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みんな……! どうか目を覚ましてくれ……! | みんな……! どうか目を覚ましてくれ……! | ||
でも……ああ、クソ。本当は分かっているんだ。みんなはもう既に、ホントーダ=カラーダで薬漬けにされてしまっている。 | |||
あの効力は、「正しい根拠」への思案というよりむしろ、本質的には「正しさ」へのそれについて発動する。 | |||
だから、みんなは東大医学部のやっていることが誤りであると気づけないんだ。 | |||
どうする……どうすればいいんだ…… | |||
……この東大医学部事変の始まりは、数か月前に奴らが国会議事堂を乗っ取ったことだった。 | |||
もしも過去に戻れるとしたら…… | |||
'''そうだ!''' | |||
人々はみんなホントーダ=カラーダを摂取している……それを逆手にとればいいんだ! | |||
「正しい根拠」に言及することで、人々の思考は少し前に戻される。しかしながら、酩酊状態とはいえ微弱なものだ。その思考の記憶が完全に消えてしまうことはない。 | |||
つまり……「正しい根拠」を連呼しながら東大医学部への悪評をまき散らせば、みんなの「過去の記憶」の中、深層意識下にその悪評を打ち付けることができるはずだ!!! | |||
これが良い結果を招くのかどうかは分からない。ただ、このほんの些細で冗談半分な悪評でさえ、もう今の俺たちにとっては自発的に手にすることのできない代物だということだけは確かだ。 | |||
この微々たる悪評が、やがて疑念として混乱の下に膨れ上がり、ホントーダ=カラーダをかいくぐって民衆を蜂起させてくれれば、あるいは…… | |||
やるしかない……やるしかないんだ……! | |||
東大医学部は頭が良い。もしかしたらこんなことくらい即座に対応して、俺を悪者に、自身の統治の正当性を裏付ける根拠を捏造してしまうかもしれない。 | |||
だけど……やるしかないんだ。みんなを救えるのは俺だけなんだ。 |
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