利用者:Notorious/サンドボックス/ピカチュウプロジェクト

提供:WikiWiki
< 利用者:Notorious‎ | サンドボックス
2年1月15日 (K) 20:15時点におけるNotorious (トーク | 投稿記録)による版 (下書き)
ナビゲーションに移動 検索に移動

「なあ小島、叙述トリックって知ってるか?」
「急になんだよタケ。まあ知ってるけどさ」
朝の6時半、俺はいつもより少し早く目覚めてしまい、同じく起きていた小島にこの質問をぶつけたのだった。俺と小島、それに三津田と京極、男4人はわけあって同居している。あとの2人はまだぐっすり寝こけている。
「こないだ読んだ本にあってな。ミステリーあたりはからっきしなんだよ」
「はっ、マジかよ」
小島は鼻で笑った。
「お前はこういうの好きだったろ? 教えてくれよ」
「わかったよ。丁度叙述トリックについての昔話があってな、聞かせてやるよ。ただし、手を動かしながらだ」
見ると、三津田と京極がもぞもぞと起き出していた。いつも同じ時間に起きていると、アラームなぞ無くとも自然と目が覚めてしまうものだ。俺はため息を吐くと、布団を畳むために立ち上がった。
「あれは俺が小4の時だった」
そう言って小島は話し始めた。

「なあ義輝兄さん、叙述トリックって知ってるか?」
「急になんだよケン。まあ知ってるけどさ」
憲ってのは知っての通り俺の名前だ。詳しくは覚えちゃいないが、お前と同様叙述トリックって言葉を何かの本で見たんだろう。義輝兄貴とは年が離れててな、子供心には何でも知ってるすごい人に思えたのさ。
「叙述トリックっていうのはな、作者が読者に仕掛けるトリックのことだ」