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<br>「あ、帰らないで。また一つ疑問が湧いてきたの」 | <br>「あ、帰らないで。また一つ疑問が湧いてきたの」 | ||
<br>「ええ、なんだって?」 | <br>「ええ、なんだって?」 | ||
<br><big> | <br><big>「『非自己叙述的』って言葉は、非自己叙述的なのかしら」</big> | ||
<br>「えっとね……うーん? もし'''非自己叙述的だとする'''と……」 | <br>「えっとね……うーん? もし'''非自己叙述的だとする'''と……」 | ||
<br>「つまり、『非自己叙述的』という言葉はその意味がその言葉自身に反する、ってことだから……」 | <br>「つまり、『非自己叙述的』という言葉はその意味がその言葉自身に反する、ってことだから……」 | ||
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<br>「そんなことがあるの?」 | <br>「そんなことがあるの?」 | ||
<br>「いやいや、仮定がつねに正しいとは限らないじゃないか。もし仮定が間違っていたならば、矛盾が起こってもおかしくはないだろう?」 | <br>「いやいや、仮定がつねに正しいとは限らないじゃないか。もし仮定が間違っていたならば、矛盾が起こってもおかしくはないだろう?」 | ||
<br>「確かに。じゃあ仮定を変えてみよう。もし'''『非自己叙述的』が非自己叙述的でないとする''' | <br>「確かに。じゃあ仮定を変えてみよう。もし'''『非自己叙述的』が非自己叙述的でないとする'''と……?」 | ||
<br> | <br>「『非自己叙述的』という言葉はつまり、意味がその言葉自身に反しない、ということだね……」 | ||
<br> | <br>比路子さんは結論を導いた。「そうね。つまり、'''『非自己叙述的』は非自己叙述的である'''……」 | ||
<br> | <br>「何だって? <ruby>こんなこと<rt>・・・・・</rt></ruby>はありえないのに」ここへきて十荻君はうろたえた。 | ||
<br> <ruby>そのこと<rt>・・・・</rt></ruby> | <br> <ruby>そのこと<rt>・・・・</rt></ruby>に気づいて彼女もつぶやき返す。「これって……嘘……」 | ||
<br> そして彼らは言うのだった。「「私たち、入れ替わってる?」」<ref>ええっ、どこで入れ替わったのでしょうか? もう一度読んで考えてみましょう。</ref> | <br> そして彼らは言うのだった。「「私たち、入れ替わってる?」」<ref>ええっ、どこで入れ替わったのでしょうか? もう一度読んで考えてみましょう。</ref> | ||
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