Sisters:WikiWikiリファレンス/小売店民話/歯を食えば

 ……何だっけ、あの、その歌は、「歯を食えば 歯を食うなんて べろべろばあ」っていう句なんだけど、これ、あの、主人公は、あの、若いカップルなんだけど――まああの、子供も居る若いカップルで――でまあ、あの、初めてのね、あの、赤ちゃんに慣れないながらも、幸せな暮らしをしていたと。で、ある日、お父さんが、その、あの、赤ちゃんが――名前はまあ便宜上「三角コーン」と言うことにしとくと――「あれ、三角コーンが歯を食べているぞ」って言ったわけよ。で、まあその、奥さんが、「やだねえ、あなた。これは……あの、歯を食うなんてありえないわ。歯を……、歯が生えてきているのよ」って言って、「ああ、成長したんだなあ」ってしみじみとして、で、赤ちゃんが「べろべろばあ」って言って……っていうめっちゃエモい句なんだよ。

 この句のすごいところはね、隠しメッセージがある。あの、まああの、「歯を食えば 歯を食うなんて べろべろばあ」ってあるじゃん。で、あの、まあ「歯を食うなんて」と「べろべろばあ」はさ、解説した通りなんだけど、「歯を食えば」ってなんかおかしいと思わない? そうそう、でこれは、あの、勧誘、勧誘で、まああの、勧誘の助詞「ば」なんだけど、つまり、この家族は人肉食をする一家だったわけよ。であの、まあつまり、最初の「歯を食えば」はどういうことなのかっていうと、お父さんが、あの、奥さんに、「ああ、こいつも歯を食ってるじゃないか。お前も歯を食えばいいのに」って言った、「歯を食えば」なんだよ。ぞっとするわ。