神曲

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WikiWiki 神曲しんきょく(:La Divina Commedia、:詩尓期九)とは、ダンテ・アリギエーリ作の詩である。

概要[編集 | ソースを編集]

神曲はイタリアの詩人ダンテ・アリギエーリによる長編叙事詩である。1321年頃に完成し、1472年に初版が発行されたとされている。ダンテの代表作であり、イタリア文学最大の古典とされる。

地獄篇煉獄篇天国篇の3部で構成され、それぞれ34歌、33歌、33歌が書かれている(ただし地獄篇の初めの歌は詩全体を述べるものであり、実質33歌)。合計で14233行の韻文、100歌から成る。神曲の構成には3という数字が深く関わっている(部や各部の歌の数など)。これは、3はキリスト教において神聖な数字だからである。ダンテは神曲にキリスト教のモチーフを散りばめたのである。また、各篇は全てstella(星)という単語で終わっている。

神曲は当時にしては珍しく、ラテン語ではなく庶民も使うトスカーナ方言で書かれている。そのため、神曲は多くの人に読まれた。

また、作中には実在の人物が多く登場しており、ダンテを苦しめた人物は地獄に堕ちているなどの描写も見られる。

あらすじ[編集 | ソースを編集]

地獄篇(Inferno)[編集 | ソースを編集]

西暦1300年の聖金曜日、ダンテは暗い森の中で詩人ウェルギリウスと出会い、案内されて地獄へと入る。

地獄は九つの圏から成り、各所を回って最下層に着いた二人は、そのまま登って地球の裏側に達する。そこは煉獄山の麓だった。

煉獄篇(Purgatorio)[編集 | ソースを編集]

煉獄は地獄の先にある台形の山で、悔悛の余地がある罪人達が登っていた。煉獄を登るにつれて罪が浄められ、やがて天国に達するのである。

山頂でダンテは永遠の淑女ベアトリーチェと会う。ここでダンテはウェルギリウスと別れ、ベアトリーチェとともに天国へと昇天するのだった。

天国篇(Paradiso)[編集 | ソースを編集]

天国は十天から成り、ダンテはそれを登っていく。そこには様々な聖人達がおり、神学についての議論をしながら、ダンテは遂に最上層の至高天に到達する。そしてダンテは刹那、見神の境地に達するのだった。

評価[編集 | ソースを編集]

「神曲」は文学作品としてとても高い評価を受けている。特に西洋ではその傾向が強く、古典文学史上の傑作とされている。

ただし発行当時の評価は芳しいものばかりではなく、「神曲」の持つ過激な表現や反教的記述についての批判も多くあった。

比喩表現として[編集 | ソースを編集]

このように「神曲」は、現代では偉大な作品としてとても高い評価を受けている。そのため、日本では「神曲」を神格視する傾向が強まった。だが、「神曲」という邦題から、これは詩ではなく曲だと勘違いする人が後を絶たなかった。その結果、「素晴らしい芸術作品」という「神曲」のイメージだけが独り歩きし、それに勘違いが加わって、

「神曲」=素晴らしい楽曲の代名詞

となってしまった。

このため、人々がエモーショナルな楽曲を知ると、

これ神曲じゃね?

とか

うわ神曲見つけちゃった

といった表現をするようになった。

なお、これを神曲かみきょくと読む人もいるが、誤読である。