Sisters:WikiWikiリファレンス/公序ソング/L’appel du vide
むかし遊んでくれた 背の高い いとこの姉ちゃん
たくさんの 楽しい遊び 知ってた
道にチョークで描いた丸に 蟻を三、四匹
「不思議かい? 人が引いただけの線に
閉じ込められるのは 人のほうも 同じさ」
やがて内戦起こり 一族で西へと逃げた
「無事でよかったね」と ぼくを抱きしめる
祖国とここを別ける川で 姉ちゃんと夜釣りだ
「ここが どこの共和国かさえ知らず
泳ぐスズキよりも 人のほうが ばかよね」
自嘲気味に釣りする姿 あまりに艶っぽくて
川に突き落としてしまった
くせのあるブロンドが 水面で解かれ 拡がる
重ね着のスカート 重く萎まる
姉ちゃん もがきながら
生きたいと願う 裸の心で
こっちに手を伸ばす あなたのよさが わかるだけ
まだ 人のほうが すてきだ