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ラレは超ドヤ顔で説明を始めた。 | ラレは超ドヤ顔で説明を始めた。 | ||
「私はヒントの多いママを軸に考えたわ。まず、入るときに冷蔵庫からミルクを出していたことから、{{傍点|文章=直前に出された飲み物がミルクではないことが分かる}}。直前の飲み物がミルクだった場合、次もミルクはホットミルクにしないといけないんだから、わざわざ一旦冷蔵庫に入れる意味なんてないもの。そして、帰り際に氷を出していたことから、{{傍点|文章=次に出る飲み物がコーヒーであることも分かる}}わね。うちのコーヒーメーカーはドリップ式だから、出てくるのはホットコーヒーになる。ここから急冷式のアイスコーヒーにするには、当然冷やすための氷が必要になるわ。 | |||
で、ママの直前の人でありうる人は、ミルクではなくコーヒーを飲んだ三人、つまりコノイエさん、世哉おじさん、ウソツさんになる。だけどコノイエさんは、次の人が秋ちゃんで確定してるから除外できるわね。ということで、まずは{{傍点|文章=ママの前の人を世哉おじさんだと仮定する}}わ。 | |||
このとき、ママの前の世哉おじさんには確実に二つ前の人までいるんだから、ママの前にいる人は少なくとも三人。けどママの後には少なくとも一人『コーヒーを飲んだ人』がいるから、多くたって四人しかいないことになる。だって、そもそもパパのところに行った人は六人しかいないんだもの。このことから、ママの前に世哉おじさんがいる場合のウソツさんの順番は、二つにまで絞れるわ。一つは世哉おじさんの直前、もう一つは一番最後ね。だけど、その両方の場合で……」 | |||
「……もしもし? あの、ちょっと待ってくださいよ、全っ然分かりませんって。」 | |||
此井江の言葉に全員が激しく頷く。 | 此井江の言葉に全員が激しく頷く。 | ||
「もう、ちゃんと説明するってば。だからつまり、このときママの前の人と後の人の組み合わせは二通りしかないの。ママの前に四人、後に一人のときと、前に三人、後に二人のとき。そしてこの二つの場合で、ウソツさんの順番は取り敢えずそれぞれ一通りずつに定まるわ。 | |||
えーと、じゃあまず、ママの前に四人、後に一人のとき。――ところで、世哉おじさんとウソツさんは、どっちもパパがマグカップを拭いていたのを見ている。このことから、二人のそれぞれ二つ前に出された飲み物はミルクだと分かるわ。『使った食器は流しに一つだけ残しておき、増え次第すぐに洗って交換する』。パパの変なトコの一つね。 | |||
ママの次の人の飲み物がコーヒーであること、ママの直前に来た世哉おじさんの二つ前の人の飲み物がミルクであること、そしてミルクとコーヒーは三回ずつ出されていることから、このとき一番目の人は『ミルクかコーヒーを飲んだ誰か』、ニ番目の人は『ミルクを飲んだ誰か』、三番目の人は『ミルクかコーヒーを飲んだ誰か』、四番目の人は『コーヒーを飲んだ世哉おじさん』、五番目の人は『ミルクを飲んだママ』、そして六番目の人は『コーヒーを飲んだ誰か』だとわかる。そしてこの中でウソツさんでありうる人は、一、三、六番目になるわね。 | |||
じゃあまず、ウソツさんが一番目だとしましょう。あれ? でもウソツさんが一番最初の人なら、『ミルクを飲んだウソツさんの二つ前の人』が存在しなくなっちゃうわ。よってこの可能性はなくなる。次に、ウソツさんが六番目だとする。ここで、『ウソツさんの二つ前の人』である世哉おじさんは、『ミルクを飲んだ人』であるはずなのに、実際はコーヒーを飲んでいる。これもおかしいからあり得ない。 | |||
なら、ウソツさんが三番目なら? 三番目の二つ前、すなわち一番目の人は『ミルクを飲んだ人』で充分あり得る。よってこのとき、一番目の人は『ミルクを飲んだ誰か』、ニ番目の人は『ミルクを飲んだ別の誰か』、三番目の人は『コーヒーを飲んだウソツさん』、四番目の人は『コーヒーを飲んだ世哉おじさん』、五番目の人は『ミルクを飲んだママ』、六番目の人は『コーヒーを飲んだ誰か』となる。」 |
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