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アンモク語は、主にアンモク共和国で使用される言語。同国においては国民の実に 100% が母語話者となっているほか、憲法では同国の公用語としての地位が認められている。

文法

配語法

アンモク語の文は通常、述部徒党部からなる。述部はたいてい述語動詞 1 語、または述語動詞とそれを修飾する副詞句からなっており、主要部は述語動詞である。徒党部は、主要部である徒党詞と、述語動詞が項として取りうる 0 以上の名詞句からなる。

述語動詞は、そのままの形で用いられることもあれば、そのモダリティ(法性)によってさまざまな接辞を付された形で用いられることもある。徒党部を構成する名詞句は、1 語の名詞に、格を示す接辞を付した形を基本とする。名詞句は形容詞を前置して修飾することができる。

アンモク語文の最も基本的な語順は「述語動詞―徒党詞(―名詞句1―名詞句2―……―名詞句n)」である。ここで、徒党詞は文ののなかで常に 2 番目の位置を占めなければならない。たとえば、徒党部を構成する名詞句が 1 つ以上存在する場合、より典型的には複数存在する場合に、倒置によって名詞句の 1 つが文頭に移動することがあるが、このとき徒党詞は、その名詞句に次ぐ第 2 の要素となるために、述語動詞の前に移動する(「名詞句a―徒党詞―動詞(―名詞句1―名詞句2―……―名詞句n)」)。

徒党詞

徒党詞は、典型的なアンモク語の文において、述語動詞とその項たる名詞句との間に置かれる語である。伝統的なアンモク語学では、名詞句と結びついて「徒党部」を形成し、述語動詞に対して構文論的に分立するものとして解釈されてきた。「徒党詞」という命名は、このような作用を、同年代の友人数名で閉鎖的な集団を形成し、保護者や教師と距離を置こうとするギャング・エイジの少年らに見立てたものである。

文の法と時制は、通常は徒党詞の語形変化によって示される。現代アンモク語の徒党詞は 'pferi' 1 語のみであり、各々の法と時制に対してただ 1 通りの語形をとる。

徒党詞 'pferi' の語形変化
直説法 仮定法 命令法 疑問法 釈迦に説法
現在時制 geid pfere gei pfara (なし)
過去時制 geidein pferein pfer pfereia (なし)
未来時制 geideit pferem pfereit pferama (なし)

また、'pferi' は徒党詞の不定形で、法や時制を担うことはない。

直説法

直説法は事実をそのまま語るための最も基本的な法で、時制に合わせて geid (現在時制) - geidein (過去時制) - geideit (未来時制) の 3 通りの形をとる。

直説法の主な用法は、次の通りである。

徒党詞の形 法と時制 用法 例文とグロス
geid 直説法現在時制 現在における事実、しばしば習慣的反復の事実を表す。 lasch geid bapka-ki ixrau-ra.
exist GANG.IND.PRS dog-SBJ mountain-LOC
"山に犬が居る。"
mafyb freuet geid ja.
often run GANG.IND.PRS 1SG.SBJ
"私はよく走る。"
現在時点において進行中の事実を表す。 neut freuet geid ja.
now run GANG.IND.PRS 1SG.SBJ
"私は今、走っている。"
予定ないし約束された未来の事実(=確定的未来)を表す。 pisi geid sei-v tixach-li schwa-fiss fra.
travel GANG.IND.PRS neiboring-ALL country-ALL tomorrow-TEMP 3SG.SBJ
"彼は明日隣国へ赴く。"
時間的制約のない不変の真理や規則を表す。 oleupf geid cefa-v erwak-mi cifeses-pi.
call GANG.IND.PRS iced-ACC water-ACC ice-DAT
"凍った水を氷と呼ぶ。"
espfar-te teifasb-ki blauzig geid neko-li.
panicked-SBJ migratory.bird-SBJ fall GANG.IND.PRS the.sea-ALL
"焦った渡り鳥は海に落ちる(≒急いては事を仕損じる)。"(ことわざ)
mi-weislaut anlasre tierens um sfierent geid veizeng-ki
ACC-language active study and protect GANG.IND.PRS nation-SBJ
"言語は、国家が積極的に研究しかつ保護する。"(アンモク共和国憲法第1草案第12条)
過去の事実を述べるために用いて、表現に臨場感を持たせる(歴史的現在)。 sandechez-pafrube geid hafgjuyki-ette-∅ niese-fiss ammock-mi.
build-HON GANG.IND.PRS Hafgjuyki-PL-SBJ ancient.times-TEMP Ammock-ACC
"はるか昔、ハフティクリ兄弟がアンモク共和国をお作りなさる。"
geidein 直説法過去時制 過去における事実、時として習慣的反復の事実を表す。 schleup weiter geidein prosled-ki midhunges-mi.
once represent GANG.IND.PST purple-SBJ desire-ACC
"かつて紫が欲望を象徴した。"
freuet geidein fen-fiss ja.
run GANG.IND.PST that.time-TEMP 1SG.SBJ
"私はそのとき走っていた。"
現在の事実の確認を表す。 meipfa lansch geidein hochda-ki nisch sedma-mi.
probably COP GANG.IND.PST today-SBJ date.of eighth-ACC
"おそらく、今日は八日だった。"
現在の事柄に対する確言を表す。 woche nehbste geidein.
apparently win GANG.IND.PST
"これは勝ったな。"
jef, klove geidein.
yes I.get.it GANG.IND.PST
"うん、わかったよ。"
pichpa geidein.
find GANG.IND.PST
"見つけたぞ。"
achtlar, drei geidein schlemi-mi lua.
huh, stop GANG.IND.PST such.a.thing 1PL.SBJ
"ええい、(わたしたちはそのようなことを)やめた。"
geideit 直説法未来時制 未来についての事実、予定、推量などを表す。 lansch geideit schwa-ki nisch kligbies-mi.
COP GANG.IND.FUT tomorrow-SBJ date.of ten:seven-ACC
"明日は17日だ。"
pisi geideit sei-v tixach-li schwa-fiss fra.
travel GANG.IND.FUT neiboring-ALL country-ALL tomorrow-TEMP 3SG.SBJ
"彼は明日隣国へ赴く予定だ。"
raude nohpst geideit haflinch-ki.
soon come ''GANG.IND.FUT rescue-SBJ
"じきに救助が来るだろう。"
二人称を主語にして、強い命令を表す。 fulupa geideit seisthent-nja achexti-mi laf.
atone GANG.IND.FUT death-INS sin-ACC 2SG.SBJ
"死によって罪を償いなさい。"
rebli geideit laupf schxol-mi laupf.
leave GANG.IND.FUT here-ACC 2PL.SBJ
"(お前たちは)ここから出ていきなさい。"

