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「そうか……じゃあギブアップか?」 | 「そうか……じゃあギブアップか?」 | ||
「いや、待て。必ず{{傍点|文章=作為}}があるはずだ。時間をくれ」 | |||
「ハハ、そうくると思ったぜ」 | 「ハハ、そうくると思ったぜ」 | ||
ただし藤原は、不可解なものに関して「理屈付け」をしなければ気が済まない性格をしていた。その理屈はたいていの場合バカげた話にしかならないが、時には真実へたどり着くための重大な示唆として機能することもある。八方塞がりの行き詰った捜査には、思いのほかこれが効くらしい。だから赤田はいつも、大して推理能力に長けているわけでもないこの浮気調査探偵を訪れていたのだ。 | ただし藤原は、不可解なものに関して「理屈付け」をしなければ気が済まない性格をしていた。その理屈はたいていの場合バカげた話にしかならないが、時には真実へたどり着くための重大な示唆として機能することもある。八方塞がりの行き詰った捜査には、思いのほかこれが効くらしい。だから赤田はいつも、大して推理能力に長けているわけでもないこの浮気調査探偵を訪れていたのだ。 | ||
「まずこの文面から見て取れる情報は、漠然と三つある。まず『意味不明』、ダイイングメッセージにしちゃあ『長すぎる』、そして『消されていない』ってところだな」 | |||
「ほう」 | |||
「見た感じでは、全部の言葉を命令形にしているのかと思ったが……少なくともそれに規則性はないらしい。『料れ研究しろ家の鰻和弘氏』だの、『あまれ衝撃的たれ素晴らしかれこのアイデア』だの……特に『内容れろ』の部分に関しては、飛びぬけて訳が分からない」 | |||
「……へっ、ホントだよ」 | |||
「ただ、錯乱して無意味な文章をしたためたと考えると、{{傍点|文章=それにしてはまとまりすぎている}}という印象だ。確かにこれは意味不明だが、それは文章が破綻していて解釈が不可能であるからというより、何故こんなことを書いたのか分からないからだという方が適している」 |
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