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 かわいいお姉さん。巨乳ボーイッシュ目付き悪いデレる。 
 かわいいお姉さん。巨乳ボーイッシュ目付き悪いデレる。 
 五号館を出ると、きつい日差しがアスファルトを焼いていた。遠くで、雑木林の影に入った柳が、涼しそうに揺れていた。私は腕時計を確認して、食堂へと向かった。
 混雑のピークを過ぎた食堂は、広い空間に並べられた机に、ちらほらと人がいるだけであった。いつもは席の検討を予めつけておくのだが、空きコマ三限、ランチタイム終了間近の学生食堂は随分と空いていたから、私は食券を購入し、チキン南蛮のプレートを受け取ってから席を探した。
 窓際の席を取ろうと近づくと、窓の外に、真夏の炎天下に一人、カウンター席でスケートお姉さんが食事をしているのに気がついた。スケートお姉さんとは、ピンクのヘルメットを被り、キャンパス内をローラースケートで移動する、この大学のちょっとした有名人だ。私が入学する前からいるらしいから、三年生か四年生だろうと踏んでいる。窓際に座った彼女はヘルメットを脱ぎ、いつもは見えない茶色のポニーテールを、風に靡かせていた。すでに半分腰掛けたような格好になったが、興味が湧いたので、再び立ち上がり、自動ドアをくぐって彼女に話しかけた。
「こんにちは! お隣いいですか?」
 彼女はびくっと驚いた様子で顔をあげた。そして私を認めると、本当に柔らかに顔を綻ばせて、「ええ、もちろん!」と言った。考えていたいくつかよりも、ずっと好意的な反応だったから、私も思わず笑顔になって、「良かったです。断られたらどうしようかと思いました」と言いながら隣に座った。いただきます、と手を合わせ、私は味噌汁を一口飲んだ。
「私は木嶋菜月です。経済の一年生です」
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