仮定法

命令法

命令法は、その文が述べ立てる事象の実現を願望したり、要求したり、規範的に当然だと宣言したりするための法である。時制に合わせて gei (現在時制) - pfer (過去時制) - pfereit (未来時制) の 3 通りの形をとる。命令法の文の末尾には、通例感嘆符 '!' が付される。

疑問法

疑問法は、未知の事実を述べたて、疑問を表明するための法である。時制に合わせて pfara (現在時制) - pfereia (過去時制) - pferama (未来時制) の 3 通りの形をとる。疑問法の文の末尾には、通例疑問符 '?' が付される。

一般に、直説法の文に含まれる徒党詞の屈折を疑問法に改めると、元の文の真偽を問うための閉じた疑問文が得られる。

  • lasch geid bapka-ki ixrau-ra.
  • lasch pfara bapka-ki ixrau-ra?
  • exist GANG.INT.PRS dog-SBJ mountain-LOC
  • "山に犬が居ますか。"
  • schleup weiter geidein prosled-ki midhunges-mi.
  • schleup weiter pfereia prosled-ki midhunges-mi?
  • once represent GANG.INT.PST purple-SBJ desire-ACC
  • "かつて紫が欲望を象徴しましたか。"
  • lansch geideit schwa-ki nisch kligbies-mi.
  • lansch pferama schwa-ki nisch kligbies-mi?
  • COP GANG.INT.FUT tomorrow-SBJ date.of ten:seven-ACC
  • "明日は17日だろうか。"

また、疑問名詞を項にとって、開いた疑問文を作ることもできる。

  • lasch pfara bapka-ki ixrau-ra?
  • lasch pfara pfab-ki ixrau-ra?
  • exist GANG.INT.PRS what-SBJ mountain-LOC
  • "山にがありますか。"
  • lasch pfara bapka-ki ixrau-ra?
  • lasch pfara bapka-ki pfab-ra?
  • exist GANG.INT.PRS dog-SUB what-LOC
  • "どこに犬が居ますか。"
  • schleup weiter pfereia prosled-ki midhunges-mi?
  • schleup weiter pfereia pfab-ki midhunges-mi?
  • once represent GANG.INT.PST what-SBJ desire-ACC
  • "かつてが欲望を象徴しましたか。"
  • schleup weiter pfereia prosled-ki midhunges-mi?
  • schleup weiter pfereia prosled-ki pfab-mi?
  • once represent GANG.INT.PST purple-SBJ what-ACC
  • "かつて紫がを象徴しましたか。"
  • lansch pferama schwa-ki nisch kligbies-mi?
  • lansch pferama pfab-ki nisch kligbies-mi?
  • COP GANG.INT.FUT what-SBJ date.of ten:seven-ACC
  • "17日はいつだろうか。(=いつが17日だろうか。)"
  • lansch pferama schwa-ki nisch kligbies-mi?
  • lansch pferama schwa-ki nisch pfab-mi?
  • COP GANG.INT.FUT tomorrow-SBJ date.of what-ACC
  • "明日は何日だろうか。"


釈迦に説法

アンモク語に「釈迦に説法」という法は存在しない。

動詞

アンモク語の動詞は平叙文においてたいてい最初の位置を占める要素であって、主に動作・変化・状態・存在を表す。屈折はせず、時制や法や相などの標示を担うことはないが(それらは徒党詞の役目である)、接辞によってモダリティ(法性)を持つことができる。

文の述語となって、徒党部に格納された名詞句を項として取ることができる。項の取り方は、動作的動詞と非動作的動詞とで若干異なる。

名詞

アンモク語の名詞は、接辞によって格を示され、動詞の項となる。性・数などの区別はない。

主格

動作主を表す。 -ki

対格

-mi

具格

-nja

与格

-pi

所格

-ra

向格

-li

時格

-fiss

形容詞

  • 名詞の前置修飾
  • コピュラ文の述語

副詞

  • 動詞の後置修飾
  • 形容詞や他の副詞の前置修飾
  • 文全体の前置修飾(?) - "Astonishingly, the girl didn't cry." の 'astonishingly' みたいなやつ
  • コピュラ文の述語

脚注

注釈

例文

例文のグロス表記はライプツィヒのグロス表記規則に従った。