが止まらない。ぼくはメモにしたがって、からくりダンスを開けてみることにした。 | ||
まず、一番右下の取っ手を回してみる。力を込めると、確かに時計回りにぐるりと回った。すると、タンスの右側面から、小さな突起が飛び出してきた。取っ手を戻すと突起も引っ込む。おお、やっぱり楽しいぞ。しばらく取っ手をくいくい回して遊ぶ。 | まず、一番右下の取っ手を回してみる。力を込めると、確かに時計回りにぐるりと回った。すると、タンスの右側面から、小さな突起が飛び出してきた。取っ手を戻すと突起も引っ込む。おお、やっぱり楽しいぞ。しばらく取っ手をくいくい回して遊ぶ。 | ||
次は、突起を引き出して、かくんと折る。すると、突起はハンドルに早変わりだ。このハンドルを三周だけ回す。そして、一番上の引き出しを開けてみると、横の壁がずれて、中に新たなつまみが姿を現している。今度はこのつまみを左にずらす。メモに「コツが必要」と書いていた通り、どこかに引っかかっていたのか、なかなか動かなかった。でも、どうにかこうにかずらし終え、次の手順に進む。 | |||
残るはあとツーステップ。下から二番目の引き出しの中にある隠し扉が、さっきので開くようになったらしい。しかし、その隠し扉がなかなか見つからない。引き出しの壁中をさすったり叩いたりして、ようやく五センチ四方くらいの扉を見つけた。それを開くと、木の出っ張りがあった。いよいよ大詰めだ。最後にこのボタンを押す。すると、かすかにパカリという音が聞こえた。ドキドキしながら一番下の引き出しを開けると、底が外れていた。やった! このからくりダンスは二重底になっていたのだ。そして、秘密のスペースがついに開いたのだ。 | 残るはあとツーステップ。下から二番目の引き出しの中にある隠し扉が、さっきので開くようになったらしい。しかし、その隠し扉がなかなか見つからない。引き出しの壁中をさすったり叩いたりして、ようやく五センチ四方くらいの扉を見つけた。それを開くと、木の出っ張りがあった。いよいよ大詰めだ。最後にこのボタンを押す。すると、かすかにパカリという音が聞こえた。ドキドキしながら一番下の引き出しを開けると、底が外れていた。やった! このからくりダンスは二重底になっていたのだ。そして、秘密のスペースがついに開いたのだ。 | ||
想像の答え合わせをするときが来た。からくりダンスに隠されているものは、財宝か、機密文書か、それとも大金なのか。ぼくは胸を高鳴らせて、引き出しの底を外した。 | |||
そこにあったのは、お宝でも札束でもなく、たった一枚の紙っぺらだった。 | |||
ぼくは一瞬がっかりしたが、すぐに元気を取り戻した。この紙は、一体なんだろう? こんなに厳重に隠されているのだから、とんでもないことが書かれているに違いない。案外、本当に機密文書かもしれないぞ。おじいちゃんは実はスパイで、謎の組織から奪った情報がこの紙には書かれているのかもしれない! | |||
勢いよく、ぼくは紙をめくった。そこに書かれていることを読んで、ぼくは思わず笑い出してしまった。それには、おじいちゃん自慢の達筆で、こう書かれていたのだ。 | |||
絡繰箪笥の戻し方 一、出っ張りを押しながら底をはめ込む。 二、扉を閉じたのち、一番上の引き出しのつまみを…… |
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