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毒殺魔は、ミミイカとあん肝を買いに、鮮魚店へと向かっていた。どうせなら常備している毒物ストックからトリカブトをすぐに渡してあげたかったが、あの子がそこに集まった人々に適当に買うものを割り振ったので、仕方がない。毒殺魔は豊洲の方へ出張っていき、やがて青臭さに満ちた魚屋にたどり着いた。そこのおっちゃんに聞くと、ミミイカはないがアオリイカならあると熱弁され、結局押し切られて活きのいいアオリイカを買わされてしまった。それとアンコウも購入し、毒殺魔の習性でついついアカエイとかを探してしまったが、鮮度のいいうちに帰らねばと我に返って駅へと向かった。 | 毒殺魔は、ミミイカとあん肝を買いに、鮮魚店へと向かっていた。どうせなら常備している毒物ストックからトリカブトをすぐに渡してあげたかったが、あの子がそこに集まった人々に適当に買うものを割り振ったので、仕方がない。毒殺魔は豊洲の方へ出張っていき、やがて青臭さに満ちた魚屋にたどり着いた。そこのおっちゃんに聞くと、ミミイカはないがアオリイカならあると熱弁され、結局押し切られて活きのいいアオリイカを買わされてしまった。それとアンコウも購入し、毒殺魔の習性でついついアカエイとかを探してしまったが、鮮度のいいうちに帰らねばと我に返って駅へと向かった。 | ||
漁師の息子は、サンドバッグを入手するために、ジムへと向かっていた。どうせならお父さんの獲ってくるイカやアンコウをあのお姉さんに食べさせてあげたかったが、お姉さんがそこに集まった人々に適当に買うものを割り振ったので、仕方がない。彼は、近くのスポーツジム跡へと足を向けた。そこにはかつては使われていたトレーニング器具が放置されており、たまに友達と遊んだりしていた。そこに黒くて彼くらいの大きさがあるサンドバッグが落ちていた。彼はそれを持っていこうとしたが、存外にそれは重くてなかなか運べない。彼は気合いを入れてサンドバッグの端を持ち上げ、引きずり始めた。筋力が鍛えられているのか、だんだん運ぶのが楽になっていくのに手応えを感じながら、彼は河川敷へと少しずつ少しずつ戻っていった。 | |||
サンドバッグマイスターは、和傘を買いに、海外客向けの雑貨店へと向かっていた。どうせなら利きサンドバッグの技倆を存分に生かし最上級のサンドバッグをあのヒーローにあげたかったが、彼女がそこに集まった人々に適当に買うものを割り振ったので、仕方がない。和傘なんて使っている日本人は舞妓さんくらいしかいないが、外国人には人気の土産になっているとサンドバッグマイスターは知っていた。果たせるかな、当たりをつけた雑貨店には鞠を回せそうな和傘が売っていた。サンドバッグマイスターは自らの慧眼に惚れ惚れとしながら、「雨に唄えば」みたいに軽く踊りつつ復路についた。 | |||
舞妓さんは、まきびしを買いに、忍者の里へと向かっていた。どうせなら持っている和傘を志仁田はんにあげたかったが、志仁田はんがそこに集まった人々に適当に買うものを割り振ったので、仕方がない。どうやら近くに甲賀流忍者の里東京支部があるようなので、舞妓はそこを目指していた。それにしても、サラダを作りはるのにまきびしがなんの役に立つんでっしゃろ? と舞妓は思ったが、わからないものは仕方がない。やがて甲賀市東京支部に着くと、忍者グッズの売店に入った。手裏剣の横にまきびしコーナーはあり、さまざまな種類のまきびしが陳列されていた。店番のくの一から丁寧な説明を受けつつ、どのまきびしが最適か、舞妓は吟味し始めた。 | |||
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