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思想者の手札の中の{{傍点|文章=使える}}「数字カード」は、実質的に二枚の黒の5だけだ。赤のJや赤の10は、思想者がどの段にいようとも――ゲーム開始時、黒の5を使ったときの5段目、二枚目の黒の5を使ったときの10段目――かならず階段を上りきり、敗北になってしまう。だから、思想者は一ターン目には必ず黒の5を使う。そこに、黒の4を使ったクリームパンダがやって来て、「取引」を持ちかけるのだ。パンダの実銃にも怖気づかず、このゲームにひょっとすると勝てるかもしれないと思っている傲慢な思想者は、この取引を持ち掛けられたとき、それを断るか、あるいは二枚のKのうち一枚だけを渡す。もし残ったKで「革命」を起こせたら、例の赤のJや10を使って、ひといきにこのゲームに勝利できるかもしれないからだ。無論、クリームパンダは思想者の「革命」を打ち消せる分のQを持っているからそんなことは起こりえないし、そもそもこういう無礼を働いた時点で、思想者はJKによってその{{傍点|文章=分かりきった手札}}を公開され、殺されるのだ。……今起ころうとしていることは、まさにそのパターンだった。 | 思想者の手札の中の{{傍点|文章=使える}}「数字カード」は、実質的に二枚の黒の5だけだ。赤のJや赤の10は、思想者がどの段にいようとも――ゲーム開始時、黒の5を使ったときの5段目、二枚目の黒の5を使ったときの10段目――かならず階段を上りきり、敗北になってしまう。だから、思想者は一ターン目には必ず黒の5を使う。そこに、黒の4を使ったクリームパンダがやって来て、「取引」を持ちかけるのだ。パンダの実銃にも怖気づかず、このゲームにひょっとすると勝てるかもしれないと思っている傲慢な思想者は、この取引を持ち掛けられたとき、それを断るか、あるいは二枚のKのうち一枚だけを渡す。もし残ったKで「革命」を起こせたら、例の赤のJや10を使って、ひといきにこのゲームに勝利できるかもしれないからだ。無論、クリームパンダは思想者の「革命」を打ち消せる分のQを持っているからそんなことは起こりえないし、そもそもこういう無礼を働いた時点で、思想者はJKによってその{{傍点|文章=分かりきった手札}}を公開され、殺されるのだ。……今起ころうとしていることは、まさにそのパターンだった。 | ||
しかし驚くべきことに、男がにやけ面で公開した、七枚からKを引いて計六枚の手札は――黒の5が一枚、赤のJが二枚、赤の10、そして赤の9だった。 | |||
===4 <ruby>戦況激化<rt>エスカレーション</rt></ruby>=== | ===4 <ruby>戦況激化<rt>エスカレーション</rt></ruby>=== |
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