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==詳細==
==詳細==
 研究室を出て廊下を進むと、突き当たりにオフィスの扉が見えた。近づいていくほどにクラシックの音がうっすらと聞こえてくる。懐古趣味の悦楽主義者。私はため息を吐くと、オシム博士のオフィスへと、ノックもせずに入った。
 研究室を出て廊下を進むと、突き当たりにオフィスの扉が見えた。近づいていくほどに、うっすらとしていたクラシック音楽の音が大きくなっていく。懐古趣味の悦楽主義者。私はため息を吐くと、博士のオフィスへと、ノックもせずに入った。
<br> 扉を開くとバイオリンの荘厳な音色が聞こえた。アンティーク品が所狭しと置かれた雑多な部屋だ。研究室との違いは全くわからないが、ここはオフィスらしい。彼はそういうことにうるさい。私は扉に背を向け窓の方を向いている博士に
<br> 扉を開くとバイオリンの荘厳な音色が聞こえた。アンティーク品が所狭しと置かれた雑多な部屋だ。研究室との違いは全くわからないが、ここはオフィスらしい。彼はそういうことにうるさい。私は扉に背を向け窓の方を向いている博士に
<br> 「おい」
<br> 「こんにちは」
<br> 返事はない。私は再びため息を吐いて、彼の右耳に装着されている白い器具を奪った。
<br> 返事はない。私は再びため息を吐いて、彼の右耳に装着されている白い器具を奪った。
<br> 「聞こえてるのか」
<br> 「こんにちは」
<br> 「もちろんだとも」
<br> 「ああ君か」
<br> 彼は勿体ぶった様子でもう片方の器具を取ると、私に笑いかけた。
<br> 彼は勿体ぶった様子でもう片方の器具を取ると、私に笑いかけた。
<br> まあ、座りたまえよ。
<br> 「まあ、座りたまえよ」




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