本格ミステリ大賞小説部門

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本格ミステリ大賞とは、本格ミステリ作家クラブが主催する文学賞である。この記事では、その中でも「小説部門」について記述する。

概要[編集 | ソースを編集]

この賞は、名前の通り本格ミステリを対象としたものである。そもそもの本格ミステリ大賞および本格ミステリ作家クラブの設立動機が、本格ミステリの振興・発展だからである。また、本格ミステリ大賞には、他に評論・研究部門と不定期に授与される特別賞がある。

本格ミステリ大賞は2001年に第1回が執り行われ、それから毎年実施されている[1]。対象は前年に出版され単行本化された本格ミステリ。毎年1月末に本格ミステリ作家クラブの会員にアンケートを取り、それを基に候補作が5作選定される。5月までに候補作を全て読んだ会員に投票権があり、投票者は選評もつけて投票する。そして、5月中旬に行われる投票結果の公開にて、大賞が決定される。投票という決定手段ゆえ、得票数が並び、受賞作が2作品となることも儘ある。

私見[編集 | ソースを編集]

本格ミステリに特化した賞だけあって、受賞作はもちろん候補作も良質な本格ミステリばかりとなっている。外れがない、という印象。読むミステリに迷ったら、この賞を参考にすればよいと思っている。

統計[編集 | ソースを編集]

受賞回数が最多の作家は、いずれも2回の歌野晶午(『葉桜の季節に君を想うということ』『密室殺人ゲーム2.0』)と麻耶雄嵩(『隻眼の少女』『さよなら神様』)。

ノミネート回数が最多の作家は、6回の芦辺拓(『グラン・ギニョール城』『紅楼夢の殺人』『裁判員法廷』『綺想宮殺人事件』『スチームオペラ』『大鞠家殺人事件』)。次いで、5回の柄刀一米澤穂信[2]

また、日本推理作家協会賞とのダブル受賞を果たした作品は、山田正紀『ミステリ・オペラ』歌野晶午『葉桜の季節に君を想うということ』麻耶雄嵩『隻眼の少女』櫻田智也『蟬かえる』芦辺拓『大鞠家殺人事件』青崎有吾『地雷グリコ』の6作品。

一覧[編集 | ソースを編集]

回  受賞作・候補作 作者
第1回 壺中の天国 倉知淳
奇術探偵曾我佳城全集 泡坂妻夫
凶笑面 北森鴻
火蛾 古泉迦十
美濃牛 殊能将之
第2回 ミステリ・オペラ 山田正紀
鏡の中は日曜日 殊能将之
黒祠の島 小野不由美
グラン・ギニョール城 芦辺拓
たったひとつの 斎藤肇
第3回 GOTH 乙一
オイディプス症候群 笠井潔
法月綸太郎の功績 法月綸太郎
マレー鉄道の謎 有栖川有栖
聯愁殺 西澤保彦
第4回 葉桜の季節に君を想うということ 歌野晶午
スイス時計の謎 有栖川有栖
赫い月照 谺健二
くらのかみ 小野不由美
七度狐 大倉崇裕
第5回 生首に聞いてみろ 法月綸太郎
紅楼夢の殺人 芦辺拓
暗黒館の殺人 綾辻行人
麻耶雄嵩
臨場 横山秀夫
第6回 容疑者Xの献身 東野圭吾
摩天楼の怪人 島田荘司
扉は閉ざされたまま 石持浅海
向日葵の咲かない夏 道尾秀介
ゴーレムの檻 柄刀一
第7回 シャドウ 道尾秀介
邪魅の雫 京極夏彦
樹霊 鳥飼否宇
顔のない敵 石持浅海
時を巡る肖像 柄刀一
第8回 女王国の城 有栖川有栖
首無の如き祟るもの 三津田信三
密室キングダム 柄刀一
インシテミル 米澤穂信
密室殺人ゲーム王手飛車取り 歌野晶午
第9回 完全恋愛 牧薩次
造花の蜜 連城三紀彦
山魔の如き嗤うもの 三津田信三
ペガサスと一角獣薬局 柄刀一
裁判員法廷 芦辺拓
第10回 水魑の如き沈むもの 三津田信三
密室殺人ゲーム2.0 歌野晶午
Another 綾辻行人
花窗玻璃 深水黎一郎
追想五断章 米澤穂信
第11回 隻眼の少女 麻耶雄嵩
折れた竜骨 米澤穂信
写楽 閉じた国の幻 島田荘司
謎解きはディナーのあとで 東川篤哉
綺想宮殺人事件 芦辺拓
第12回 虚構推理 城平京
開かせていただき光栄です 皆川博子
キングを探せ 法月綸太郎
メルカトルかく語りき 麻耶雄嵩
夏の王国で目覚めない 彩坂美月
第13回 密室蒐集家 大山誠一郎
スチームオペラ 芦辺拓
衣更月家の一族 深木章子
葬式組曲 天袮涼
夏服パースペクティヴ 長沢樹
第14回 スノーホワイト 森川智喜
水族館の殺人 青崎有吾
螺旋の底 深木章子
教場 長岡弘樹
ノックス・マシン 法月綸太郎
第15回 さよなら神様 麻耶雄嵩
僕の光輝く世界 山本弘
フライプレイ! 霞流一
黒龍荘の惨劇 岡田秀文
冷たい太陽 鯨統一郎
第16回 死と砂時計 鳥飼否宇
ミステリー・アリーナ 深水黎一郎
その可能性はすでに考えた 井上真偽
松谷警部と三ノ輪の鏡 平石貴樹
赤い博物館 大山誠一郎
第17回 涙香迷宮 竹本健治
聖女の毒杯 井上真偽
悪魔を憐れむ 西澤保彦
誰も僕を裁けない 早坂吝
おやすみ人面瘡 白井智之
第18回 屍人荘の殺人 今村昌弘
いくさの底 古処誠二
マツリカ・マトリョシカ 相沢沙呼
彼女の色に届くまで 似鳥鶏
ミステリークロック 貴志祐介
第19回 刀と傘 伊吹亜門
夏を取り戻す 岡崎琢磨
パズラクション 霞流一
アリバイ崩し承ります 大山誠一郎
婆霊の如き祀るもの 三津田信三
第20回 medium 霊媒探偵城塚翡翠 相沢沙呼
教室が、ひとりになるまで 浅倉秋成
或るエジプト十字架の謎 柄刀一
紅蓮館の殺人 阿津川辰海
滅びの掟 安萬純一
第21回 蟬かえる 櫻田智也
欺瞞の殺意 深木章子
たかが殺人じゃないか 辻真先
透明人間は密室に潜む 阿津川辰海
楽園とは探偵の不在なり 斜線堂有紀
第22回 大鞠家殺人事件 芦辺拓
黒牢城 米澤穂信
六人の噓つきな大学生 浅倉秋成
蒼海館の殺人 阿津川辰海
救国ゲーム 結城真一郎
第23回 名探偵のいけにえ 白井智之
名探偵に甘美なる死を 方丈貴恵
方舟 夕木春央
時計屋探偵の冒険 大山誠一郎
揺籃の都 羽生飛鳥
第24回 地雷グリコ 青崎有吾
エレファントヘッド 白井智之
可燃物 米澤穂信
アミュレット・ホテル 方丈貴恵
涜神館殺人事件 手代木正太郎

脚注[編集 | ソースを編集]

  1. それゆえ、第何回かはその年の西暦の下2桁に一致する。覚えやすくていいね!
  2. この辺は今なんとなくで数えた。間違ってたら訂正してクレメンス。

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