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「うーん、まあ、確かに……警戒するに越したことはないかもしれません。『十円ハゲ』と『文明開化の音』で大陸を修復してしまうような組織ですし。生存バイアスへの理解を導線にした罠とかかも」
「うーん、まあ、確かに……警戒するに越したことはないかもしれません。『十円ハゲ』と『文明開化の音』で大陸を修復してしまうような組織ですし。生存バイアスへの理解を導線にした罠とかかも」
「全大陸への攻撃に代わって、YGT財団への対抗策として決議された計画が一つある。……『文明開化の音』を、こちらも利用するんだ」
「なるほど、意趣返しですか」
「頭頂殴打音の本質は、『頭頂』というよりむしろ『髪型』だという指摘は多い。近年の研究でも、実際にそういう理解の方が関連する現象をコンパクトに記述できるということが分かってきている。そこで我々が行うのが……プロジェクト『地球殴打音』だ」
「『地球殴打音』……!?」
「『髪型』は、『毛髪境界』と隣接した、非常に近しい分野だ。そこで活きてくるのが、我々が研究を進めていた『マクロ毛髪境界学』の成果なんだ。人間一人の頭部に分布する毛髪だけでなく、共同体社会における毛髪のはたらきを調べるこの学問……そこに登場する『みなし頭頂』の概念を、地表全体に拡張する理論が構築できれば、『地球殴打音』が鳴らせる。『アフロの法則』によれば、頭頂殴打音における毛髪の総量と音量は比例するから、もし『地球殴打音』を鳴らすことができれば、YGT財団の『大陸の音』探索チームは地獄を見ることになるだろう。変な髪形の人間の頭頂を叩けども叩けども、全ての音は我々の『地球殴打音』にかき消されてしまうのだ!」
「なるほど……しかし、この計画には{{傍点|文章=重大な問題}}があります」
「重大な問題……? どういうことだ?」
「……地球を殴るにも、あるいは叩くにも、グーかパーが必要です。ただ我々は、{{傍点|文章=我々は蟹}}……{{傍点|文章=チョキしか持っていない}}じゃないですか! どうするんですか!」
「いーや、心配には及ばんぞ。ここが我々の残虐性の光るところ……蟹戦争で、{{傍点|文章=我々蟹軍団が何本の人間の腕をもぎ取ったか}}忘れたか!」
「あっ! そうでした! これならイケますね!」
「予定されている計画はシンプルだ。研究班が作る特製のカプセルの中に人間の指や腕をセットした後、我々軍事班が率いる精鋭部隊・第一蟹師団の蟹光線をカプセルに向けて放つ。その莫大な指向性エネルギーを受け取って射出されたカプセルは外部制御で変形し、人間の指や腕を外部に層状に展開。地表に接触した瞬間、最大効率でエネルギーを伝える波動モジュールも駄目押しに発動し、『地球殴打音』が人類の鼓膜を打ち破るのだ! 拡張理論の計算は、現在急ピッチで進められている。三日もすればカプセル機構も完成するそうだ。『地球殴打音』でYGT財団を妨害できれば、あとは落ち着いてYGT財団の内情を探れる。全大陸攻撃もここから本腰を入れて再検討されていくだろう」
「なるほど……蟹の勝利の日は近いですね」


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