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(草子、途中) |
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私が知力に殴られた作品は、今まで3つある。井上真偽「その可能性はすでに考えた」、阿津川辰海「名探偵は嘘をつかない」、米澤穂信「黒牢城」である。あなたも機会があれば読んでみてほしい。「なんでこんな構成を成り立たせられるんだよ、作者は人外か?」と思うこと請け合いである。 | 私が知力に殴られた作品は、今まで3つある。井上真偽「その可能性はすでに考えた」、阿津川辰海「名探偵は嘘をつかない」、米澤穂信「黒牢城」である。あなたも機会があれば読んでみてほしい。「なんでこんな構成を成り立たせられるんだよ、作者は人外か?」と思うこと請け合いである。 | ||
'''これはミステリだろ''' | |||
あるあるっぽいが、ミステリファンなら誰しも「これはミステリだろ!」と思うコンテンツがあるらしい。推理と銘打たれているわけではないものなのだが、ミステリたる資格を十分に有したもの。そんな偏愛するものが、それぞれの心の裡にあるのである。 | |||
私の場合、それは漫才である。M-1グランプリ2016のファーストラウンドで披露された、スーパーマラドーナのネタだ。 | |||
元はと言えば、姉がお笑いクラスタであったことが初まりだった。姉はジャニオタだったりタロットにハマったり、趣味に熱しやすく冷めやすい人だった。しかしお笑いが好きなのは今でもあまり変わっていないようで、姉の心は安住の地を見つけたのかもしれない。 | |||
それはさておき、姉が初期の方に好きになったのが、件のスーパーマラドーナである。このコンビが3位という成績を残したM-1グランプリ2016に姉の興味が惹かれたのは、至極当然な成り行きだったと言えよう。私は姉と共に、家のリビングのテレビで、その大会の映像を見た。 | |||
そのネタは、ボケの田中が先日エレベーターに閉じ込められたというシチュエーションだった。人畜無害そうな田中が息もつかせずに繰り出すぶっ飛んだボケの数々に、強面な武智が冷静にツッコんでいく。さすがはファイナリスト、めっちゃ面白かった。 | |||
しかし、しかしである。このネタは思ってもみなかったオチに逢着し、後には笑いと驚きが綯い交ぜとなった変な顔の私だけが残った。旋風のように襲いきて去っていった、衝撃。これは、まごうかたなき、本格ミステリ。突如として出現したこの刺客は、私の心に強い感動を残していった。 | |||
機会があれば、あなたも是非このネタを見てみてほしい。 |
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