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「一年に一度の『善人-1』。この鉄壁の……人呼んで『善人しか出てこない』刑務所にも、予選大会が開かれる時期が巡って参りました。中継はわたくしアナウンサー若松兼五郎の実況と、」
「一年に一度の『善人-1』。この鉄壁の……人呼んで『善人しか出てこない』刑務所にも、予選大会が開かれる時期が巡って参りました。中継はわたくしアナウンサー若松兼五郎の実況と、」


「生明大学哲学部准教授であります、篠目恵美の解説でお送りいたします」
「生朋大学哲学部准教授であります、篠目恵美の解説でお送りいたします」


「さて早速ですが、今回の予選はどのように行われるのでしょうか?」
「さて早速ですが、今回の予選はどのように行われるのでしょうか?」
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「……ここで来ましたか。彼らは、過去にも数々の参加者から勝利を奪ってきた悪魔……『クソガキ』と呼ばれる子供たちです」
「……ここで来ましたか。彼らは、過去にも数々の参加者から勝利を奪ってきた悪魔……『クソガキ』と呼ばれる子供たちです」


「おっとここで、『クソガキ』は囚人番号81番の方に移動しました。何やら彼を揶揄するような暴言を吐き続けているようですね……ああっと! 『クソガキ』、隠し持っていた生卵を囚人番号81番に投げつけます! ここで! 囚人番号81番は激高! ……あ、殴ったあーっ!」
「おっとここで、『クソガキ』は囚人番号81番の方に移動しました。何やら彼を揶揄するような暴言を吐き続けているようですね……ああっと! 『クソガキ』、隠し持っていた生卵を囚人番号81番に投げつけます! ここで! 囚人番号81番は激高! ……あ、殴ったあ――っ!」


「……残念ながら、囚人番号81番、ペナルティ『ただの子供のいたずらじゃないか』、そして『暴力』によってアウト、敗退となります。いやあ、予想的中ならず、ですね」
「……残念ながら、囚人番号81番、ペナルティ『ただの子供のいたずらじゃないか』、そして『暴力』によってアウト、敗退となります。いやあ、予想的中ならず、ですね」
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「いや、まだロールプレイは終わっていないようですよ、若松アナ。あれを見てください」
「いや、まだロールプレイは終わっていないようですよ、若松アナ。あれを見てください」


「……!? な、なんと、三駅目のホームの向かい側に、どう見ても自殺しようとしている感じの人が! これはどうしたものでしょうか……おっと、囚人番号357番、車両から降り、猛ダッシュで反対側のホームへ移動しています……あ、間もなく車両が来るというそのとき、357番、自殺志願者を保護することに成功しましたーっ!」
「……!? な、なんと、三駅目のホームの向かい側に、どう見ても自殺しようとしている感じの人が! これはどうしたものでしょうか……おっと、囚人番号357番、車両から降り、猛ダッシュで反対側のホームへ移動しています……あ、間もなく車両が来るというそのとき、357番、自殺志願者を保護することに成功しました――っ!」


「これはどっちでしょうか。審判の判定は……セーフ! 『いのちだいじに』ボーナスを獲得です」
「これはどっちでしょうか。審判の判定は……セーフです。『いのちだいじに』ボーナスを獲得です」


「おおっとここで、決着がついたようですAグループ! 勝者は……『最悪サイコパス』囚人番号357番となりました!」
「そして……! 決着がついたようですAグループ! 勝者は……『最悪サイコパス』囚人番号357番となりました!」


「『毒カルト信者』囚人番号632番は惜しくもここで敗退となりましたね」
「『毒カルト信者』囚人番号632番は惜しくもここで敗退となりましたね」
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「いやあ、今回も凄まじい熱戦でした。さて、それでは十分後にBグループ」
「さて、それではグループBによる『グループロールプレイ』がそろそろ始まるところですが……おっと、どうされました?」
 
「ただいま放送席に入った連絡によると、どうやらグループBなんですけれども、なぜだか善人王以外の参加者との連絡が取れなくなってしまったようで、彼らは棄権と判断。よって勝者は、繰り上がり式に今上善人王その人となったそうです」
 
「……!? いったい何があったのでしょうか、気になるところではありますが……とすると、もうステージ2がいきなり始まるわけですね」
 
「ええ、そういうわけですね。ステージ2の参加者は、グループAの勝者『最悪サイコパス』囚人番号357番、そしてグループBの勝者、今上善人王となります。そしてこのステージ2、当予選における事実上のラストステージで行われるのは『凶悪犯罪者チェスバトル』です」
 
「きょ、『凶悪犯罪者チェスバトル』!?」
 
「このゲームは、ルールとしてはいたってシンプルな普通のチェス。しかし特徴的なのは、各16個、計32個のチェスの駒が、全て刑務所内から連れてこられた凶悪犯罪者で代用されていることでしょう」
 
「なるほど……善人王たるもの、ただ軟弱で優しいだけの人物ではなく、悪人を指導・指揮して従わせることのできる『強い善人』でなければならないんですねえ。ただ、流石に身一つでこの数の悪人を従わせるというのは難しい気がしますが……」
 
「そんな時のために、このゲームにはいくつかの特別なアイテムが用意されています。一つは『ムチ』、一つは『アメ』、そして最後に『アサルトライフル』です。これらは凶悪犯罪者たちを統制するのに非常に役立ちますが、使いすぎると減点対象になるようです。また、相手チームの駒にアイテムを使用するのは禁止されています」
 
「甘い『アメ』に恐怖の『ムチ』、死の象徴『アサルトライフル』の効果的運用、さらには単純なチェスの技能も併せて、善人としての複雑なタスク処理能力が試されるゲームなんですねえ……おっと、中継、繋がりました! なるほど巨大な盤面の上に数々の……おっと、テレビで見たような凶悪犯がずらりと並んでいる、異様な光景です!」
 
「先攻は今上善人王、後攻は囚人番号357番になります」
 
「さあ始まります、ステージ2、『凶悪犯罪者チェスバトル』に勝利し、本大会への切符をつかむのは、無敗の善人・今上善人王か、それともダークホース357番の下剋上成るか!? 今、始ま――」
 
「――!?」
 
「――な、なんという事でしょうか!? このような展開を、いったい誰が予想できたというのでしょうか!? 先攻の今上善人王、開局の合図と同時に、アサルトライフルで32人の凶悪犯罪者を一人残らず射殺――っ!」
 
「大変な番狂わせです。あ、今、審判……はい、今、これは反則行為とみなされ、当予選大会の勝者は『最悪サイコパス』、囚人番号357番となりました」
 
「こんな事があっていいのでしょうか!? まさかあの優勝候補が、予選で、しかも反則のペナルティで敗北を迎えることになりました!」
 
「今上善人王……いったい何を思って、このような凶行に及んだのでしょうか……」
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